先日ロサンゼルスコリアタウンのWiSPAで起きた自称トランス女性の男性が女湯に入って局部を女性や女児の前で露出した事件に関して、日本語のヤフーニュースが取り上げた。取り上げたということだけは評価するが、その内容が滅茶苦茶だ。

「Wi SPA」はいかがわしい店ではなく高級感あるサウナで、ミネラルソルト・マッサージやハイドロ皮膚剥離(いわゆる垢すり)といった韓国式マッサージが白人セレブにも大いに人気がある。6月26日、店を予約したトランスジェンダー(性転換者)を自称する「身体は男性」の客がやってきて、「女湯はどちら?」と当然のごとく入っていったことから騒動は始まった。

韓国人従業員は「性別、宗教、人種を問わず、いかなる差別もしてはならない」というカリフォルニア州法第51条を忠実に守って入浴を許可した。ところが数分後、6歳の少女を連れて入浴していた女性が血相を変えてフロントにすっ飛んできた。 「あの人、男よ。女じゃないわ。この店では男を女湯に入れるの? 小さな女の子の前でおちんちんを見せびらかしているのよ! なんとかしてちょうだいッ」

ここまでは、まあ事実に基づいているし、WiSPAがいかがわしい店ではないと断っていることも良しとする。ところがこの後からおかしなことになる。

LGBTQ団体に属するトランスジェンダーたちは、抗議した女性客に対する店の対応は甘かったと抗議し始めたが、サウナ側は「法律は遵守している」として、対応には問題がなかったという主張を続けた。すると団体は一週間後の7月3日に大規模な抗議デモを行うと宣言。(略)

それに対して反LGBTQを掲げるQアノンやエバンジェリカルズ(キリスト教福音派)は店の対応は十分だったと支持。反トランスジェンダー活動家のイアン・マイルズ・チョン氏は、「この世界には男と女しかいない。トランスジェンダーなど存在しない」と発言して、予定される抗議デモを粉砕せよと檄を飛ばした。  

そして迎えたデモ当日。数十人のLGBTQ支持者が「トランスジェンダーの女性は女性だ」と書かれたプラカードを掲げて集会を始めようとしたところに、忍者のような全身黒ずくめのQアノン数人が襲い掛かった。リュックに銃を忍ばせている者や鉄パイプを持参した者もいた。エバンジェリカルズは「正真正銘の女性の権利こそ重要だ」というプラカードを掲げて参加した。防戦するデモ隊は素手で立ち向かったが、相手は乱闘慣れしているツワモノばかり。警察が駆けつけるまでに数人がけがをしたと地元テレビは報じている。

先ず最初に7月3日に抗議をすると宣言したのは、トランス支持者のほうではなく、女湯に男性を許容したスパの規則に抗議した女性客とそれに同情した人々の方である。そして予定される抗議デモを粉砕せよと呼びかけたのはトランス支持を訴えるアンティファで、当日に「忍者のような全身黒ずくめ」で現れ一般の抗議者に「数人で襲い掛かった」りリュックに銃を忍ばせている者や鉄パイプを持参した」のもアンティファのほうである。つまりこの記事は善人と悪人の話が真逆なのだ。しかもこの記事にはアンティファのアの字も書かれていない。

スパへの抗議に集まったほとんどの人が政治見解は比較的リベラルなごく一般の人たちで、Qアノンや福音派の宗教家たちは一人か二人だった。また星条旗を翻すプラウドボーイズのような右翼団体も顔を見せなかった。この抗議運動はあくまでも地元の消費者によるこじんまりとしたイベントのはずだった。

抗議当日に集団で現れて抗議に参加しようとする人々を孤立させて数人でとり囲み、個人が自筆で書いたプラカードを人々からもぎ取り罵声を浴びせかけたのはアンティファだ。確かに宗教家の姿も見えたが、彼らは武器を持っておらず、単に自分らのサインを掲げていただけ。それを数人で囲んで殴る蹴るの暴行を振るったのもアンティファだ。現場にいた人の証言によれば、アンティファ連中はアンティファの暴行を撮影しようとしていたフリーの記者たちにも襲い掛かり、アンティファ以外の撮影を暴力で阻止した。警察に暴力を振るったのもアンティファ。

アンティファが自慢げにSNSにアップした動画のなかにも、トランスジェンダーを支持している人がQアノンに襲われた画像はひとつもない。暴行を受けたのは全て反スパ規則の人々だ。アンティファがアップした動画には、中年女性一人を数人で取り囲んで吊し上げしている姿や、ラテン系のカップルを車まで追いかけて暴力的に嫌がらせしている姿が映っていた。

この記事は一貫してトランス支持の視点から書かれており、トランス活動家とのインタビューはいくつか載せているのに、実際に女湯で男性に遭遇した女性たちへのインタビューも、スパ経営者へのインタビューも行っていない。こういう事件では事件当時者に事情を聴くのが先ず最初ではないのか?

同記事はロサンゼルスタイムスのこんな意見を引用。強調はカカシ。

地元有力紙、ロサンゼルス・タイムズは6日、「トランスジェンダーにはサウナの客になる権利がある」と主張する社説を掲載した。 <他の客が不愉快だ、というのであれば、陰部を隠せばいい。この種の論争はそろそろ終わりにしていい。今の若者たちは、性別とか性的指向の異なる人たちと同じスペースを共有することを快適だと思っている>

話はそういうことじゃないだろ!女湯に男が入ってくるということは、男性に裸を見られたくないというだけでなく、男性の裸も見たくないということなのだ。特に年端も行かない女児に男性の局部を露出する行為が問題視されているのに、女性に陰部を隠せばいいだなどとよくも言えるな、この変態!この論争はそろそろ終わりにしていいって?始める前から女性たちの意見を一度でも聞いたのかお前らは!そんなだからLAタイムスの購読数は激減してるんだ。

そして記者は最後になぜか無関係なアメリカの風俗に関する話を追加。

風俗事情に詳しい米タブロイド紙の女性ベテラン記者はこう言い切る。 「今やフリーセックスが当たり前のアメリカで、混浴を嫌がる恰好つけは無用です。トランスジェンダーの女性にペニスがあろうとなかろうと、それほど問題ではないはずです。もっとも今回の事件では、マッサージを隠れ蓑に売春をしている悪徳コリアン業者たちまで正義の味方ぶることには違和感を感じますけどね」

この女性ベテラン記者の言ってることはすべて出鱈目だ。先ずアメリカで「フリーセックスが当たり前」なんてことはない。それは一部の極左翼リベラルの間ではそうかもしれないが、アメリカ社会は諸外国に比べて非常に保守的だ。それはジュデオクリスチャンの伝統があるからだ。それからWiSPAは混浴ではない。もしもこのスパが混浴で最初から男も入ってくると知っていればあの女性客も驚いて苦情を言ったりはしなかった。WiSPAにも男女が共同で使える場所があり、そこでは皆水着を着ることになっている。

問題なのは男女別施設で家族連れも安心という、うたい文句で客を引き付けているにも関わらず、髭面すね毛男が男性器をぶら下げて堂々と女湯に入ってきたことなのだ。コリアタウンでマッサージを隠れ蓑にしている売春宿があることと今回のことはまるで無関係。一緒にして韓国人叩きに使うのも記者の品性を疑うというものだ。

それにしてもいつも思うのだが、在米記者と言われる人々の怠慢さだ。アメリカの新聞やメディアの記事を集めただけで記者として成り立つというなら、アメリカに住んでいる価値があるのか?何故自分の脚で出かけて行って取材しない?せめて当事者と電話インタビューくらいすべきだろう。WiSPAから直接事情を聴けなくても、同じようなスパを経営する他の人たちは、この問題にどう対処しているのかくらい取材したらどうなのだ?

こちら当事者の女性の供述。

ともかく、この記事には問題点がありすぎたので指摘させてもらった。


2 responses to WiSpa事件に関する出鱈目なヤフー記事

苺畑カカシ3 years ago

アメリカの記事でも、この事件はこの女性がでっち上げたものだったというのがあり、それを翻訳したものを見つけたので張っておく。記事の内容は嘘と矛盾だらけだ。
https://ja.gimmeaqueereye.org/entry/27080

「(イーヴァン・ウルクハート ステート誌 2021年7月9日)

警察は、ロサンゼルスの Wi Spa の拡散された動画は捏造だろうと疑っている——しかしその動画がきっかけで、2名の人間が刺される結果となった。」

この記事では、その日女湯に男性は居たと証言する人が他に居ないこと、またスパのほうにもトランスジェンダーが女湯に入ったという記録がないことから、女性は嘘をついていると主張。だが、このデマのせいで二人の人間が刺される結果となったと、あたかもこの女性に責任があるかのような言い方。

記事では他に目撃者がいないというが、ビデオの中で、彼女以外の女性達も男性が居ると彼女に同意してる姿が映っている。彼女が子連れだったというのも嘘だというが、子供の姿も映っている。彼女の子供かどうかはわからないが、現場に子供がいたことは事実。

同スパではトランス女が女子施設を使うことを容認しているので、これは刑事事件ではない。だから管轄外の警察が事情聴取をしているわけはないので、警察がこれがデマだと思ってるかどうかは全く意味がない。

同スパでは過去にも同じような事件が少なくとも二回発生しているのに、この記事にはそれに関して書かれていない。

暴力を振るったのはトランス支持のアンティファであるにも関わらず、あたかも反トランスが支持者を指したかのような書き方が悪質である。

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