以前にも拙ブログで紹介した中華系アメリカ人の市民団体、CACAGNY (Chinese American Citizens Alliance Greater New York)という団体が新しく特別エリート高校に入学した中華系学生たちに向かって祝辞を贈ったのだが、その内容は祝辞というよりはアジア系アメリカ人を差別する教育委員会への抗議文というものだった。

最近、我々東洋系アメリカ人はBLM(Black Lives Matter)とかCRT(批判的人種理論)といった運動により、不思議な標的となっていることをひしひしと感じている。表面的にはBLMもCRTも黒人差別をなくすための運動であるということになっているが、その中身は単なる黒人至上主義理論でしかない。これらの運動や理論では黒人は常に崇高であり、白人は常に悪者となっているが、その中で東洋系市民への配慮などまるでない。これらの理論では黒人以外の少数民族は多少考慮されているとはいうものの東洋人は完全に無視されている。にもかかわらず、BLMやCRTを実行に移すとなると、なぜか一番被害を被るのは白人ではなく東洋人なのである。

CACAGNYとニューヨーク市教育委員会は特別エリート高校の入学試験(the Specialized High Schools Admissions Test)を巡ってかなり以前から争っている。この特別高校というのはNYC学校区で特に優秀な生徒だけが入学できるエリート高校のことだ。アメリカでは高校までが義務教育なので、特に入学試験を受けなくとも公立高校であれば自分の住む地域への入学は可能だ。しかし、この特別高校は特別な入学試験に受からなければ入学できないことになっている。

ただ、ニューヨーク市には中華系市民が多いこともあり、この学校に受かる学生の大半が中華系学生になってしまうという現実がある。以前から書いているように、東洋系学生たちは両親がしっかり揃っている家庭が多く、子供の教育にも熱心である。よって必然的に東洋系学生たちの成績は他の民族より高くなる。これは別に特別東洋系が優遇されているからというわけではなく、単なる努力の問題である。

しかしそれが気に入らないのが会長をはじめ多数議席を閉める黒人支配のNYC教育委員会である。先日そのメイ―シャ・ポーター(黒人女性)会長は公式ツイッターのなかでこんなことをつぶやいた

21年にわたる教育者としての経験から、もっと多くの生徒達が機会を与えられさえすれば特別高校で才能を伸ばせることを知っている。しかし特別高校入学試験が引き続き起用されたことにより、また同じ受け入れることのできない結果が何度も何度も繰り返されている。今こそ我々の生徒たちが公平にこれらの学校で代表されるようにする時である。入学に入学試験を必要とする州法は撤回されるべきだ。我々は地域と協力してもっと平等で、すべての子供たちにとって正しいやり方を進めていくべきである。

学校区のすべての人間が同じ基準で審査される入学試験の何が不公平だというのか、全く意味の分からないつぶやきだ。これを読んで激怒したのが先に述べたCACAGNYである。

入学試験に受かった学生たちに心から祝福の意を捧げたいとした後で、このような祝福が特異なもであることは非常に嘆かわしいと続く。CACAGNYは特にポーター会長のツイートについて言及。

つまり君たちの合格は「受け入れられない結果」であり、審査の経緯は不公平であったというのである!諸君らが特別学校に籍を置くことは「平等ではない」というのである。諸君らが長年勤勉に努力してきたことが「正しくない」というのである。これが教育委員会会長の発言なのだ!

またCACAGNYはNYCのリポーターたちが、黒人やヒスパニック系学生の入学率が去年より落ちたことや、今年は黒人が8人しか受からなかったとツイートしたことに関して、

つまり諸君らの功績は諸君の人種によって完全に無視されたのである。アジア人が多すぎる。「お前たちはここに属さない。」それこそがブライアン・エリオットが4月6日、日中に65歳の女性を襲い腰の骨を折るほどの重症を負わせた時に使った言葉だ。これこそがアジア人への憎しみの実行だ。アジア人差別の実行だ。

と続く。この祝辞では言及していないが、この65歳の中国人女性を襲った男が黒人であることは言うまでもない。

最近のアメリカでは、なぜか努力して成功した人々が、あたかも他人を差別することで伸し上がってきたかのように責められる傾向にある。黒人が何世代も生活保護を受ける貧困層から抜けられないのも、黒人の間で犯罪者や麻薬中毒者が多いのも、警察官に歯向かって射殺されるのも、すべて白人(及び東洋人)の責任なのであり、黒人には全く責任はないと主張するのだ。

だが、努力したことを謝るな!成功したことを恥じるな!と祝辞は続く。

努力したことを絶対に謝罪するな。諸君を愛し支えてくれる家族がいることを謝罪するな!諸君の考えではなく、諸君の人種が罪なのだと思い込ませようとするガスライティングに騙されるな!中国人は前にも同じことを体験した。中国人排除法によって中国人が働きすぎることで標的にされた。今後さらにこれまでの倍以上努力し成功したまえ。そして見せつけてやるのだ。我々は乗り越えると!

中華系市民にはこんなことを言ってくれるリーダー達が居るのか。まったく羨ましいことだ。黒人の中にもBLMだのCRTだのといった似非市民団体や理論ではなく、「努力せよ」「成功を恥じるな」と言ってくれるリーダーたちが居てくれたらどれだけ良かっただろうか。だが、その代わりにポーターNYC教育委員会長のように、試験を廃止して成績の悪い黒人をエリート校に入学させろなどという馬鹿がリーダーをやっているのだ。そんなことをしてレベルの高い高校に入学しても、他の生徒達についていけずに苦労するのは下駄をはかされた黒人生徒本人ではないか?

それに、きちんと試験を受けて入学できた8人の黒人生徒たちの努力はどうなる?この制度が黒人差別をしているなら、黒人生徒が一人でも受かったことはおかしいではないか?黒人生徒たちの成績を上げたいのなら、レベルの低い中学校に才能ある教師を配属させて、黒人生徒達の教育レベルを上げる努力をしたらいいではないか?それが教育委員会の仕事ではないのか?黒人は努力しなくても常に優遇されるということを教わった黒人たちは将来どんな大人になるのだろうか?

それは今の状況が良く物語っているだろう。


4 responses to 努力したことを謝罪するな!中華系市民団体が新高校生たちに叱咤激励

苺畑カカシ5 months ago

以前にもサンフランシスコの教育委員会の役員が東洋人を差別するツイートを何年か前に書いていたことが原因で解雇された例がある。彼女は今SF教育委員会と同僚たちを相手に訴訟を起こしている。
https://biglizards.net/strawberryblog/wp/2021/03/23/%e6%9d%b1%e6%b4%8b%e4%ba%ba%e3%82%92%e3%83%8f%e3%82%a6%e3%82%b9%e3%83%8b%e3%82%ac%e3%83%bc%ef%bc%88%e5%84%aa%e9%81%87%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%a6%e3%82%8b%e5%a5%b4%e9%9a%b7%ef%bc%89%e3%81%a8%e5%91%bc/

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よもぎねこ5 months ago

 東洋人って反差別ファシストからすれば、凄く不都合な存在なのでしょうね。
 ヘイトクライムが頻発して東洋人への差別は厳然とあるのに、しかし東洋人の学業成績は良く、大学進学率も高いのですから。 これだと全ての問題を「差別」の責任にできなくなります。
 それにしても黒人の貧困を解消するなら、エリート校への進学率を上げるより、底辺の底上げを考えるべきでしょう。
 カカシさんのおっしゃるように貧困地区の教育環境を良くする為に、優秀な教師を貧困地区の学校に配属できるようにするなどの、地道な努力をするべきじゃないですか?
 反差別の活動では、エリートを支援する話はよく聞くのですが、貧困地区の基礎学力を上げようとか言う話は全然聞かないんですよね。
 でも一校のトップをエリート校に進学させるより、学校全体の基礎学力を底上げする方が、はるかに重要だと思うんですけどね。

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    苺畑カカシ5 months ago

    1988年にスタンド&デリバーという映画の主人公になったハイミー・エスカランテという数学の教師がいました。彼は貧困層のメキシコ系移民の多い底辺高校に配属になり、高度の数学検定試験を生徒たちに受けさせて、その大半が合格するという快挙を成し遂げました。生徒達はギャングに感化されたり家族からも学力など全くきたいされない落ちこぼればかりでしたが、エスカランテ先生のおかげでみんな学校区ではあり得ないほどの好成績を収めたのです。

    しかし、映画では美化されたエスカランテ先生は、実際には教育委員会から疎まれて言い掛かりをつけられて辞任に追い込まれました。

    教育委員会がエスカランテ先生を疎んだ理由は、教師次第でおちこぼれ学生でも好成績を収めることが出来るとなれば、生徒達のレベルが低いのは教師の責任だということになってしまうからです。(人種差別のせいに出来なくなる!)

    黒人やラテン系の多い学校にいい先生が残らないのはそういう理由です。

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