トランプ大統領の「フェイクニュース」(似非ニュース)とはよくいったもので、アメリカの左翼メディアもひどいが、ヨーロッパのそれはもっとひどい。ドイツのケメネッツで行わている反メルケル政権デモはすでに三週目に突入したが、ドイツ及び欧州メディアはいまだにデモは極右翼やネオナチが扇動していると報道している。今日はこのデモの本質そのものよりも、その報道の仕方についてちょっと書いてみたい。

ドイツメディアは、ケメネッツのデモ行進に集まっているのは極右翼やネオナチばかりで、あちこちでナチス敬礼をする姿が見られたとか、また行進に集まった人々が外国人に見える人を無差別に追い回して暴力をふるったと報道した。そしてナチス敬礼をしている男としてこの写真が掲載された。

しかし先日、このデモでナチス敬礼をしていた男の別の写真が紹介され、彼の手の甲に「RAF」という入れ墨があるのが写っていた。RAFとはRed Army Factionの頭文字で、あの悪名高い共産主義テロ団体「赤軍」のことだ。

カカシ注:日本の若い人たちは赤軍を覚えていないかもしれないが、1970年代に日本を拠点に世界で大暴れして散々テロ活動をしたのが日本赤軍。日本のテロ組織はオウム真理教が最初ではない。

つまり、反メルケル政権デモに過激派左翼が紛れ込んでナチス敬礼をするなどして、デモはネオナチの集団だと印象付けようとしたらしいのだ。

実を言うと私は前々からこのデモでナチス敬礼が多く見られたという話は眉唾だと思っていた。前のエントリーにも書いたが、もしそんな姿が多くみられたのなら左翼が牛耳るメディアのビデオや新聞記事でその姿を掲載しないのはおかしい。私はケメネッツのニュースやアマチュアビデオを数々観たが、そのどれにもナチス敬礼をしている人の姿みられなかった。偏向そのもののアルジェジーラのニュースでさえも、敬礼は見られたとは言っているものの、その映像が写されなかった。

つまり、ドイツメディアはこのデモでナチス敬礼をしている人など見つけることが出来なかったのである。この極左翼のやらせ以外には。

この男の入れ墨が最初にネットに表れた時、ドイツ新聞の Rheinischer PostやT-Onlineは、この入れ墨はネトウヨによる合成写真だと言い張っていたが、今日になって入れ墨は本物であると認め、紙面で謝罪するに至った。

これとは別に、デモが始まった当初にデモ参加者が外国人を追いかけまわたという話に関しても、ドイツ公安のHans-Georg Maaßen部長は、公開されたビデオが本物かどうか怪しいという見解を発表した。ドイツ当局は外国人が追い回されたという根拠を入手していないという。つまり、これもデマだった可能性が多いにあるわけだ。

こういうプロパガンダをいったいどれだけのドイツ市民は信じているのだろうか?集まったのが極右翼やネオナチだと言っているメディアの報道ですら、写されるビデオでそれらしき人の姿は写っていない。唯一暴力的なのは「アンティファ」となのる共産主義暴力団の奴らだけだ。

はっきり言ってごく一般の市民が安心して道を歩ける社会を望む行為を極右翼だのネオナチだのと言い続けることに意味があるとは思えない。ドイツでメルケル政権があとどれだけ持続することが出来るのか、考えさせられる。


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