ツイッターでヒップホップ歌手の宇多丸という人のラジオトークが上がってきた。彼が自分の番組で音楽仲間のDJ Oasis(以後オアシスと略)という人のトランスジェンダーに関するツイートについて批判したものだ。宇多丸はかなり辛辣にオアシスを批判していたので、いったいどんなひどいことをツイートしたのだろうか読んでみたら非常にまともなことをしか書いてなかった。では先ず問題とされたオアシスのツイートより。

DJ Oasis
@djoasisthefunkp
·
Sep 27
「トランスジェンダーとハリウッド:過去、現在、そして」を観た。これを観ればこれまでの辛い環境、差別的歴史、守るべきTの人が居る事が当然理解出来る。ここに出て来る人達は皆守られるべきTの人だろう。問題なのはTという事を利用して性犯罪やスペースの侵害をしようとしている人間が居るという事。

犯罪は性別、性自認、時と場所を問わず問題提起されるべき事。Tという事を利用され犯罪を犯そうとしている人間に対しTの人達は当事者としてもっと問題提起するべきなんじゃないか?そして生物学的女性への差別、侵害、それも問題提起していいんじゃないだろうか?

この作品に出てる人は明確な考えを持ち発言も出来る人。ならば自分達の権利だけでなく多くの問題提起も出来る人達なんじゃないだろうか。Tが利用され起きる犯罪を無くす為、生物学的女性と共生出来るコミュニティを作る為に世を変えるのはこういう当事者の人達がその発言をする事なんじゃないだろうか

何故当事者にはそういう発言をする人が少ないんだろうか。何故どんな事も「差別」「差別者」で済ます人が居る事に「それで終わらすべきじゃない」とメッセージを出さないんだろうか。そういう点がこの作品に無かった事が残念だ。自分は勉強不足の人間だ。でも勉強不足の人間から出る率直な意見なんだ。

これのどこが悪いのか私には解らないが、宇多丸が何故これが差別的だと思ったのか、彼の長ったらしいトークから抜粋しよう。宇多丸はつい最近までトランスジェンダーに関してはほとんど何も知らなかったとしたうえでこのように述べる(強調はカカシ)

当然、この番組はカルチャーキュレーション番組、文化の番組ですけども。だからこそ、そういうところの勉強は怠らない。それはもちろん今後も、たとえばジェンダーのこと、たとえばセクシズム的なこと、性差別に関しても私は昭和のシス男性で……シスジェンダーというのはつまり、自分の性自認と生物学的な性別が一致しているということですけども。

まあ、多数派にして男性ということで、この社会の中でははっきりと抑圧をするような立場であって。我々は……図らずもですよ? 自分がそう意図をしていなくても、社会の構造として。というので、とにかく謙虚に耳を傾け、勉強していくことは必須であろうと。(略)

(オアシス)自身も「トランス差別をしている」という意識とか意図はないと思うんですよ。彼の言っていることはいわゆる「セルフID危険視論」っていうのがあって。要するに自分で性自認を決められるということにあると、たとえば……これはその方々の主張ですよ? たとえば、そういう女性に限定されるような空間……たとえば公共浴場であるとか、そういうところに「私は女です」と勝手に自ら言っている男が入ってきて、性暴力とかそういったことが起きてしまうではないかっていうようなことを言っているんですが。

でも、この論理自体もパッと聞いて「あれ?」って思う人、いると思うんですけども。「あれ? その性暴力をしているのは『男』なのでは?」っていう。「トランスジェンダー女性」には何の責任もないことですよね。女性に嫌がらせをしたいとか、性的に何かをしたいっていう意図で性別移行をする人って、いないと思うんですけども。だから、それをやるのは明らかに「男性」ですよね。おそらく、それは「シス男性」ですよね? なので、ちょっとそれは問題の論点が違うだろうと。

もちろん、たとえばそういう危険性をどう防ぐのか?っていう個別の議論はあってしかるべきでしょうし。女性が安心していろんなところに行けるっていうのは当然、あれでしょうけども。そのことをトランスジェンダーという人々に対して責を負わせるというのは完全に筋違いですし。

宇多丸はオアシスの書いた文章を読んだのだろうか?オアシスの発言にはトランスジェンダーへの差別的なものは何もない。トランスジェンダーの人たちには差別されている人もいるだろうし辛い環境の人もいるだろうとしたうえで、トランスジェンダー界隈の人たちこそ、積極的に性犯罪を犯す自称トランスたちを批判すべきなのではないかと問題提起をしているだけだ。差別だ差別だと騒いでいるだけでは理解は得られないと言っているのだ。

宇多丸もオアシスが観たという「トランスジェンダーとハリウッド:過去、現在、そして」 を観たという。宇多丸の傲慢なことろは、同じ映画を観たひとは全く同じ感想を持つと思い込んでいる点だろう。同じものを観ても全く違う印象を持つ人や意見を持つ人がいるなど信じられないようだ。それでオアシスとは何度かコラボをしているというのに、このままオアシスの意見が変わらないのであれば今後一緒に仕事はできないだろうなどと言っている。多種多様を常に言っているリベラルにしては偏狭だな(皮肉です)。

宇多丸はオアシスが前記のツイートを訂正して謝罪すべきだと言う。

だからちょっと、わかりません。ここから先は。どういう風に、オアシスさんがどの程度考えを改めてくれるとか……それは彼の問題でもあるので。あるいは、ちゃんと訂正をして謝罪をしてくれるところまで行くのかはわかりません。僕としてはそこまで行かないとこの件は決着がつかないと思うけど。で、これを今、放送上で言っていることでちょっと刺激しちゃっているところもあるかもしれないけど。でも僕は、話ができる仲間だと信じたいというか。ヒップホップシーンの自浄の力を信じたいというか。進歩する力を信じたいというか。僕らの世代のヒップホップをやっている人間であってもね。ここんところ、評判が悪かったから。

オアシスの他のツイートを見る限り、彼の考えは結構一貫して保守的なので、彼がこの発言を本当に悪いと思って撤回するとは思えない。もしそれをするとしたら、宇多丸みたいな音楽関係の人たちから撤回しなければ今後仕事はしないというような圧力をかけられた場合のみだろう。

オアシスがツイートしたのは昨日のことなのでまだどうなるか解らないが、アメリカで芸能人がこういう発言をしたら即座にキャンセルされるだろう。日本ではまだそこまで行っていないのだとしたら非常に喜ばしいことだが、宇多丸のような同じ業界の人たちがオアシスに撤回しろ、謝罪しろ、と圧力をかけたらどうなるかは分からない。オアシスという人がどのくらいその業界で顔が効くかにもよるが、彼のキャリアに響く可能性はある。

以前にも言ったがトランス界隈は絶対服従を求めるので、どれほどトランスジェンダーに理解を示しても、最後の最後まで100%服従しない人間には容赦がない。オアシスさんがその圧力に負けないことを祈ろう。


5 responses to 違う意見を絶対に許さない不寛容なリベラル、ヒップホップ界の宇多丸とDJOasisの違い

かんぱち2 years ago

宇多丸は映画にも詳しくて、ラジオのパーソナリティなどもやっているので、以前は私もよく聞いていました。でもパヨクだと知ってからは、聞くのをやめました。

日本のヒップホップ業界の人達って 「ラッパーなら、政治についても語らなくては!」 とでも思っているのか、極左的な発言をする人が多いんですよね。
ただ、今回は宇多丸に対して、同じヒップホップ業界の人からも批判するツイートが上がってましたね。これはちょっと意外でした。

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    苺畑カカシ2 years ago

    アメリカやイギリスでオアシスさんみたいな発言をしたら徹底的に叩かれますよ。欧米のトランス界隈の権力は絶大ですから。キャリアが完全に潰される可能性もある。JKローリングさんの件などが典型です。あれほどの左翼でもトランス女性は女性ではないと言っただけであれですからね。

    でも日本ではヒップホップ業界でも意見が割れているのだとしたら、日本の業界はアメリカほどトランス脳に犯されていないということですね。日本はまだ間に合う。この横暴なトランスジェンダリズムに屈しない人がもっとたくさん出てきてくれることを願います。

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苺畑カカシ2 years ago

Kダブシャインという人とDJOasisさんのトランスジェンダーに関する話は結構面白かったな。オアシスさんは色々勉強してる感があって、聞きかじりで話しているわけではないことが解った。https://youtu.be/de9lm50qfzg

日本では著名人がこういう話をしてもキャンセルされないようだ。

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かんぱち2 years ago

Kダブシャインは、極左の多いヒップホップ業界の中で、少し前に 「ホモ」 という言葉を使って、謝罪させられたことがあるので、それをきっかけにLGBTについて真面目に考え始めたのかもしれません。思考停止するよりは、ずっと良いですね。

あと、この前のアメリカ大統領選挙で、トランプさんを支持する黒人アーティストを見て、「トランプ=レイシストという見方は短絡的すぎるんじゃないのか?」 みたいなツイートもしていましたね。
宇多丸だったら 「ラッパーなら、無条件にBLMとAntifaを応援しろ!」 とか言って、それこそ思考停止していそうだけど。

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    苺畑カカシ2 years ago

    恥かしながら、私はポップカルチャーに全く疎い人間で、ましてや日本のヒップホップ界とか縁遠すぎます。それでも左翼が多いと思われるヒップホップ界でこういう問題をちゃんと語ってくれる人たちがいるというのは日本もまだまだ捨てたもんじゃないという気がします。左翼一色染まってるカリフォルニア人からしたら羨ましいです。

    DJオアシスさんがトランスジェンダーの横暴について声を上げたことがきっかけなのか、彼の20年近く前の曲の歌詞が女性蔑視だとかいちゃもんつけてる人がいるみたいですが、ヒップホップカルチャーと言えばマッチョな男の世界というイメージがあるから、そういう文化はありますよね。

    しかも20代と40代じゃ考え方が全然違うのは当然だし、当時は粋がってた面もあるので、そういうことで今の大人の男性を批判するのはおかしいと思いますね。

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