ニューヨークタイムスがジョージア州の選挙改正法がどのようによくないのか、という記事を掲載したので民主党がどうしてこの新法にこうも狼狽えるのか、その本音と建て前を考えてみよう。What Georgia’s Voting Law Really Does – The New York Times (nytimes.com)。全部読むと長くなるので先ずは一般の有権者にどういう影響があるかという点のみ。後編で集計の仕方などについてまた詳しく書くつもり。

投票者が不在投票の申し込みが出来る期間が短縮された

郵便による投票をしたい人は、先ず投票書を送ってもらえるように申し込まなければならないが、それが出来る期間が今までの投票日から180日前から78日前に短縮された。NYTの言い分だと、郵便投票を促進する民主党運動家の運動期間が6か月から3か月に減ることになり投票数が減ることは必定だという。ジョージア州における前回の郵便投票では何と26%もの投票が郵便で行われ、その65%がバイデンに投票したという。なるほど建前は投票者数を減らすことに繋がるのだが、本音は民主党工作員が運動できる期間が6か月から3か月に短縮されてしまうのを恐れているわけだ。

不在者投票における身分証明が厳しくなる

先日もお話したのように、不在者投票の申込書と投票用紙にジョージア州で認められた運転免許証もしくは身分証明書の番号を記入することが義務付けられる。こうした身分証明書を持っていない場合は顔写真のある他の証明書のコピーを添付することとある。また生年月日やソーシャルセキュリティー番号の最後の四ケタを記入するという項目もある。建前はこれによって貧困層で身分証明書を持っていない人が投票できなくなり、投票用紙の記入を間違えたりすると投票券が無効になってしまう可能性が高くなる。しかし本音は身分証明書も社会保障番号も持っていない非有権者の投票が難しくなって不正がしにくくなるから困るということ。

すべての有権者に郵便投票書を送ることが違法になる

去年は武漢ウイルスの影響で選挙日当日投票場に行かれない人も多くいるということで、州政府は自動的に有権者登録名簿に載っている人全員に郵便投票書を郵送した。しかし、今度からは自分から申し込まない限り郵便投票書は送られてこないことになった。建前としては、選挙が何時なのか忘れているひとが思い出す機会を失う。また本人以外が必要な項目を事前に埋めることも違法となったので、投票書の記入の仕方が解らない人が投票出来なくなるなどという弊害がある。しかし本音は選挙など毛頭興味のない人にも郵便投票用紙が送られてこなくなると、工作員が都合のいいように記入して署名だけさせて報酬を与えて票を買うことが出来なくなる。

多くの投票箱が撤去される

2020年の選挙区間ではコロナの関係もあり94の投票箱が仮設された。しかし今度からは投票箱は監視可能な政府期間の建物の中でのみ設置されることになった。建前としては野外で24時間いつでも投票できる場所がなくなるため、仕事で忙しい人が投票するのが難しくなるということ。本音はもちろん監視もない投票箱など中身が盗まれたり一個人が何百通の不正票を一遍に投票したりすることができなくなる。しかし現実は、早期投票は投票場が朝7時から夜7時まで開くことになり、また、土曜日投票も可能となるため投票時間が狭まるということはない。

移動型投票バスは廃止する

昨年、移動型投票バスがいくつかの郡で早期投票用として起用されたが、今回からこれは廃止される。建前としては去年投票バスで投票した11200人の人たちが行く場所を失うというもの。だが何の監視もない投票バス内での不正はし放題。つまり、本音は投票バスの中で投票用紙に細工する不正がしにくくなって困るということ。

早期投票場は拡大されるが人口の多い場所ではそうでもない

これまでの法律では早期投票の開場は9時から5時までの営業時間とされていたものが、交通の便が悪い地方において今後は午前7時から午後7時と拡大され、土曜日に開いてる場所も増やされる。これは文句の言いようがないはずだが、都市部ではすでに土曜日や早朝などの投票は可能だったので特に変化はないというもの。これのどこが悪いのかさっぱり分からない。あえていうならば日曜日の投票が出来ないと言うもの。

投票を待っている列に並んでいる人に水や食料を配ることは違法になる

これに文句を言ってる左翼が結構多いのだが、アメリカではすでに投票場付近での選挙運動は禁じられている。過去に水や食料を配給するという口実で選挙運動をしているけしからん奴がいたので、それを禁止するというに過ぎないのだが、建前としてジョージアは湿気も多く暑いため、長い列に並んでる間に喉が渇いて貧血を起こす人がでたり、それが嫌で途中であきらめて帰る人などもでるため、ボランティアが水をくばったりする権利はまもられるべきというもの。しかし本音は水を配る振りをして「○○候補に入れてくださいね、お願いします」という不正行為ができなくなるのが困るということ。州の選挙委員会がボランティアを募って待っている人に水や食べ物を配るのは違法ではないし、列の付近にテントでも立てて誰もが自由に取れるようにペットボトルを置いておくのは全く違法ではない。

指定以外の投票場にいくと投票が難しい

前回は指定された投票場以外の場所で投票した場合は予備の投票書で投票が可能だったが、今後は指定された投票場のみで投票が可能となる。建前は間違えて別の投票場に行った場合は投票できなくなるというものだが、本音は間違えたといって多数の投票場を掛け持ちで行って何度も投票することが困難になる。選挙前にはサンプルバレットというものが送られてきて、どこの投票場で投票できるかきちんと明記されているので、間違えるということは先ず考えられない。あらかじめ確認せずに投票にいったのならそれは本人の責任だ。

投票場で問題があった場合投票時間が延長されにくくなる

もし投票場で機械が故障したり停電したりといった問題があり、決められた時間内で投票が出来なかった場合は、中断された時間の長さだけ延長が許可される。しかし延長時間が午後9時を過ぎる場合は正当な理由を提出し裁判所の許可が必要。これは去年あちこちの投票場で停電や故障などの問題で人々が何時間も待たされるということが起き、予備の投票用紙に記入せざる負えない人が多く出たためだ。そんなに故障があちこちで起きるということ自体おかしいの。建前は中断された時間を延長してもらいにくくなるというものだが、本音はわざと起こした故障を正当化するのが難しくなることだろう。


1 response to 民主党はジョージア州選挙改正法がどう気に食わないのか、その本音と建て前 (前編)

苺畑カカシ3 years ago

今回撤去されることになった無数の投票箱はもともと違法。共和党議会が民主党の圧力に負けて容認してしまったが、去年ここに投票された355918票がどのような経緯を経て集計されたのか全く不明。トランプはジョージアでたった11600票足らずで負けたので、投票箱がいかに問題であるかが解ると言うもの。https://twitter.com/CortesSteve/status/1380529622467612677

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