ちょっと古い記事だが、今現在話題となっているLGBTに関する法案の下地になっている日本学術会議の提案についてしっかりと理解しておく必要があると思うので、読者諸氏と一緒に読んでいきたい。元記事の見出しは「日本学術会議がトランスジェンダーに焦点をあてた提言を発表『特例法を廃止し、性別記載変更法の制定を』で著者はLGBT活動家の松岡宗嗣 | 一般社団法人fair代表理事

2020年9月24日、日本学術会議は「性的マイノリティの権利保障をめざして(Ⅱ)―トランスジェンダーの尊厳を保障するための法整備に向けて」という提言を発表した。

提言では「性同一性障害特例法を廃止」し、「性別記載の変更手続に係る新法」を制定すべきだと述べられた。

また、そもそもトランスジェンダーを含む性的マイノリティの人権を保障するために、SOGIESC(性的指向や性自認、ジェンダー表現、性的特徴)を理由とする差別を禁止する法律の制定も必要だとした。

さらに、日本は国連から性別・人種・宗教などを含む「包括的な差別禁止法」の制定を勧告されている。提言では、性的マイノリティに関する差別禁止法はあくまで一つのステップであり、包括的な差別禁止法が必要性だと述べられた。

その主な項目をまとめると、

  1. 性同一性障害特例法の廃止と性別記載変更法の制定
  2. SOGIESC(性的指向や性自認、ジェンダー表現、性的特徴)に基づく差別禁止法の制定
  3. 性的マイノリティだけでなく包括的差別禁止法の制定

というもの。もうこれを読んだだけで、かなり問題のある提言だと言うことが解る。それではひとつひとつこれらの項目について何が不満なのか、彼らの言い分を聞いてみよう。

1.性同一性障害特例法はハードルが高すぎるという言い掛かり

性同一性障害特例法というのは、もともと性同一性障害の人が性適合手術を治療として行い身も心も一致した異性として暮らしていけるようになれるように配慮し、風貌と戸籍が食い違うことの不便さを解消するために取られた特別な措置だった。私個人の考えでは性別を変えるなどということは不可能であり、どんな手術を受けていようと戸籍を変えるべきではないが、すでに日本ではこの特例法が通ってしまった以上、外国人の私がどうのこうのいう立場ではない。しかし、トランス界隈ではこの寛容極まりない法律が差別的であると言い掛かりをつけて来たのだ。

日本で性別適合手術が合法となったのは1998年のことで、性同一性障害特例法が成立したのが2003年。

特例法は、法律上の性別を変更するために、2人以上の医師による「性同一性障害」の診断と5つの要件にあてはまることを求めている。

  1. 年齢要件:20歳以上であること(成年年齢の引き下げに伴い、2022年4月1日から18歳以上に)
  2. 非婚要件:現に婚姻をしていないこと
  3. 子なし要件:現に未成年の子がいないこと
  4. 手術要件(生殖不能要件):生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること
  5. 外観要件:その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること

特例法の成立時点では、こうした要件は諸外国とさほど変わらなかったが、2006年に「国連人権理事会」が創設され、性的マイノリティに関する差別解消の動きも活発化。「EU諸国を中心に急速に法的性別変更の要件緩和が進んでいった」という。

特例法は国際人権基準から取り残された状態の法律となっている。

日本がこの問題に関して周期遅れであるということは、はっきり言って幸運なことだった。なぜなら「法的性別変更の要件緩和」に急速に突き進んだ欧米ではすでに非常に大きな弊害が生じており、この緩和が如何に女性の立場を何世紀も前に後戻りさせるような悪質なものであるかが明確になってきたからである。

現在特例法を使って戸籍を変えようというトランスジェンダーの数はトランス全体のせいぜい2割程度だとうことで、その理由は特例法の五つの要件が「高すぎるハードル」だと提言書は主張。しかしハードルは高くて当然だ。そう簡単に戸籍の性別など変えられてはたまったものではない。

近年国際社会では「性同一性障害」は病気ではなく性違和と名前も偏向され、「身体の治療に主眼をおく『医学モデル』から、本人の性自認のあり方に焦点をあてた『人権モデル』への移行を意味する」ようになったと提言書にはある。

提言書では五つの条件について詳しく反論しているが、この五つの項目は以下にして個人の戸籍変更が社会に与える影響を最小限に抑えられるかというもので、特に4番と5番は大事だろう。これを経済的とか健康上の理由で達成できない人たちは、申し訳ないが異性に生まれた運命を受け入れてもらうしかない。はっきり言ってほとんどの人たちがそれを受け入れて生きているのだ。なぜ彼らだけが特別扱いを受ける必要があるのだろうか?

2.特例法を完全廃止し自己申告のみの「性別記載変更法」の制定を求めよと主張

戸籍変更条件のハードルが高すぎるから改正して低くしろではなく、完全に撤廃してほとんど条件なしの自己申告のみにすべきというのが彼らの主張。なぜなら他の国ではもうやっているからという理由。あほくさ。自分の気まぐれで性別を変えられるというなら、身分証明としての性別の意味が全くなくなるではないか?また提言書では

その際「(性別の再変更は)きわめて例外的であり、自己申告制を採用すると法律上の性別を頻繁に変えるという事態は生じない」と述べられた。

とあるが、これは、男性器を付けたまま女湯に入ってくるトランスなど居ないというのと同じで、トランス活動家のお得意のお惚けである。法律上合法になれば悪用する人間が必ず出てくると予測できることを「事態は生じない」などと無責任なことを言ってもらっても全く納得がいかない。現にアイルランドなど性別確認法(GRA)が通った時、法案を議論していた人たちは、適合手術をせずに自己申告だけで法的性別を変えようなどという人はほぼいないだろうと考えていたという。だが、蓋を開けてみれば適合手術を受けないトランスジェンダーの方が受けるひとよりも圧倒的に多いという結果になった。

3.トランスジェンダーのための特別な法律が必要という理論

欧米ではトランス女性を女子専門施設に受け入れても問題など起きないと言ってたトランス活動家の言論とは裏腹に、受け入れた施設で痴漢行為が続発しているというのに、何を惚けたことを言ってるんだとお聞きしたい。

ところで提言書はトランスジェンダーの戸籍変更の条件緩和のみならず、トランスに対し特別な保障をすべきだという。

提言では、学校や職場など、あらゆる場所でトランスジェンダーを含む性的マイノリティが直面する困難に対して権利保障法や政策が急がれると指摘。

中には、医療従事者に対する性の多様性に関する教育や、スポーツにおける性的指向や性自認(SOGI)に関する差別禁止。政治・メディアにおける差別的表現について「ヘイトスピーチ」の規制対象にSOGIを追加すべきだとした。

また、刑事収容施設における処遇について「性自認やジェンダー表現を含む人権の尊重は被収容者においても十分に確保されなければならない」とし、入国管理センターの運用がSOGI差別を含め、そもそも人権の視点が欠如している点について言及、「現状の変革は急務」とした。

でたああ~、やっぱり目的はこれなんだな。性自認が女だというだけの男の戸籍を簡単に変えさせたとおもったら、今度は女子スポーツを破壊し、女子収容所に自称女の性犯罪者を入れさせる。そしてそれに反対する人々をヘイトスピーチと言って弾圧する。これが女子虐待でなくてなんだろうか?

ところでこの提言書は性的マイノリティーへの差別をなくすためといいながら、結局トランスジェンダー、特に男から女へのMTFに都合のいいことだけしか書かれていない。性器がついたままの男性体自称男が女性施設に入ることはレズビアンの女性達にとっても大迷惑だ。現に諸外国では自称レズビアンの男性体トランス女性がレズビアンに性交を迫り、拒絶されると差別だといって大騒ぎする実情がある。

そもそも日本の法制度は、性的マイノリティを直接的に規定する文言が不在であり、かつ、何が差別にあたるのかという定義も不在、そして人権保障のための独立した国際人権機関が不在という「三つの不在」について言及した。

「差別」の定義がないことで、例えば「嫌悪する自由」や「差別はなく区別」だと差別の正当化が行われることもある。世界120ヵ国以上で国内人権機関が設置されているにもかかわらず、日本にはこうした人権機関が存在しないことの問題点が指摘された。

そして、提言ではトランスジェンダーを含む性的マイノリティの権利保障を真の意味で実現するためには「性自認やジェンダー表現を『個人の尊厳』ないし『性的自己決定』として明確に保障する必要」があると述べられ、「SOGIESC(性的指向・性自認・ジェンダー表現・性的特徴)にもとづく差別やハラスメントの禁止」が必要だとした。

さらに、国や地方公共団体による基本計画の策定は不可欠であり、「性的マイノリティ等の多様な性のあり方に関する意識啓発や理解増進の取組も必ず含まなければならない」と述べた。

「差別」における定義が不在というのは解るが、それでは彼らはなにをもってして「差別」とするのだろうか。女性達がどうみても男に見える女装男子が女子空間にはいってくることを「嫌悪する自由」はゆるされないというのか?男性体と女性体を区別することは差別なのか?

私にはなぜ性的マイノリティーのために特別な法律が必要なのか理解できない。LGBの人たちは見かけと中身が一致しているので、同性愛者だというだけで仕事や勉学に影響があるわけではない。彼らの存在は他人に迷惑が掛かるわけでもない。日本では同性愛者であることは違法ではないので、違法行為もしてない人間が同性愛者であるというだけで解雇になったり大学の入試で差別されたりなどということはないはずだ。もしあるというなら、既存の差別をしてはいけないカテゴリーの中にもLGBも加えれば済むことだ。

4.トランスジェンダー保障より、女子供の安全を先ず確保すべき

ただ、トランスジェンダーの場合は別である。彼らの生き方は他人の生活に大きな影響を与える。この間の経済省の職員のように他の職員が嫌がっているのに無理やり女子トイレに入れさせろというにような人への対応まで差別とされるのでは大変だ。ノルウェーでは自認トランス差別が禁止されてから、女子更衣室に居た男性体の人間を追い出そうとした女性が反対に逮捕され起訴されるという事件が起きたように、日本でも迂闊にトランスジェンダー保護などという法律を通すのは危険だ。

トランスジェンダーのための特別な法律がどうしても必要だというなら、その法律が女性の権利や安全を損なわないような安全弁をつけておく必要がある。

  • 先ず女子トイレ、更衣室、女湯、には未手術の男性体人間の立ち入りは一切近じる。
  • 手術を受けたトランス女性でも、病室、女子刑務所、女性シェルターといった場所への立ち入りは禁止する。
  • 刑務所の場合手術済のトランス女性はトランス特別収容所に監禁されること。
  • 女子スポーツには手術済の人であろうとホルモン治療を受けていようと男として生まれた人間は一切参加できないこと、

これらの規則がきちんと組み込まれているものでなければ、トランスジェンダーに関する法律を通してはならない。

しかし、これらの安全弁が設けられていたとしても、雇用主がトランス受け入れにをするためには多々の問題点がある。例えば次のような問題が生じた時にどうすればいいのか。

  • トランス女性用の特別トイレや更衣室がを作る空間や経済的余裕がない。
  • トランス女性に男性用制服の着用を強制できるのか。
  • 男性と女性の仕事分担が完全に分かれている職場。例えば男性は力仕事、女性は受付など、、
  • ガールズバーやコンパニオンガールのように、女性でなければできない仕事を、トランス女性が応募してきたら断れるのか?

こうした細かいことがきちんと決められていない以上、やたらに法律を通したりすると、犯罪者でない人まで犯罪者になりかねない。学術界の提言書にはこうした問題点が全く議論されていないため、このままの状態で法律にするのは非常に危険である。


5 responses to 日本学術会議が求めるトランスジェンダー改正法とはどんなものなのか?

アクトザク3 months ago

  もし私の早とちりでしたら、どうか御容赦下さい。

  本記事はタイトルに「日本学術協会が求めるトランスジェンダー改正法とはどんなものなのか? 」とあり、続けて冒頭の文中にも「日本学術協会」とあります。

  しかしながら、続く文中には「元記事の見出しは「日本学術会議がトランスジェンダーに焦点をあてた提言を発表……」とあります。

  タイトル並びに冒頭の文中の「日本学術協会」は「日本学術会議」の誤打ではありませんでしょうか。

  折角の記事ですので、失礼を顧みずコメントさせて頂きました。

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    苺畑カカシ3 months ago

    アクトザクさん、ご指摘ありがとうございます。訂正しました。

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アクトザク3 months ago

  早速の御返事、有難うございます。

  知合いに貴所を教える際、些細な事で不当に値踏みされては勿体ないと思い、差し出口を叩いてしまいました。今後とも宜しくお願いします。

  また、お蔭様で学術会議が相変らず好からぬ事を働いているのも好く分かりました。

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かんぱち3 months ago

かつては 「のりこえねっと」 というヘイトスピーチ禁止を求める団体で活動していたトランスジェンダーの人が、活動に疲れて、2年前に身を引いていたそうです。しかも自身のブログで 「性同一性障害です、と自称している輩が多すぎる。偽物が多いのである。」 と書いています。

性同一性障害 : 解決せぬ差別に失望 上田地優さん、「活動に区切り」表明/島根 | 毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20190217/ddl/k32/040/223000c

自称性同一性障害者が多いこと多いこと | 上田地優のブログ ~わたしはここにいます~ – 楽天ブログ
h ttps://plaza.rakuten.co.jp/murasakinokaze/diary/201912040000/ (直リンク回避)

おそらくこの人は毎日新聞の記事にも失望していると思います。ブログを読むと 「人権派」 「左翼」 に失望しているとしか思えませんから。そもそも左翼が 「LGBT」 と 「フェミニズム」 と 「ジェンダー・フリー」 を一緒くたにして運動に取り込んでいること自体、これらを理解していない証拠でしょう。相反する主張なんですから。あるいはわかっていて、左翼運動に利用しているだけですね。

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    苺畑カカシ3 months ago

    だいぶ以前からフェミニストとトランスジェンダーが対立していて、フェミニストたちが負けているという話を聞いてました。私はフェミニストが嫌いなんで最初はざまあみろとか思ってたんですが、だんだん話を聞いているうちにフェミニストのほうに理があると思うようになりました。

    ところで私が昔よく読んでたトランスジェンダーのブロガーさんも、左翼運動にかなり絶望してる感じでしたね。

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