アメリカの主流メディアが左寄りなのは今に始まったことではないが、それでもつい数年前くらいまでは、一応ジャーナリストとして中立である姿勢くらいは保とうとしていた。それでNYTのような左翼リベラル紙でも、時には中庸もしくは右寄りの意見も掲載していたものだ。しかし、最近になってNYTは中立の振りすらしなくなり、あからさまに極左翼でない記事を掲載しようとする記者や編集者を内部から追い出すという状況になった。

先日も紹介したトム・コットン共和党議員のop-edをめぐって、同議員の意見を掲載する決断をした編集者が辞任に追い込まれたことで、NYTがどれほどウォーク極左翼に毒されているかが明るみに出た。

本日NYTの別のコラムニストが同社のこうした文化に耐え切れず辞任したが、その辞表が公開され話題を呼んでいる。全文はかなり長いのでかいつまんで紹介しよう。全文はこちらバリ・ウェイスの辞表を参照されたし。

辞表を提出したのはバリ・ウェイスというコラムニストで三年ほど前にNYTに入社した。彼女は自分ではどちらかというと保守派だと言っている。ま、NYTで意見を書くくらいだから保守と言ってもどのくらい保守なのかはわからないが、少なくとも左翼でないことは確かだろう。

しかし彼女が十分に左翼でないということで、最初から同社内においてのいじめや嫌がらせは酷かったとある。社員たちの間で彼女を辞めさせようとする執拗な動きがあり、ツイッターなどで同僚があからさまに彼女の人格をさげすむ悪口を書き連ねた。同僚たちは彼女をナチとかレイシストと言って責め、またユダヤ人について書いているなどと嫌がらせをした。社内メールでは彼女の名前の横に斧の絵文字を使った。斧(アックス)とは誰かを辞めさせるという意味。

このような嫌がらせは普通なら険悪な職場の雰囲気を作っているとして罰せられるような行動だが、左翼が保守派に対してする分には全くお咎めなしということらしい。

それでも個人的な攻撃だけならまだ我慢もできる。しかしNYTはツイッターで炎上することを極端に恐れ、ツイッターこそが事実上の編集長になっているとウェイスは語る。

ザ・タイムスにおいて残った規則は非常に選択的に行使される。記者の考えが現在の風潮に合っていれば問題はない。彼らの仕事は全く吟味されずに続けられる。そのほかの人々は常にデジタル雷雨を恐れて生きるのだ。適当な標的に向けられればオンラインの毒牙は正当化される。

二年前なら普通に掲載されたであろう意見が著者や編集者を解雇に追い込むか少なくとも窮地に追い込む。ソーシャルメディアで炎上するかもしれないと思われる記事は記者も編集者も遠慮して提案しない。著者が正しいと信じて提案したとしても無難な路線に導かれる。そしてもし時々でも掲載することに成功したとしても、それが明白に革新的な考えを奨励しない場合、一行一行気を付けて添削され交渉のすえ注意書きを済ませた後でのみ出版される。

この手紙に関するコメントをちょっと読んだが、「これは単なる資本主義だ、新聞社に合わない記事を載せた人間が首になるのはしょうがない」といったコメントがあった。しかしこれは資本主義ではない。資本主義というのは市場がその価値を決めることにある。

どんな記事でも批判されるのは当然だが、そのせいで新聞の購読者が減ったというのであれば、読者が嫌がる記者を首にするというのは分かる。だが、掲載前からSNSで炎上するのが怖いからといって自分たちで検閲してしまうのは全く市場を無視した行為だ。

事実、ニューヨークタイムスの購読数は激減しており、同社の経営は火の車だ。極左翼や、どうせ新聞など読まないSNSのK-Popファンなんかのご機嫌をうかがっているよりも、どうしてそんなに読者が減ったのか、もっと真剣に考えてみるべきではないのか?

こういう状態になっているのは何もNYTだけではない。左翼オンライン紙のVoxですらも、キャンセル文化を批判した創設者のひとりがもう一人の創設者から批判されたりしている。

極左翼は言論の自由にとっては癌のようなものだ。新聞社をどんどん食い尽くす悪性の癌だ。もし新聞社にこの癌を取り除く勇気がないなら、いずれアメリカの左翼メディアは癌に侵されて死滅するだろう。彼らに自浄機能がないなら、それも仕方ないことだ。


2 responses to ニューヨークタイムス紙、コラムニストの辞表が語る,極左翼に乗っ取られた同紙の実態

Sakura Lover3 weeks ago

朝日新聞といっしょですね。どちらもハナから見出しすら見る気もおきない新聞ですが、一度だけ私にとって役に立ったことがあります(NYTの方)。

朝日新聞が済州島での慰安婦強制連行の嘘を認めたより前のことでした。私は慰安婦の嘘や日本を糾弾する米国人の欺瞞を指摘するため、韓半島の米軍基地周辺でのセックス産業についての米国発の記事を探したところ、米軍慰安婦だった女性の記事をNYTで見つけた、ということがありました。これは米軍を糾弾するための記事でもありました。

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    苺畑カカシ3 weeks ago

    実は、1990年代にまだ日本の慰安婦問題がそれほど取り上げられていない頃、アメリカのPBSという公共放送で(かなり左翼)日系人と韓国人の映画監督が韓国にある米軍基地付近のキャンプ村についてドキュメンタリーをつくったことがあります。

    この番組は米軍を悪く見せるのが目的だったことは確実なのですが、当時はまだ韓国も日本軍の慰安婦について全く興味を示していない時期だったようで、このドキュメンタリーには日本の日の字も出てきませんでした。そのことを拙ブログでも取り上げたことがあります。ビデオはもうユーチューブでは観ることが出来ません。

    https://biglizards.net/strawberryblog/wp/2014/10/21/post_1637/

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