前回紹介した「なぜ日本人は席を譲らない?」についての感想をネット仲間(私が勝手にそう思ってる)のよもぎねこさんも同じオプエドについて全く違う反応を示していた。よもぎねこさんのブログエントリーを読んで日本ではレイディースファーストについてかなりの誤解があるのではないかと考えた。

よもぎねこさんだけではないが、日本の方々がレイディースファーストに抵抗を持つのは、それが必ずフェミニズムと結びつけて考えられるからではないだろうか。この際なのではっきり言っておくが、レイディースファーストとフェミニズムは同じではない。いや、それどころかこの二つは全くもって相反する思想であり、アメリカのフェミニストたちは往々にしてレイディースファーストを拒絶してきたのである。

もし日本のフェミニストたちが欧米ではやってるからというだけでレイディースファーストを取り入れようなどと考えているのだとしたら、その根底にある思想も解らずにただ欧米の習慣を妄信しているだけだというよもぎねこさんのおっしゃる通りだろう。

尤も連中が馬鹿フェミなのも、そもそも現在の馬鹿フェミ理論が、西欧の受け売りだからでしょう。だから男女の能力に差がない事を前提に男女平等を求めながら、「女性は男性に守られて当然」と言うレディーファーストの理論が完全に矛盾する事を理解できないのです。 つまり最初から物事を論理で考えているわけではないのです。

まさしくその通り。アメリカのフェミニストたちはその矛盾に気づいたため、ひと昔前のフェミニストたちは、男性からドアを開けてもらったりすると「私はフェミニストよ、ドアくらい自分で開けられます!」と怒ったものである。

日本でアメリカの文化について誤解が生じるのは、日本に入ってくるアメリカの政治的思想は往々にして左翼リベラルの思想なので、アメリカ全体がそうなのだろうかと勘違いしてしまうせいだろう。よもぎねこさんは、欧米に騎士道という考えがあって、それに従った礼儀作法があることくらいは知ってますとおっしゃっている。これは先のオプエドを書いた渡邊裕子さんが日本人は騎士道について知らないと書いていたことへの反論だ。もちろん私も日本人が西洋の騎士道について無知だとは思っていない。しかしながら騎士道は騎士のみならず女性にも求められる非常に保守的な礼儀作法なのだということを日本の皆さまはご存知なのだろうか。

だいたい騎士道などというものは男女の役割がはっきり分かれていた左翼フェミニストたちが心から嫌がる父系社会の賜物だ。しかも、西洋で騎士が存在していた12世紀頃の上流社会のしきたりだ。よって、そういう古臭い伝統を守っているのはアメリカでも保守的な人が断然多い。それで自分を革新派だなどと自負している左翼リベラルや、ましてや過激派フェミニストたちが支持しているわけはないのである。

日本の、特に日本の伝統を守りたい保守派の皆さまが西洋のレイディースファーストに抵抗を持つのは、西洋の悪い左翼的な考えばかり持ち込む日本の馬鹿フェミどもが欧米でやってるから日本でもやるべきと喚いているからなのではないだろうか? だとしたらそれは大変な誤解だ。

レイディースファーストはフェミニズムとも左翼リベラルとも無関係だ。今の西洋におけるレイディースファーストは、単に西洋の人々がユダヤ・キリスト教の教えに基づいて隣人への愛を表現しているにすぎない。それが日本社会に合うかどうかは日本人が決めることだが、男女問わず回りの人々に暖かい手を差し伸べることは決して悪いことじゃない。


2 responses to 日本人はレイディースファーストとフェミニズムを混同している?

よもぎねこ5 years ago

>しかしながら騎士道は騎士のみならず女性にも求められる非常に保守的な礼儀作法なのだということを日本の皆さまはご存知なのだろうか。

 全くその通りなんですよね。
 レディーファーストのマナーが徹底した社会では、女性もまた「か弱い女」を演じる義務があったのです。

 そもそもこの当時は階級や性別や年齢ごとに、人間の役割がキッチリの決まっていて、全ての人が与えられた役割を演じる事で、社会の秩序が成り立っていたのです。
 
 だから大変美し様式美を持った社会ではあるのですが、しかし大変窮屈な社会でもあり、それに反発したのがフェミニズムその他現代につながるリベラリズムなのです。

 でもマナーと言うのは、元来美しい物だし、レディファーストが男性の力を示す為のマナーであっても、力を示すのに弱い者を虐めるよりは、いたわる方が余程立派で美しいのです。

 そして保守派の人々と言うのは、自国の良き伝統を守りたい人々なので、アメリカで保守派の男性がレディファーストの伝統を守るのは当然でしょう?

 でも女性としてそのレディファーストを推奨するなら、当然だけれどその伝統を鑑みて、自分達を守ってくれる男性に対する相応の敬意と感謝を持って対応するべきなのです。

 日本人の男性が何でレディファーストを嫌うかと言うと、日本人女性でレディファーストを要求する人達は、実はこういうレディファーストの本質を無視して、ひたすら自分へ奉仕を要求しながら、しかし男女同権などの権利だけを振り回す女性ばかり目立つからでしょう?

 日本女性はレディファーストに慣れていないので、欧米で丁重に扱われると完全に勘違いしちゃう人が多いようです。

 これじゃ自己中モンスターだから嫌われて当然なのです。

 男女同権は当然だけれど、しかしそれでも女性を庇護しようと思う男性には感謝と敬意忘れてはイケナイと思うのです。

 そうすればよい意味でのレディファーストの伝統と女性の自立は両立すると思うのです。

 

 

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Shima55555 years ago

苺畑さん
日本の一部のフェミニストは「女性をチヤホヤする」ものであればなんでも賛成する傾向があると思います。理屈は後付けで。

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