前にも選挙で投票する際に身分証明書を要求するのは容易に証明書を入手できない黒人への差別だと主張する人間がいる話はした。興味深いことにそういうことを言うのは当の黒人有権者たちではなく、黒人の知り合いなど多分一人もいないような左翼リベラル白人ばかり。はっきり言ってこんな決めつけは、黒人には身分証明書も碌に入手できない無能な人間が多いという非常に失礼な先入観ではないだろうか?

The phrase “the soft bigotry of low expectations” 「低い期待によるやんわりした差別」とは、2000年に時の大統領ジョージ・W・ブッシュが黒人生徒の教育レベルについて語った言葉だが、最近はとみに左翼リベラルによる「低い期待による差別主義」が公然とまかり通るようになった。一番酷いのは教育界で、大学入試の際に黒人は白人や東洋人より成績が低くても一定枠は合格できるアファーマティブアクションがいい例である。黒人はどうせ頭が悪いから最初から下駄を履かせてやるという特別扱いはまさに「低い期待による差別」である。

無論黒人は成績が悪くても大学に行かれるとなれば、必然的に小中高の時から黒人への期待は低まる。最近では数学は白人至上主義な思想なので、黒人が数学が出来ないのは当然だなどと言いだす「教育者」まで出てきている。数学にどのように白人至上主義が蔓延しているか、そしてそれをどのように是正するかという教師への教育ガイド(1_STRIDE1.pdf (equitablemath.org))を途中まで読んだが、あまりにもハチャメチャな内容で頭が痛くなった。(リンクが直接つながらない場合はブラウザにコピーして開けてください)

先ずは冒頭から「このガイドブックは教師たちが数学を教えるにあたり、彼らの行動や信念や価値観を見直すための道具である。」とはじまり、これによりいかにして数学に潜在する人種差別や白人至上主義を破壊していくかを教えるもので、これを通し、どのように反人種差別の基盤を作っていくかを教えるものだとしている。

正しい答えを出すことに焦点を当てすぎることは白人至上主義文化である。

数学の概念は純に客観的であるという考えは完全なる誤りであり、そのように教えることは誤りである。常に正しい答えと間違った答えがあると決めつけるのは客観主義を強制するものであり、衝突を恐れさせるものだ。

これに受けて常に答えは一つとは限らないので、問題を解くときには一人でやるのではなく、グループで色々な意見を出し合って決めろなどという部分もある。数式の答えを多数決では決められないのに、何を言ってるんだこいつらは?

またもう一つ、低い期待こそが人種差別だという考えは、努力しさえすれば成功できるという「誤った」考えを強調し、努力しても成功できない立場にいる人々への差別だというわけの分からない主張をする論文も読んだが、これもあまりのまとまりのなさに驚いた。ながったらしい文章を私なりにまとめるとするならば、『数学はもともと白人至上主義思想なので黒人が努力しても出来るようにはならない、にもかかわらずそれを黒人が努力すれば出来るようになるなどと教えるのは人種差別主義だ』と言っているように読める。どれだけ読んでみても数学がどのように白人至上主義なのかという説明は全くない。

はっきり言ってこれら二つの書物は全く読むに値しないクズである。明らかに自分らが数学が出来なかったことを正当化しようというくだらない言い訳である。こんなことを書いてる人間が自分らを学者だの教育者だの言えると言うこと自体、人種研究なんて学部がどれだけ無価値な、いや有害なものであるかがわかるというものだ。こんな奴らに数学はもとより学問を教えられる学生こそいい迷惑である。

アメリカの大学では理系専攻の学生は生物学部であろうと工学部であろうと微分積分レベルの数学は必須課目となっている。実際に将来そこまでの数学知識を使うかどうかは問題ではなく、その程度の数学を理解できない人間はそれぞれの分野で先へ進むことが困難になるからという考えからだ。私個人の考えを言わせてもらうならば、たとえ文系の人でも、特に哲学を学ぶ人は、この程度の数学は学んでおいた方が後でずっと楽である。

数学は物事の基本だ。ものを順序だてて論理的に語るには数学を取り入れることが一番簡単なのである。もちろん物事は一筋縄ではいかない。なにもかも答えが一つだけということはない。だからこそ、答えが一つだけという単純なモデル(数学)を使って基本的な理論を先ず理解することが大切なのだ。その基本があってこそ応用があるのだ。

そんなことも分からずにおかしな理屈をこねるのは、彼らがちゃんと数学を勉強してこなかった証拠である。


2 responses to 数学は白人至上主義?

よもぎねこ 3 years ago

 これでアメリカの左翼が「白人至上主義」と呼ぶ物の正体がわかりました。
 アメリカの左翼が白人至上主義と呼んでいるのは、つまりアメリカの基本的価値観でしょう?
 アメリカの資本主義って、厳しい競争原理でもあるけれど、それは皆が「努力すれば報われる」と信じているので、お互いに必死で努力しているからです。 そしてそれで国家として大成功してきたわけです。

 しかし当然ですが、それは成功できなかった人間からすれば、結構辛い話です。
 
 そこで左翼はそれに付け込んで、「努力できない立場の人もいるから、努力すれば報われるなんて言うのは差別。 社会が悪い!! 国が悪い!!」と煽っているのでしょう?

 結局コイツラ、黒人を出汁にして自分達の社会や国家への恨み晴らしたいだけなのですね。
 でもこんな考えに嵌ると、ホントに世を恨み人を呪うだけの人間になってしまいます。
 しかし左翼とすれば何とか黒人を全部そういう人間にしたいのでしょうね。 そうなれば全部自分達の思うままに利用できますから。

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    苺畑カカシ3 years ago

    >アメリカの左翼が白人至上主義と呼んでいるのは、つまりアメリカの基本的価値観でしょう?

    まさしくその通りです。左翼連中が一番嫌うのが自由競争社会なのです。なぜなら努力した人が成功する社会で失敗したとなれば、努力が足りないからだと責められてしまいますからね。だから彼らは黒人の成功者を非常に嫌います。差別がひどくて黒人は成功できないはずなのに成功しているというのはどういうことだ?単に運が良かったからに違いないって洗脳するんですよね。

    >しかし左翼とすれば何とか黒人を全部そういう人間にしたいのでしょうね。 そうなれば全部自分達の思うままに利用できますから。

    左翼こそが黒人を自分たちの都合のいいように使いたい、白人至上主義者なんですよ。

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