911事件(2001年9月1日)の同時多発テロが起きた後、時の大統領ジョージ・W・ブッシュは即座にアフガニスタンに報復攻撃をしかけ、2年後の2003年にはイラクに侵略した。当時アメリカは一国だけでイラクにに乗り込んだわけではなく、日本も含め30数国の有志国と共に対テロ戦争を始めたのである。しかしその中で目立って戦争に反対している国があった。単に有志国に参加しなかったのみならず、事あるごとにブッシュのイラク戦争を批判し邪魔しようとした国があった。それがフランスである。
当時、戦争反対派は戦争などすればかえってテロリストを奮い立たせ、何百というビンラデンを生み出し、第二第三の911が起きると主張していた。しかし現実は全くその逆だった。アフガン・イラク戦争中はアメリカ国内におけるテロは皆無であった。未遂はいくつかあったが、ブッシュが起用した国土安全法が功を成し、それまで情報共有をしていなかったFBI,CIA、軍機密部がそれぞれ情報を交換するようになり、世界でも戦地以外の場所でのテロはほとんど起きなくなった。時の防衛庁ラムスフェルド長官は、戦争は国内に持ってくるより国外でやったほうがいいと言っていたように。
オバマの馬鹿殿が勝利戦争をみすみす敗北へと導くまでは。
さて、早送りして2017年の今、ヨーロッパで一番テロに頻繁に狙われている国といったら何と言ってもお仏蘭西だ。あれ、変じゃない? ヨーロッパでも指折りの平和主義国のお仏蘭西。戦争をしないことでイスラム教徒の怒りを免れたのではなかったのか?
ここ数年でフランスで起きているテロ事件を振り返ってみよう。
2015年

シャリル・へブド事件

1月7日。カラシニコフライフルで武装した男たちがシャリル・へブド雑誌出版社パリ支部に突入。二人のモスレムテロリストに12人が殺害された。
1月8日。翌日パリ郊外の町でマシンガンを持った男たちが二人の市民に発砲。駆けつけた警官一人が殺され、犯人は怪我を負った。警察は前日の事件と関連ありと断定した。
1月9日。警察はシャリル・へブド社を襲った犯人兄弟を追い詰め8時間の立て篭もりの後、二人を射殺した。これと同時にパリのユダヤ人商店でモスレム男が客を人質にして立て篭もった。このテロリストは先の兄弟の釈放を要求しユダヤ人客四人を人質にしたのだが、逃げられぬと分かって人質を殺害した。この男はへブド社襲撃の当日にも殺人を犯していたことが後になって解っている。
Thalys 列車襲撃 – 8月21日。
アムステルダムからパリに向かう途中の列車でライフルなどで重武装した男がトイレから出てくるのを乗客が発見。アメリカ人観光客三人とイギリス人ビジネスマン一人を含む6人の乗客が男と格闘して武装解除した。この時一人の乗客が首を撃たれて重傷を負った。犯人は25歳のモロッコ人だった。この男はスペイン当局から過激派イスラムテロリストとして目を付けられていた。
パリ襲撃 – 11月13日
この金曜日パリ各地で自爆テロや乱射による組織的な同時多発テロにより、130人が殺害され何百という負傷者がでた。犯人たちはサッカー試合の行なわれていたスタジアムに入ろうとして失敗。近くのカフェなどで自爆テロや乱射を行なった。なかでもひどかったのはロックコンサート中の劇場に乱入して数時間に渡り観客を何十人と殺しまくった事件。これまでのテロ事件でも最悪の状況をかもし出した。

2016年

パリ警察署攻撃 1月7日。

肉を切るための大型ナイフを持った男がパリ北部の警察署を襲撃。モロッコ人20歳の男はイスラム国に執着していたらしく、つけていた自爆ベルトは偽者だった。犯人のサラ・アリはその場で警官に射殺された。
フランス独立記念日大量殺人 7月14日
19トンの大型トラックが歩行者天国に乱入。86人を轢き殺した。犯人はのモスレムテロリストは偽の自動小銃と本物の銃弾を所持していた。また空の手榴弾も持っていた。
すでに乱れた運転をしていた犯人に警察が発砲したが効果がなかった。後にイスラム国が犯行声明を発表した。
カトリック教会、神父殺害事件 – 7月26日
ジャック・ハメル神父86歳は教会内で朝の説教中にモスレムテロリスト二人に襲われた。男は神父を斬首して殺したとされている。尼僧と信者数人を人質にして教会に立て篭もった犯人は駆けつけた警官に射殺された。イスラム国が犯行声明をだしている。

2017年。

ルーブル美術館攻撃 2月3日

そして今年に入ってもすぐ、鎌を振りかざした男がかの有名なルーブル美術館に襲撃。モスレムテロリストの男は警備にあたっていた兵士に撃たれて死亡。犯人は鎌のほかにも大型ナイフを二丁もっていた


カカシは何度も繰り返し言い続けてきたが、イスラム圏の野蛮人たちは勝ち馬に味方するのだ。アメリカが戦争に勝っていると思われたときは、アメリカ国内襲撃は無理だと考えて手を出さなかった。だがオバマの代になってアメリカは弱い、反撃はしない、と思われた途端に国内テロが続出している。おフランスが狙われるのは、これまでおフランスは一度たりともテロに対して厳しい処置を取ってこなかったからだ。ヒジャブやブルキニを禁止してみても意味がない。根本的なテロ根絶に取り組まなければ今後も同じことの繰り返しである。
もっともアメリカも全く他人事ではない。実は昨日、カカシが住む市のお隣の市にある大型チェーン店のレストランに爆弾らしきものが投げ込まれ、客や従業員が避難するという事件が起きた。幸いにしてこの爆弾らしきものは単なる発煙弾で大きな破裂音がするようになっていたが、爆発分は含まれておらず、けが人もなく店も破損されなかったようだ。
しかしながら、もしこれが本当の爆弾だったらどうなっていたのかと思うとぞっとする。
お隣の市は、本当にうちからすぐなのだ。車で多分15分もかからないほど近い。あのお店の近くは商店街でレストランが立ち並んでおり、夜などは大勢の市民が集まる場所。カカシもミスター苺も何度もあのへんで食事をしているので、このテロ事件はあまりにも身近すぎて笑い事ではないのだ。
オバマがあまりにも油断しすぎて何もしてこなかったから、トランプ大統領は本当に大変だ。左翼過激派連中が騒ぐのを利用してテロリストがアンティファ活動に潜入すること間違いない。カリフォルニアのマリワナ頭の馬鹿知事ではまったく当てにならないのだが、、


2 responses to なぜお仏蘭西はテロに狙われるのか?

k hibiyi7 years ago

苺畑さんはじめまして。日本在住の20代、女です。
最近メディアの偏向報道があまりにも激しいため、トランプ政権やシリア騒乱、慰安婦問題について調べているうちにこちらのブログに辿り着きました。
日本ではあまり知ることの出来ないアメリカの内情を書かれた記事を拝見し、大変勉強になりました。ありがとうございます。
今はアメリカも日本も、というより世界中が混乱期にあると感じております。
腑に落ちない部分もありますが、私は現状では安倍政権擁護派です。
思想は右寄りを自覚しておりますが、現状の危うい世界情勢の中で、多かれ少なかれ日本人も以前より右に寄って来ていると思います(韓国の行動と、左翼新聞・CNNなどのメディアの韓国擁護に対するノイローゼが一般人の右寄りを誘発しています)。シリア難民についても敏感になっています。
トランプ大統領は米国内外メディアから不自然なほどバッシングを受けていますね。
公約を見る限りでは(長期的な経済発展の疑問点に触れている記事などありますが)アメリカにとっても日本にとっても悪くないはずにもかかわらず、日本のメディアがトランプ大統領叩きに喜んで乗っている状況がひたすら不気味です。アメリカファーストなのは大統領なら当然ですし、理由あるパフォーマンスは理解できます。
移民政策も同様です。欧州の現状を考えると、無計画な大規模シリア難民、移民の受け入れは無謀と言わざるを得ないし、現地民の声を無視した一方的な政策であり、現地民にとっては人権や尊厳を脅かされる行為だったのでは? と感じてしまいます。
テロはもちろん、現地女性への扱い、国の文化財への扱いなどを見てもイスラム教は土着の文化や価値観とは共存できない宗教と思われても仕方のない状況ですし、それは日本人が最も忌避し恐れている部分でもあると思います。
シリア移民に限らず、郷に入れば郷に従えを出来ない人々、その国の歩んできた歴史や文化を尊重できない人々。
彼らは国の中に小さな国を作ってどうするのか? 行きつく先は内政干渉、果ては国家自体の乗っ取りではないか? と。日本も靖国神社のトイレを韓国人が爆破したり、沖縄に中国人が居座って工作活動に勤しんでいたり、年々危うくなって来ていますが、欧州やカナダ、アメリカも同じくらい心配です。
アメリカにいるのにアメリカ以外の国に忠誠を誓い続ける人たちは、移民ではなく工作員と呼ぶのが正しいのではないでしょうか。トランプ大統領が公約でロビー活動についても触れている点は、率直に素晴らしいと感じました。そしてシリア移民を受け入れるのではなく避難民のための安全地帯・キャンプを中東に設置し、支援活動をするという正しい道筋も示してくれています。私はトランプ大統領は間違っていないと信じています。
ところで、アルトライトという単語をはじめて拝見したのですが、説明してくださった文面を見る限り問題のある思想だと私は思いませんでした。彼らのしていることは人種差別ではなく人種区別のようなプラスなものにも見えます。
人は皆違うのが当たり前ですから、人種間の違いを認めること自体は悪にはあたらないはず。そこに上下関係をつけるから問題になるというだけですよね。
白人万歳でも黒人万歳でも黄色人種万歳でも、自由に言えば良い、自分に誇りを持つのは素晴らしいことだと思います。同時に相手を同じだけ尊重する必要がありますが…。
西洋文化はそれを生んで育んできた西洋人だけのもの。アイデンティティーであり尊重されるべき個性です。同じく中東にも素晴らしい文化や遺産があります。その文化の入れ物が国なので、すべて混ざったら、多様化どころか地球単一化になってしまいます。大きく異なる文化間でお互い尊重し合うには、国という適切な距離感が必要だと思います。そしてそれはまったく差別にはあたらず、ただの区別ですと、日本人的にはシンプルにそう感じます…。
米国内の内政やアルトライトの実態や問題点など、また取り上げて頂ける日をお待ちしております。
長々とコメントしてしまいすみませんでした。大混乱になっているようで心配ですが、これからもお体に気をつけて更新頑張ってください。またお伺いします。

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苺畑カカシ7 years ago

k hibiyiさん、
ようこそ拙ブログへ。これからもよろしく。
日本では、若い人でもあなたのようにきちんと考えている人が居るんですね。文章の内容から見て世界中の現状を色々調べているようで感心します。
50代くらになっても世間のことをな~んにも知らないひとが結構いますからね。
私もあなた同様、今世界は過渡期を迎えていると思います。欧州は特にこれまでの移民政策を大幅に見直すべき時が来ているわけですが、彼らが平和的に解決するのか、それとも暴力的な革命が起きてしまうのか非常に心配です。
アメリカと日本はまだそこまで行ってない。アメリカは日本より危機が差し迫っていますが、日本だって油断すればあっという間に移民に国を乗っ取られてしまうでしょう。
だからトランプさんのような人が必要なのです。
安部首相はかなり親移民のようですが、私は日本国内の政治についてはかなり無知なので、今後はご教授いただけると幸いです。
カカシ

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