武漢ウイルスがパンデミックとなり世界中に広まっているが、これによって今まで気が付かなかった各国の色々な面が明るみに出て来て非常に興味深い。

先ず中国だが、中国は近年経済大国となり先進国の仲間入りをしたかに見えていたのとは裏腹に、蓋を開けてみれば、一般人はまだまだ数世紀も前のような途上国特有の不衛生な生活をしていることがばれてしまった。共産主義で何もかも独裁政権によってビシっと統制が取れる国かと思いきや、現場の人間が自分たちの都合の悪いことを上部に連絡せずに、隠蔽に隠蔽を重ねるため、緊急事態の早期対策が全く取れないだらしない国であることも明らかになった。そして全世界が中国政府の言うことは何一つ信用できないことを悟ったのだ。

日本。私は今回の安倍政権の後手々々のやりかたには非常に失望している。ブログ仲間のよもぎねこさんは、日本政府は在中邦人が中国政府によって人質に取られることを懸念して安倍政権はあえて中国からの入国者を止めなかったのではないかと語っている。確かにそれもあるだろう。だが、在中米国人が居るにも拘わらずいち早く中国との国境を閉じたトランプ政権の判断力を見ていると、やはり日本は中国に遠慮しなければならないほど弱体国なのだなと思い知らされる。

とはいうものの、日本では中国のように蔓延が瞬く間に広がるといった状況にはなっていない。あれだけの中国人観光客が12月から1月中旬までとめどなく入ってきていたにも拘わらず、感染者は191例で死者はわずか4名。中国では感染が始まって一か月後にはすでに道端で人々がバタバタ死んでいたのに比べると非常に少ない感染者数だ。確かに検査が進んでいないのでどれだけの人が実際に感染しているかはわからないが、それでも中国のような状態であれば、あちこちで死者が出ているはずなので、蔓延はそれほどでもないのではないかと思われる。あれだけ混雑する電車や駅などがある日本でこの程度の蔓延で済んでいるということは、いかに日本人が普段から清潔な生活をしているかを示すものだ。

韓国は武漢から帰還した自国民のバスに汚物を投げるなどという蛮行を行った。イランでも隔離施設のある病院が放火されたり、クロエチアでも中国帰りの自国民の乗ったバスを追い返すなど野蛮な行為が見られた。

イタリア。一帯一路で中国企業や中国人労働者を大量に受け入れて来たイタリアには今や32万人の中国人が在住しているという。これは解っているだけの数で、実際には違法移民などを合わせるとこの四倍はいるのではないかと思われる。イタリアで今の時期になって武漢ウイルスが流行り出したというのは時系的にみて春節で中国に里帰りしていた中国人が武漢ウイルスをイタリアに持ち帰り、その潜伏期間の2~3週間後ということで計算が合う。

イタリアの対応は早急で徹底したものという点では感心するが、結構中国人だけでなく東洋人に対する風当たりが酷くなっているという話だ。これもこれまで中国人に対して貯まっていた欲求不満が武漢ウイルスを口実に爆発したからなのだろう。

フランスでも武漢ウイルスが流行り出しているが、フランスの医療制度はそれほどいいとは言えない。以前にフランスで歯医者に行きたかったら二か月くらい前から予約を入れないと診てもらえないという話を聞いた。風邪くらいで医者に行く人などいないようなので、コロナかもと思ってもどこで検査してもらえるのか、かなり怪しいものである。

しかし私が一番興味深く見ているのはフランス人による東洋人へのあからさまな人種差別だ。おフランス及び欧州諸国は常にアメリカこそが人種差別の最たるものだといい、自分らは革新派のリベラルだと自慢しているが、こういう時になると化けの皮がはがれて本性が出る。在仏の日本人のツイッターを幾つか読んだが電車で横に誰も座らないなんてのはいい方で、近所のコンビニで二人の白人客に絡まれて顔を殴られ店から追い出された男性もいた。この人は店の人に警察を呼んでくれと言ったが、何も見ていないと言われて嘲笑されたという。

イギリスでも同じようなことが起きているようで、バスに乗っていた日本人留学生がモスレム移民から絡まれ止めに入った白人女性が顔を殴られたとか、他の客から降りろ降りろと怒鳴られてバスの運転手から降ろされてしまったなどという例もいくつか聞いている。

さて最後に私が住むアメリカだが、トランプ大統領の行動は非常に敏速で徹底しており、アメリカでは武漢ウイルスに関するパニックが起きていない。トランプ政権がやれるだけのことをやっているという安心感が我々にはある。欧州で起きているような東洋人に対する人種差別は目立たない。

もちろんアメリカも広いし人口も多いので人種差別者はいる。ニューヨークの地下鉄でマスクをかけた中国人女性が黒人男性に突然殴られるという事件が起きた。またカリフォルニアのスーパーで韓国人の母子に向かって店員が「中国人か」と尋問したという話も聞いた。

しかし私の住む地域は中国人も含め東洋人が多いこともあり、欧州各地で起きているような偏見の目で見られることはない。

問題なのはアメリカではマスクをするという習慣がなく、マスクをかけていると余計に警戒されてしまうという文化がある。特にこれから春になりカリフォルニアなどは暑くなってくるのでマスクをしろと言ってもまあ、無理だろうな。

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4 responses to 武漢ウイルスで明らかになった各国の醜い現実

Shima55554 years ago

苺畑さん
日本政府は最初から水際対策に期待はしていなかったと思います。残念ながらアメリカと違って中国との距離が近すぎるので・・・

>いち早く中国との国境を閉じた
今回のパニックは中国共産党による武漢の過激な封鎖がひとつの原因なので、日本政府があの時期に中国人や中国に滞在歴のある人全員を追い出した場合、別の問題が発生していたかもしれません。出来ることならアメリカの対応が理想だとは私も思います。トランプ大統領はさすがですね。

>安倍政権の後手々々のやりかた
そうでしょうか?
私には、新型インフルエンザが流行したときと同じで、急速な感染を防いで重病者を治療することに専念しているように見えます。そしてその方法はアメリカ(CDC)の方針でもあるので、大きく間違っているとは思えません。実際に感染をある程度抑えられているのは苺畑さんが書いた通りです。ちなみに、全体的な予防意識の高まりによってインフルエンザの患者も大きく減っています。

>韓国
>イタリア
この2か国の対応ははっきり言えば失敗だと思います。両方とも検査をたくさんしていることをアピールしていますが、それはあくまで検査であって治療ではないので意味がないように見えます。(そもそも、韓国もイタリアも左派や反ワクチン派が政権内にいるのでこういう話題では根本的に信用していません)

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    苺畑カカシ4 years ago

    シマさん、欧州での感染拡大や韓国での検査やりすぎをみるにつけ、私も日本のやり方は正しかったのではないかと思うようになりました。国境だけ閉ざしてもだめだってことですね。よもぎねこさんにもそう言われていたのですが、なんか納得していませんでした。

    でもお二人のおっしゃることは正しいという気がしていました。

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      Shima55554 years ago

      苺畑さん
      正直なところ、私も最初は出来るだけたくさんの人々に検査をしたほうが安全なのではないかと漠然と感じていました。しかしながら今回、厚生労働省の情報を見て回ったのと、現役の医師を含む医療関係の方々のほとんどが似た方向性の意見を発信しているのを見て考えを改めました。普段何気なく触れる表面的な情報があまりにも実際の安全性と離れていて愕然としています。正しい情報を発信してくださった方々に感謝しています。

      ところで最近のイタリアの状況については人工呼吸器が足りていないなどの怖いニュースばかり入って来て恐ろしい気持ちでいっぱいです。いつ収束するのでしょうか・・・

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        苺畑カカシ4 years ago

        そうですね。検査をしても治療する資源がなければパニックを煽るだけですし、検査要望する人が病院に押しかけたらそれこそ集団感染になってしまいますからね。やっぱり重病な人以外は自分らで隔離してもらうしかない。

        イタリアも韓国もここで失敗して、検査をやりすぎてパニック状態に陥ってますよね。それでミラノ全般を閉鎖とかやり方が極端すぎ。

        アメリカでもニューヨークでは馬鹿な市長が全員検査とかいいだしてるみたいなので、他人事ではないですが。

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