この写真を見てアングリーモブが見えない人がいるのかね。バーナーには「我々は生存者を信じる」と書かれている。

Protesters rally in the Hart Senate Office Building two days before the confirmation of Supreme Court Justice Brett M. Kavanaugh. (Erik S Lesser/EPA-EFE/Shutterstock)
共和党は常に法と秩序を売り物にしているが、50年前にも共和党の大統領候補者リチャード・ニクソンが反ベトナム戦争で民主党大会の前に集まった集団を暴力的な造反者と呼んで選挙運動に利用した。
今回共和党の敵は左翼、エリーテスト、フェミニスト、学者や芸能人といったところ。特にトランプが敵視しているのがマイケル・アバンティ(弁護士)、大富豪ジョージ・ソロス、マキシーン・ウォーターズ(民主下院議員、加州代表)と言った面々。
記事によれば、共和党が文化戦争を率いて選挙運動を進めるのは、減税や好況が充分に共和党有権者の支持を得ていない証拠だと言う。共和党によるこの定義付けは単に一般市民に恐怖を煽ろうする手口であり、アングリーモブなど存在しないと言いたいようである。
トランプ就任後全国各地で行われている左翼デモ行進の参加者は郊外の女性や若い人たちで、単に有権者にとって大事な問題(銃の安全性とか)について抗議をしているに過ぎない。彼らは自由に集会をする権利を行使しているだけであって、彼らをモブと呼ぶのは彼らの行動を過小評価しよとするものだという。
ポストは、「民主党を怒り狂った歯止めの効かない連中と定義付ける企みは数か月前から始まっていた。」とし、今年の初め、ホワイトハウス報道官のサラ・ハッカビーがバージニアのレストランでサービスを拒まれたり、国土安全保障局のカースティン・ニールソン局長がメキシコ料理店でヤジを飛ばされたりしたとき、共和党は民主党のことをトランプへの敵対感情を制御出来ない感情的な人々だと決めつけたという。そしてカバノー判事の承認審議を前にして共和党はこの同じ定義を一斉に繰り返し始めたと書く。
「彼ら(民主党)は暴徒支配を奨励している」チャールズ・E・グラーシー(共和アイオワ州)金曜日議会で発言。オーリン・ハッチ(共和ユタ州)「雇われた暴徒が有権者の意志を貫こうとするのを阻止しようとしている」マーク・ルビオ(共和フロリダ州)はツイッターで「保守派の怒れる暴徒が最高裁判所の建物に集結したりしたら、ケーブルテレビはどんな報道をするか想像してみて欲しい」と書いた。上院議会与党代表のミッチ・マコーネル(共和ケンタッキー州)は「我々は暴徒に立ち向かう」と宣言。そして土曜の夜にはカンザスのトピーカからトランプ自らが参加、「過激派民主党は怒れる暴徒と化した」と発言。
こうした共和党の陰謀は結構効果的なようで、テッド・クルーズ上院議員(共和テキサス州)が妻とイタリアンレストランで食事中に「我々は生存者を信じる」と叫ぶ怒った暴徒らの嫌がらせから逃れるように店を出たビデオが拡散されると、抗議者よりもクルーズ夫妻への同情が集まった。(その後レストラン経営者はクルーズ夫妻をプライベートルームに案内して夫妻は邪魔の入らない食事をすることが出来た。)クルーズ議員は次の選挙で再選に出馬していることもあり、このことによってクルーズ議員の支持率が向上した。
そこで次の選挙で苦戦している共和党議員たちは皆「民主党は怒れる暴徒」という宣伝文句を使った選挙運動を始めたという。
はっきり言ってだ、共和党がいくら民主党は「怒れる暴徒の集団」などと言ってみても、実際に民主党が何もしてなければ市民もそんなことは信じないだろう。だが、ポートランド市や全国各地で起きているアンティファによる暴虐。次々に暴力的な嫌がらせを受ける共和党政治家や職員や支持者たち。そうした姿が主流メディアが無視してもSNSで拡散される今の時代、共和党が言おうというまいと事実を隠すことは出来ない。そういうラベルを張られたくなかったら、民主党自らがアンティファや怒れる暴徒らを糾弾すればいいだけの話。それをしないで事実を述べている共和党に向かって「恐怖を煽っている」などと批判しても全く無駄である。