ちょっと前のことだが、ツイッターで私がアメリカにおける組織的な人種差別はないとつぶやいたら、いったいどこの惑星のアメリカの話をしてるんだ、自分はアメリカに住んでいたことがあるが人種差別を目のあたりにしたぞ!という若い日本人女性からの返事が返って来た。で、どのような差別を受けたのか聞こうかと思ったのだが、カカシは30余年アメリカ在住だが、そんな体験はしたことがないと言ったら突然ブロックされてしまったので、残念ながら彼女の体験談を聞くことは出来なかった。

アメリカに住んだことがあるという若い人が人種差別を体験したという話はよく聞くが、何度も書いているようにカカシは最初にアメリカに来た1979年から未だかつて日本人であるということであからさまな人種差別をされたことはない。多少差別らしきことをされた体験はあるにはあるが、それも片手の指で数えられる程度の些細な出来事。差別が日常茶飯事などということはない。それではいったい最近の若い日本人はどんな差別にあっているのだろう?興味があったのでユーチューブで「私がアメリカで受けた差別」といったサムネールのあるビデオを幾つか観てみた。下記はその中の典型的なもの。

1) 男子大学生: 道を歩いていたら白人の若者グループから「ヘイジャっプ」と声をかけられ、中指を立てられた。数学の成績が悪かったので教授に相談に言ったら教授から日本人なのに数学が出来ないのか、この科目は放棄した方がいいよと言われた。その後この教授は、悪い点を取った有色人種に対して厳しいことで有名だと噂を聞いた。

2)女子大生(どこの大学かは不明)難しい科目を取ったので教授に質問しに行ったところ、君は日本人だろう、日本人にあの科目を取るのは無理だと言われた。日本人であの科目を過去にパスした者はいない。君の英語力では無理だ。放棄しなさいと言われた。でも実際に英語力はなかったと自分でも認めている。

3)男子大学生:道を歩いていたら車が近づいてきて中から生卵を五個くらい投げつけられた。友達同士で笑っていたら白人から「お前目開いてんの」とからかわれた。アメリカ人から中国人と間違われた。

4)女子大生:スタバで日本語をノートパソコンに書いていたら、「あなた日本人?それ何語?」と白人男性から聞かれた。

はっきり言って、最初の「ヘイジャっプ」以外は人種差別とはいいがたい非常に些細な出来事だ。大学教授らが「日本人ならこれができる、、」「日本人には無理」という発言をしたのも、彼らに悪気があったとは思えない。他人をステレオタイプで判断するのは良くないことではあるが、相手も自分の体験から日本人はこういう人が多いという判断をしているだけなので、そう敏感に差別と取る必要はない。

中国人と間違われるということに関しても、多くのアメリカ人に、特に年配の人は、東洋人=中国人と考えている傾向があるので、これは別にステレオタイプとかそういった類ものではなく、単に無知なだけ。我々が白人はみんな英語をしゃべると勘違いしてるのと同じ。

私も大学時代は数学や化学の授業では成績が良くないほうがおかしいと先入観を持たれて迷惑したことがあるが、それが人種差別だと思ったことは一度もない。

では差別をされるということはどういうことなのか、私の体験からお話しよう。

1)私が若いころ日本で友人の白人男性がアパートを探していた。彼は日本語が出来なかったので私が探してあげようと思い不動産屋に相談に行った。ちょうどその日、なぜか和服を着ていた私に対し、不動産屋の男性職員は非常に親切に対応してくれた。もうすこしで物件を見に行こうという段階に入った時、「友達の白人男性の部屋なんですけど、問題ないですよね。」と言ったら突然男性の態度が変わり、「うちがガイジン用の物件は用意しておりません。」と言われて店から追い出された。後で聞いた話ではガイジンはうるさいし、部屋を汚すから、というのが理由だった。

2)日本で、同僚数人と飲み屋に入ったら、店のなかはがら空きだったのに席が空いてないといって断られた。それでもまだ席が空いてないと一応言ってくれるのは良心のあるほう。同僚たちの話では、彼らだけでいくと腕でばってんのしぐさをして店に入れてくれないところも結構あるんだそうだ。店の前にガイジンお断りの看板が立ってるところさえある。

3)日本で白人男性と一緒に道を歩いていたら、通りすがりの中年日本人男性から「売女!」と怒鳴られた。中高年男性から「パンパン」と呼ばれたこともある。(*パンパン=第二次世界大戦直後米兵を相手にした売春婦のこと)

4)日本の電車の中で黒人男性の横の席が空いていても誰も座らない。以前にも話したが、私が中学生くらいの頃にこの状況に出くわしたことがある。白人と黒人の米兵が電車で座っていて、黒人の横の席が二人分あいていたが誰もすわっていなかった。それをみた私がすかさず母に「あそこ空いてるよ、座ろう」と言うと母が「駄目よ、あそこは、、、」というので私が「私が黒人さんの隣に座るからお母さんは私の横に座ればいいじゃない。」と言うと「それもそうね」と母は納得。二人で米兵たちの横に座ると黒人兵がひとなつこそうに私に話かけてきた。彼は母を指さして「美人だね。お姉さん?」と聞くので「ちがうよ、お母さん。」「へえ~すっごい若い。すっごい美人!」この会話で母は自分のことを言われていると気が付き「カカシちゃん、なんて言ってるの?」と聞くので「お母さんは私のお姉さんみたいに若く見える。すごい美人だと言ってる」と言うと母は突然蔓延の笑顔を浮かべ「はろ~」と黒人兵に声をかけた。

母の人種差別はこんなふうに適当なものであった。

 


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