イギリス人右翼保守のジョセフ・ポール・ワトソンの挑戦を受けてスエーデンに取材に向かったアメリカ人フリーランス記者のティム・プールが一週間にわたるスエーデン取材旅行から帰国した。彼のスエーデン感は、スエーデンはドナルド・トランプ大統領が言うほどひどいことにはなっていないとはいうものの、スエーデン政府の公式発表のような全く何の問題もない平和な国とは程遠い。スエーデンのロック音楽祭で何十人ものスエーデン女性が強姦も含め悪質な痴漢の被害者になったことは事実だし、マルモ市では去年だけで52件からの手榴弾爆破攻撃があったことも事実。ティム曰く真実はトランプとスエーデン政府との真ん中へんのどこかにあるという。
我々のように数年に渡ってスエーデンの状況を見てきた人間にとっては、事実はトランプの印象にずっと近いはずだと感じる。実際、何を今更という感もある。わざわざスエーデンに行かなければそんなことも解らなかったのかと。しかし取材記者なら、やはり人伝(ひとづて)の情報に頼ってばかりも居られないのは当然。自分の足で歩いてみて肌で感じなければ真実の報道は無理だろう。
プールが行なった幾つかのインタビューの中でも、元警察官というアフガニスタン出身の男性とのインタビュー(ビデオ)は興味深い。この元警察官は自分がアフガンだということからアフガニスタンからの移民青年たちを相手にスエーデン社会への融合を促進している。警官という立場では若者たちとのふれあいは不可能だったため、二ヶ月前に辞任した。
彼がいうに、大多数の移民はスエーデンで犯罪を犯そうと思っているわけではないが、多くの犯罪が移民によって犯されているという事実には真正面から向き合って話す必要がある。移民の犯罪を隠せば真実がわからないだけ、かえって人々による移民への恐怖が高まる。また、イスラム教を侮辱すべきではないという、モスレム移民を甘やかす行為は、他の宗教に比べてイスラムは幼稚で平等には扱えない、モスレムに色々期待しても無理、というスエーデン人によるモスレム蔑視の表れだ。
移民にはきちんとスエーデン社会の憲法や価値感をきちんと理解してもらう必要がある。

「アフガニスタンは世界でも一番女性にとって危険な国だ。そういう国から若者をスエーデンに連れてきさえすれば自然に文明人になれるという考えは甘い。」

とこの元警察官。これはアフガン男が取り立てて野蛮だという意味ではなく、彼らには民主主義社会の言論の自由や男女平等や宗教の自由といった観念がきちんと理解できていない。元警官は西ヨーロッパ諸国で2015年から始まった大量な移民受け入れは全く無計画に行なわれたと批判する。スエーデンは移民に職や住宅を与えさえすれば移民たちは自然にスエーデン社会に融合すると思い込んでいる。だが実際はそうではない。文化や価値感が全く違う移民を何の計画もなく無差別に受け入れれば混乱が生じるのは当然だ。しかもその混乱を政府とメディアが一緒になってひた隠しにするから現状は悪化する一方だ。
この元警察官は、移民たちは、特に若者たちは、まだまだ色々吸収する可能性を秘めており、きちんとした援助があれば立派な文明人になりうると言う。だが、イスラム教批判を遠慮し、モスレム暴力や犯罪を隠すことは、スエーデン人にとってためにならないだけでなく、モスレム移民にとってもためにならないと言う。
真実に向き合うこと、それが一番大切なことなのだ。だが言論の自由など形ばかりのスエーデンで、それは先ず無理だろう。


Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *