最近、るりらんレトリーバーとか横澤夏子のコントで、帰国子女ぶってるちょっと嫌味な女の子の描写があって気が付いたことがある。二人のコントで共通しているのは、最近英語圏(多分アメリカ)に行って返ってきたらしい若い女性が日本人と話をしている時、やたらにおおげさなアメリカ人ぽい身振りをしてみたり、簡単な日本語を忘れて、「あ~ん、あ~ん、フレンドって日本語でなんていうだっけ~」とか「きゃんぱ~い?あれ、きゃんぱ~いでよかったんだっけ?」などとやること。多分二人ともこういう帰国子女との交流があって観察したのだろうが、実はこういう態度をとってる帰国子女って別に嫌味でやってるわけではないと思う。彼女たちは英語力を自慢してわざと日本語を忘れたふりをしているわけではなくて、本当に日本語が思いつかないのだろう。それは彼女たちの英語がうまいからではなくて、実は反対に英語が未熟だからこそ日本語が出てこないのである。
これについては前にも書いたことがある

この間、アメリカ人と結婚してホノルルに住み始めて数年という日本人の友達と食事中、彼女が「英語がそれほどうまくなってるわけでもないのに、日本語を忘れちゃうのよね。」と言う。「カカシちゃんはアメリカ生活長いのに、よく忘れないわねえ。」とも言われた。実は私もアメリカに住み始めてほんの数ヶ月という時にそういう体験をした。英語もろくろくしゃべれないのに日本語忘れてどうすんだよ、と自分でも情けなくなったのだが、実はこれは外国語を学ぶのに誰もが通り過ぎる関門であるようだ。

外国語を習いたてのときはまだ頭に二ヶ国語の言葉を自由に操る機能が働いていないので母国語を忘れやすくなるらしい。私自身アメリカに暮らしが短い頃は簡単な日本語が思いつかないことが多くあったが、アメリカ生活が長くなると日本語が混乱することが少なくなった。下手をすると日本語がかえって上手になったような気さえする。
実際この拙ブログの最初の頃(10年前)のエントリーを読んでいると、よくこんな日本語で恥かしくなく書いてたなあ、と思うことがある。
日本語が変なのは英語がうまくなったからじゃなくて、まだまだ英語が未熟だから。でもその過程を踏んで乗り越えれば英語も日本語もうまくなる。
それとは別に、海外で振り付けをしているというアメリカ暮らし10何年という日本人ダンサーが日本のある番組で、英語の解らない司会者に半分以上英語で話していたのをみて「嫌味~!」と思った。単語のひとつふたつが英語になるのはしょうがないとしても、相手が理解できない英語の文章をだらだら言うことに何の意味があるのだろう?相手がわからないことを完全に馬鹿に仕切った態度。
ああいう人のことはコメディアンの皆さんに大いにおちょくってもらいたいと思った。


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