数週間前、カリフォルニア南部のうちの近所のスーパーで主人がよく飲むブランドのソーダが売り切れていることに気付いた。仕方ないので数マイル離れた別のスーパーに行ってみたが、そこでもなかった。それで仕事の帰りに職場近くのスーパーに寄ってみたが、やっぱりそこでもない。店員さんに聞いたら納入が滞っていて、色々なものが品不足になっているという。どうしてこんなことが起きているのか、実はこれは武漢ウイルスが大きく関係しているのだが、病気そのものではなく、その対策に問題があるのだ。

読者諸氏は今多々の商業港で貨物船が荷下ろしできずに混雑状態が起きていることをご存じだろうか?先ずはこちらの地図をご覧いただきたい。

これに関してデイリーメイルの記事から拾ってみる。

ロサンゼルス沖では荷下ろしまでに4週間待ち、シカゴ沖では貨物船の列が25マイルにも及び世界中の供給網が崩壊寸前。アメリカは車や靴や運動用器具などの不足でホリデーシーズンに陰りをみせる

なぜ貨物船が沖で列をなしているのかというと、荷下ろしをする人手が大幅に不足しているからなのだ。それというのもカリフォルニアなど武漢ウイルス対策で厳しすぎる規制を行っており、必要な労働者が職場に戻れないからである。ワクチンを打っていなければ出勤できないと言われたら、ワクチンの副作用もはっきりしないのに接種したくないと思ってる人が仕事を辞めたり自宅待機を選んだりしている。また、ひとりでも陽性患者が出たら、その人と接触した人たち全員が二週間隔離されるなどということも起きており、それでは100%の出勤率はまるで望めない。これによって洋服や電化製品や車や家具など史上最大の品不足が起きているというわけ。

貨物船が何週間も立ち往生すると、これはアメリカだけの問題では済まされない。貨物船は世界中を回っているので、アメリカで待ってる間に他の国々への運送も滞ってしまうからだ。これで世界中の物流に支障を来す。品不足で世界中がインフレに見舞われることとなる。

問題が起きているのは貨物船の荷下ろしだけではない。一旦荷物が降ろされても、それを運ぶ輸送トランクが足りていない。これもトラック運転手不足からくるもの。

コロナ禍の不況でバイデン政権は失業保険の期限を延ばしたり、多額の救済金を支給した。最低賃金以上の給料をもらっているひとは仕事に戻った方がずっと得だが、最低賃金そこそこの給料をもらっていた労働者にとっては、はたらかずに家にいて政府からの救済金をもらっていたほうがずっと得という状態が起きている。バイデン政権は低賃金労働者を救済するつもりだったかもしれないが、それが仇となって人々が仕事に戻らなくなっているのだ。

バイデン政権は国民のワクチン接種義務化を進めているが、多くの企業が従業員のワクチン義務化をすでに自主的に行っている。それで国民のワクチン接種率が増えるかというと実はその反対。アメリカではワクチンを打ちたい人はもうすでに打っている。ワクチンは無料だし近所の薬局で予約もなしに打ってもらえる。だから今でも接種していない人は接種したくない人たちだけだ。そんな人たちに無理矢理接種を強制すればどういうことになるだろうか?

本日600にも及ぶサウスウエスト航空の便が欠航や遅延になり大混乱をもたらしている。サウスウエストは天候上の問題だと言っているが、実はこれは従業員に課されたワクチン義務が問題なのではないかと言われている。つまり、ワクチン義務化に抗議した従業員たちが大量に辞職したり、抗議のため病欠したりしているせいだというのだ。

ワクチン義務化で人手不足が起きているのは航空会社だけではない。病院や警察や消防隊など、義務化に抗議しての辞職が相次いでおり、武漢ウイルスそのものよりも、バイデン政権の無理な政策により医療崩壊やその他のサービスが崩壊しつつある。

世の中は色々なことが複雑につながっている。風が吹けば桶屋が儲かる理屈でも解るように、アメリカのワクチン義務化が世界中のインフレにつながる可能性があるのである。

こちら、ワクチン義務化に抗議するパイロットのスピーチ。西村幸裕さんが日本語訳をつけてくれてるのでつけておく。


6 responses to アメリカのワクチン義務化がもたらす世界中の物流危機、風が吹けば桶屋が儲かる理屈

よもぎねこ2 years ago

 自分が病気になるだけなら単純に自己責任という事で、接種の強制は絶対に許されないのですが、しかし他人に感染させることを考えると、自己責任論だけではすみません。

 特に医療や介護の仕事をしている人の場合は、仕事で接する相手が病人や老人など感染したら死ぬ可能性が高く、しかも自分から看護師や介護師を選べない立場です。

 沖縄の病院で看護師12人がワクチンを拒否、院内感染が起きて51人が感染、患者17人が死亡しました。 
 実はこれ日弁連が看護師にワクチン拒否を焚きつけたようなのです。

 しかし接客業でもなく病人や高齢者と接するわけでもない人達にまでワクチンを義務化するべきか?と言われると難しいですね。

 例えばパイロットなんて仕事で接するのは同じパイロット同志だけだから、敢えて接種しなくてもいいとは思います。

 しかしパイロットは仕事中、狭い気密性の非常に高いコックピットで数人が間近に座って長時間操縦を続けるわけでしょう? 一人が感染していたら、一回のフライトで同乗のパイロットも全部感染するでしょう。
 それでパイロットの中に糖尿病などの持病があって、コロナ感染で重症化リスクの高い人がいて「自分はコロナに感染したら死ぬ可能性が高いのだから、ワクチンを接種していないパイロットとは同乗したくない」と言ったらどうなるんでしょうね?

 航空会社の側からすれば糖尿病のパイロットを守るべきという事になるのではないでしょうか?

 アメリカの場合、肥満率も高く糖尿病を抱えてる人など非常に多いでしょう? 
 そして実際にコロナの犠牲者も非常に多いのですから、こういう人たちからすれば「ワクチンを接種していない奴と一緒に働くのは嫌だ」と言いますよね?

 こういう場合はワクチンを接種しない人を避ける権利というのはみとめられるのでしょうか?

 人間には誰でも自分の生命を健康を守る権利がありますから、危険な感染症に感染している可能性のある人を避ける権利は認められるはずです。
 そうなると当然ワクチン接種を拒否している人を避ける権利があるという事になります。

 航空会社の側からすれば糖尿病のパイロットを守るべきという事になるのではないでしょうか?
 

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よもぎねこ2 years ago

 それにしてもなんとも不可解なのは、なぜか保守派にも反ワクチンの人が多いんですよね。
 しかもトランプ支持者に。
 
 今、アメリカで使われているコロナのワクチンってトランプ大統領のおかげでできたモノだし、あれはトランプ大統領の功績の中でも最大の物の一つです。

 それなのになぜかトランプ支持者の中にも意味不明の陰謀論でワクチン拒否をする人がいるのですから、わけがわかりません。

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苺畑カカシ2 years ago

よもぎねこさん、

アメリカ人は政府から何かを強制されることが嫌いなんですよ。特に自分の健康管理はあまりにもプライベートなので政府になんだかんだ指図されたくないというのが本音です。

保守派はワクチン反対なのではなく、ワクチンの義務化に反対なのです。フロリダやテキサスの知事は民間企業におけるワクチンやマスクの義務化を禁止する命令を出しています。でも二人ともワクチン接種は熱心に推進しています。問題は自由意志が許されるのかどうかという根本的な問題で人々は抵抗しているのです。

私もワクチンは早々に摂取しましたが、ワクチンの義務化やパスポートには反対です。

ところで、ワクチンが一番行き渡っていないのは保守派ではなくて黒人層なんです。彼らは民主党政権だろうが共和党だろうが政府というものを信頼していない。特に昔黒人は性病の治療法で人体実験された歴史がありますから。それでワクチンパスポートを施行したニューヨークなどでは黒人層が差別されてレストランや小売店に入れないという問題が起きています。

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苺畑カカシ2 years ago

アメリカのワクチン義務化も厳しいけど、オーストラリアに比べたらまだまだ緩いね。
https://twitter.com/RuminatorDan/status/1449076049703313411
オーストラリアでは16歳以上でワクチン打ってない人は、特定の理由がない限り知り合いの家にも遊びに行けない。レストランやジムなんかもってのほかだよ。

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かんぱち2 years ago

ワクチンの効果が持続するのが半年間で、半年ごとにブースターショットが必要になるとわかった時点で、個人の決定については、口角泡を飛ばしてまで議論する事じゃなくなったような気がします。どうせ半年ごとに選択を迫られるわけだし、途中から意見を変える人もいるでしょうから。

実際、ある日本の著名な保守系言論人は、政府への不信感から 「3回目は打たない」 と言ってますし、逆に、今回は接種しなかったけど、次回は接種するという人もいるでしょう。でも一番多いのは、これまでの接種で激しい副反応が出た人が 「もうワクチンは打ちたくない。コロナも怖いけどワクチンも怖い。」 というパターンじゃないかと思います。

そういう理由でワクチン接種を拒否した人が、もし勤め先を解雇されたりしたら問題だなぁと思うけど、この冬、特に欧米では、そういう問題があちこちで起こりそうな気がします。

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苺畑カカシ2 years ago

サウスウエストはパイロットやスチュワーデスの「病欠」抗議に負けて、ワクチン強制はしないことにしたそうです。

警察や消防署や病院でもストライキが起きているので、全国的義務化は難しいでしょうね。

ちなみにうちの職場では11月までにワクチン打てとお達しが来ました。打たなかったらどうなるのかという話はまだ聞いていません。

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