読者諸氏はホワイトモンキーという言葉を聞いたことがあるだろうか。これはそれぞれ14~5年中国で暮らし、何年も現地でユーチューブ活動をし、今はカリフォルニアに移転して活動を続けているADVChinaチャンネルの二人が言っていた話だ。ホワイトモンキーとは中国において製品やサービスの宣伝のために、白人というだけで雇われる人たちのことをいう。もちろん日本でも西洋人モデルが化粧品や衣服などの宣伝に起用されることは多くあるので、それ自体はさほどどうということはない。しかし中国の場合、その起用のされ方がちょっと悪質なのである。

中国では国内製品に関する信用があまりない。それで自分らの製品が外国でも認められているとか、外国で開発されたものだとかいうことにした方が信用が高まる。それに中国人には白人に憧れる傾向がかなりある。そこで、中国に住んでいる全く何の関係もない白人男性を雇って「ハロー、私は○○会社の社長です」とやらせてCMに出すと言うわけ。また医者でもないのに白衣を着て病院内を歩き回り、あたかも外国人スタッフが居る整形病院などという宣伝や、教師でもないのに外語学校のプロモーションでライブショーに参加するなどといったものもある。ADVChinaのウィンストンも、そんな資格はまるでないのに、ちょっと強面なのが買われて黒スーツと黒メガネで中国人ビジネスマンの横に立ち、あたかもボディーガードであるかのような役をこなしたことがあると言っていた。

中国で外国人が出来る仕事というのは限られているため、結構高い日当を出してもらえれば白人たちは喜んでこういう仕事をするんだそうだ。

まあこの程度ならまだどうということはない。しかし最近では中国国内で中国共産党のプロパガンダをあたかも自分の意見であるかのように英語でユーチューブに発信する白人たちが増えてきた。彼らは中国に住む西洋人で中国大好きビデオを次から次へと発信する。また中国に関する批判などに関しても、それがどう間違っているのか詳細にわたり説明するのだ。

無論日本にも日本在住で日本の生活に関して発信しているユーチューバーはいくらでもいる。だが、彼らは日本政府にやとわれているわけでもJTBの広報部でもない。いわゆるJブロガーと言われる人たちのビデオを見ていると、日本の良い面も紹介するが、同じように悪い面も紹介している。だが中国のホワイトモンキーユーチューバーは絶対に中国の悪口は言わない。というより言えないのだ。

中国に言論の自由はない。中国共産党は常に面子を気にしている。だからユーチューブでも中国大好き、中国素晴らしい、というメッセージ以外は許さない。ホワイトモンキーたちは中共という猿回しの猿でしかない。中国全土を回る素晴らしいドキュメンタリーを制作したADVChinaの二人が中国に居られなくなったというのも、面の皮の薄い中共が彼らのチャンネルで中国社会における問題点を指摘されるのが許せなかったからだ。

ホワイトモンキーたちが本当に中国共産党のプロパガンダを信じているかどうかは分からない。しかし中国では中共の言いなりにさえなっていれば白人男性は結構楽な暮らしが出来る。酒も飯も女も安い。もともと自国で怪しげな暮らしをして住んでいられなくなったような男たちでも、中国でなら王様のような暮らしが出来る。毎日中共のプロパガンダを広めるだけで楽に暮らせるというならそれに越したことはない。もともと信念などない連中だ。

信念がないと言えば、最近ハリウッドの映画俳優が台湾を独立国だと発言して中国から大目玉を食い、中国語で謝罪動画を出すに至ったという話がある。

問題となったのはファスト&フィアリアス(迅速かつ猛烈の意味)というフランチャイズ映画の新作広報インタビューの際に、俳優でプロレスラーのジョン・セナが「映画封切りの最初の国は台湾」と言ってしまったことで、中国が激怒したことから始まる。同映画は中国市場を非常に大事にしていることでもあり、セナは即座に中国版SNSで北京語で平謝りの動画を出した。

中国で大人気のハリウッドスターがわざわざ北京語で謝罪をしたということは、中共にとっては素晴らしいPRになるが、アメリカにとっては屈辱極まりない。いかにハリウッドが中国の奴隷と化したかがわかるというものだ。

ところで台湾人はこの状況をどう見ているのだろうか。私が台湾人ならこの映画はボイコットするね。ま、最初からこんなくだらない映画観る気はないけど。(一作目は飛行機の中で観て爆睡した覚えがある。

今やハリウッドもホワイトモンキーと化したわけである。


3 responses to ハリウッド、中共の嘘を垂れ流すホワイトモンキーたち

アクトザク5 months ago

  四半世紀以上前の話です。中国美術史の研究者の方が、欧米人が訪れたことのないような中国の村に行った時の話をしてくれました。

  この方(日本在住の欧米人で日本語ペラペラ)、まだお若かったので、この時点より余り昔の話ではなかったと思います。多く見ても十年といった所でしょうか。

  その話の中で、一行を遠巻きに見ている村人たちについてだったと思うのですが、その方たちを見て「化け物だ」と泣き出す老婆もいたというエピソードが出て来ました。

  どういう事かと尋ねると、容貌云々よりも髪の色が問題だったようです。この方も金髪かそれに近い色の髪でした。

  そう言われてみると、昔の中国の物語で妖怪変化の姿形を「燃える炎ような色の髪」とか形容したものがあったのを思い出し、「こういう識別法もあるんだ」と納得したのを憶えています。

  白人に対する認識が大いに改まったと言って好いのか、異類扱いしている点では存外変わっていないと評すべきか。いずれにしても興味深いお話を有難うございます。

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    苺畑カカシ5 months ago

    実は私も日本の神話で出てくるような天狗とか鬼とか、西洋人のことだったんじゃないかと思うんです。例えば天狗は鼻が高くて人の生き血を飲むなんてのも、鼻の高い西洋人が赤ワインを飲むことだったりとか、鬼は肌の色が赤かったり青かったり髪の毛がもじゃもじゃだったりというのも、彼らが白人だったり黒人だったりすれば説明がつくような気がします。特に髪の毛や髭が金髪や赤毛だったりすると異人を見たことのない人たちにとっては衝撃的でしょうからね。

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