世界中でパニックを巻き起こしている武漢ウイルス。全世界の大都市で都市閉鎖が行われているが、都市閉鎖は感染の広がりを防げないだけでなく、経済や日常生活にもたらす悪影響が大きすぎる。政府による一方的な閉鎖より民間で生活習慣を工夫し感染を防ぐ努力をすべきだという意見を見つけたので紹介しよう。私自身シェルターインプレイスという半分監禁状態のカリフォルニアに住んでいるので非常に興味深い話。Coronavirus Overreaction, by Richard A. Epstein

著者のリチャード・A・エプステイン氏は感染病学者ではなく法律家である。このフーバーインスティチュートの記事は3月23日現在の情報をもとにして書かれたものだ。

当初武漢ウイルスはアメリカで一千万人を感染させそのうち百万人が死亡すると予測されていた。

エプスタインは先ず、感染拡大の率と死亡率に関する予測にかなり問題があるとする。すでにアメリカで第一感染者が出てから二か月近くが経っているのだから、当初の予測が正しかったかどうか証明できるはず。

例えばカリフォルニアのギャブン・ニューソン知事は何もしなければ2千5百万人が感染し、そのうちの25万人が死ぬだろうと語っていた。人口の50%が感染したとして、今頃は3千6百万人が感染し36万人が死亡している計算になるが、実際全国の感染者数は1万8千人、死亡者の数は155人。つまり予測の0.005%の感染者と0.043%の死亡者が出ているだけだ。

つまりこの病気は最初に考えられたほど蔓延度が高い病気ではないということになる。

アーロン・ジン著のこの記事、Evidence over hysteria(証拠よりもヒステリー)によれば、武漢ウイルスは人と人の間で感染はするものの、空気感染するわけではないので、感染者とすれ違った程度のことでは感染などしないという。人が加感染者と接した場合平均して1~5%の割合で感染すると言われているが、これはどういう風に接触したかによって感染率は全く違ってくる。

中国の例をとってみても、感染者のほぼ8割は家族から移っている。またクルーズ船のような閉鎖された場所に感染者と長時間一緒にいるといった場合も感染率は高くなる。CDCの発表によると、閉鎖された換気の悪い場所で感染者と長時間過ごした場合、個人が感染する可能性は10%と高くなるが、換気も良い職場などで感染する可能性は0.5%。

また手すりなどの表面からの感染も、家庭用の消毒剤で十分に消毒が可能。物質によってウイルスが生存する時間は4時間から72時間。ウイルスがUVライトに弱いことはよく知られている。駅やデパートなどで手すりに触ったりエレベーターのボタンに触ったりした場合でも、こまめに手を洗えば大丈夫。この程度の感染ならインフルエンザとさしたる変わりはない。

それから感染する人間の年齢にも注目する必要がある。先ず10才以下の幼児が発病する可能性はゼロに近い。しかも幼児が感染して年寄りに移すという例も極めて少ない。大抵の場合重症化するのは60才以上ですでに身体に他の病気などがある人達である。

また、武漢ウイルスは陽性でも全く症状の人もおり、そういう人からでも病気は移ると言われてきたが、実はそれもかなり怪しいようだ。武漢ウイルスの潜伏期間は4~5日から14日と言われてきたが、陽性になった大抵の人は4~5日で病状が出る。症状がないまま人に移している可能性は非常に低く、大抵の人は症状のある人から移っているという話だ。

さてこうした事実を踏まえたうえで現在行われている都市閉鎖はどれだけ意味があるのだろうか?感染率も死亡率もインフルエンザ(フルー)と変わらないのであれば、その対処法もフルーと同じ程度でよいのではないか?確かに症状はフルーよりもかなり深刻で、重症になる率は高いようだ。実際に発病した人の話を読んだことがあるが、とても普通のフルーとは比べられないそうだ。

しかしだからといって町全体を封鎖してバーやレストランは及び、ネールサロンも美容室もジムも商売が出来ない状態を何日も続ける価値があるのだろうか?政府が一方的に国民に家に居ろ!というのではなく、一般国民やビジネスがそれなりに予防対策を取って仕事を通常通り再開した方が社会にとって健康上も経済上もいいはずだ。

実際にどういうやり方が経済に大打撃を与えず、かつ病気を防ぐことができるのか、知事の一存ではなく、州民が納得いくようなきちんとした話し合いをして決めて欲しい。それにはきちんとしたデータを取り、正しい判断をすることが大切だ。


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