アメリカは人種のるつぼである。よってアメリカにおいては人種に関する話題が後を絶たない。しかもBLMのようなアメリカの左翼リベラルがことあるごとに国内の『人種問題』を誇張して報道しまくるので、諸外国においてアメリカ国内における『人種問題』に関して完全なる誤解を招いてしまう。
この間、私のトランスジェンダーに関する記事にトラックバックを送ってくれた東大出の凡人というイギリス在住(?)の日本人ブロガーさんのエントリーを読んでいて、他国よりは理解度がありそうなイギリス在住人にすら、ここまでアメリカを誤解されてしまうのかと改めて驚いた。
東大出の凡人さんのトランスジェンダーに関する意見にはおおむね同意するのだが、人種に関する記述についてはかなり気になったことがある。

黒人になりたい白人は極めて少ないと思うのだけれど、白人になりたい黒人は多いと思う。例えば、白人と黒人のハーフ。

オバマ大統領もその一人で、3歳の時に両親が離婚したので、彼は白人のお母さんによって、そして10歳からは祖父母(母の両親=白人)によって育てられた。だとすると、「白人のお母さん/おじいちゃん/おばあちゃんなのに自分はなんで黒人なの?」とオバマ少年が思ったとしても不思議ではないし、現実に彼はそのような違和感を抱いた旨の発言をしている。
悲しいかな、白人の母親から生まれても黒人が父親だと世間は白人と認めてくれない。だから、心の中では「白人のお母さんから生まれた自分は白人のはず」と思うのだけれど、世間が「黒人」としか見てくれないので仕方なく「黒人」たる自分を受忍しているハーフは数多い、と私は確信する。そういう人たちが「自分は白人!」とカミングアウトしたら、社会は彼らを「白人」として遇するだろうか?
答えは当然「ノー!」になりますが、マイケル・ジャクソンみたいに自己改造できたら認めてやってもいいのでは・・・と個人的には思う。

東大さんはかなり誤解しているのだが、どうみても黒人に見える人が自分が実は白人と黒人のハーフなのだとかカミングアウトしたからといって別にアメリカ「社会」は何とも思わない。そんな人はいくらでも居る。それを言うならば、アメリカの黒人はほぼ誰もが白人との混血なので、たとえ両親が黒人に見えても子供は白人に見えるという例は珍しくない。(ビヨンセなんてほぼ白人だ)それで、どうみても白人に見える人が実は両親は黒人だったということがわかったとしても、今のアメリカでは別に問題にならない。いや、かえってその方が得をする可能性の方が高い。
東大さんが言うような黒人差別が存在していたのは黒人が組織的に法律で差別されていた1960年代までであって、ジムクロー法のような、黒人は学校を含めホテルやレストランや公衆トイレや水飲み場に至るまで白人とは一緒の公共施設を使うことが出来ないという法律があった時代に限られる。
オバマ大統領は白人と黒人のハーフであるが、彼は昔から自分の黒人性を強調してきた。大学時代から自分はケニア生まれだと嘘をついて黒人市民運動に参加したり、自叙伝でも自分を育ててくれた白人の母よりも乳児の自分を捨てた黒人の父への憧ればかりをつづっていた。オバマは黒人だという理由で差別を受けたこともない。いやそれどころか、彼は黒人であることの特権を散々利用してきた。オバマが黒人でなかったら彼のような政治的に未経験な男が大統領の座を得るなど絶対に考えられないことだった。
東大出の凡人さんは、この記述の前に黒人に化けていた白人女性運動家について述べているが、実はアメリカでは少数民族を装う偽有色人種白人が結構いるのである。

  • エリザベス・ワレン:民主党政治家のエリザベス・ワレンは、自分はチェロキーインディアンの血筋だと偽って大学教授の座を得た。後になってチェロキーのチの字も血筋に入っていないことがばれたが心はインディアンとか言って開き直っている。
  • レイチェル・ドレザル:東大出の凡人さんがテレビで見たのはこの人だと思う。以前にカカシが紹介した金髪白人女性。色黒の化粧をして髪をアフロにして黒人だと偽って黒人市民運動の幹部を務めていた。
  • ショーン・キング:黒人だと偽ってこともあろうにブラックライブスマターを組織。過激な対警察暴力を煽っているけしからん奴。だが実際には両親ともに白人。本人は今でも自分は白人と黒人のハーフだと言い張っている。

アメリカの左翼リベラルは「白人特権」とかいう言葉を使っていかに白人が生まれながらにして優遇されているかを強調するが、実は今のアメリカ社会、少数派の有色人種であったほうが得をすることの方が多いのだ。(ただし、少数派でもユダヤ人、中国人、日本人、韓国人は除く。)何故少数派である方が得なのか、それについては以前ここで説明した。

アメリカにはアファーマティブアクションという制度がある。もともとは有色人種が大学入試時や就職の際に白人より差別されないようにするという目的で作られたもので、元来大学などへ入学する文化のない有色人種の若者が大学に行きやすくするように政府が手助けするというのが名目だった。

しかし、それがいつの間にか有色人種を白人より優遇するという制度に変わってしまった。 特に問題なのはコータとよばれる人種別枠組み制度。州の人種構成の割合をほぼそのまま大学の生徒にあてはめ、黒人は何%ラテン系は何%と決める訳だ。すると州で非常な少数派である東洋人の枠組みは他の人種より極端に減ってしまう。
ところが、生徒の学力は人種によって非常な違いがあり、特に東洋人は優秀な生徒が多く大学受験をする生徒が他の人種よりも圧倒的に多いため、東洋人の一流大学への倍率は他の人種の何十倍にもなってしまうという非常に不公平な現象が生じた。
たとえば、ある中国系生徒がバークレー大学を受験した際、学校の成績はオールAで、SATと呼ばれる全国学力テストもほとんど満点だったのに受験に落ちてしまった。ところが同じ大学に受験したラテン系の受験生はこの中国系生徒の6割程度の成績だったのに入学したなんてケースは日常茶飯事だった。
それで1990年代後半のカリフォルニアではユダヤ系や白人や東洋系の生徒らによる大学を相手取った訴訟が続発していた。

聡明なる読者諸氏にはこれで白人が少数民族を偽る謎が解けたのではないかと思う。大学入試の際に、自分は白人だと名乗ればより高い学力を示さなければ入れないが、黒人だと名乗れば今の学力でも充分に入れる。また、黒人だといえば白人には支給されない奨学金が得られる場合などもある。また、大学教授でも少数民族の教授が少なすぎる大学なら、自分はインディアンの血筋だと言い張れば白人であるより就職の可能性が高まる。
以前に色黒のインド人が医学大学の入試をしたとき、インド人はたとえ黒人でも少数民族の枠組みには入らなかったため、髪の毛を三部狩りの坊主頭にして長いまつげを切ってアフリカ系黒人を装って医学大学に入ったという男性の告白記を読んだことがある。結局彼は勉強についていけずに脱落したそうだが。
今のアメリカの風潮では「犠牲者」を気取る人がちやほやされる。だから多数派の白人でいるより、なんらかの少数派を装い、それが少数民族であれ同性愛者であれトランスジェンダーであれ、自分は差別をされている犠牲者だと言い張れば、それで箔が付くというわけ。
。。。。。。。。。
さて、話はちょっとずれるのだが、イスラム移民について結構いい記事を書いている「無敵の太陽」というブログがある。紹介しようかとも思ったが、いかんせんこの著者はものすごい人種差別者。特にユダヤ人が大嫌いで未だにユダヤ金融陰謀説なんぞを本気で信じてるひどい男。その彼がアメリカの白人夫婦が異人種の子供を進んで養子にもらうことに関して書いている。そのなかで彼の人種差別度が赤裸々になる部分があったので張っておく。
偽善主義で人種差別的なアメリカの左翼リベラル白人でもここまでは言わない、というより思わないだろう。彼はいかにアメリカの白人が人種差別主義であるかをあらわそうとして自分の人種差別意識を表してしまった。それに気がついていないだけ重度だね。
読者諸氏には私が何故そう思ったのか、下記を読んでいただければお分かりいただけると思う。もし解らなかったら、それこそご自分の人種に関する考えをもう一度見直してみる必要があるだろう。強調はカカシ。

異人種を敬遠する我々から観ると、このような里親をちょっと疑いたくなってしまう。「本当に愛情を持って育てられるのか? 」と訊きたくなる。でも、そんな心配をするのは日本人の余計な癖で、個人主義が徹底しているアメリカ人には馬耳東風。子供の面倒は20歳まで。それ以降は勝手に暮らせ、親と子供は別の人生を歩むもの、というのがアメリカ人の考え方だ。厳しい言い方をすると、貰われた子供は養子縁組という幸運に感謝すればいいだけで、里親が「子育て」という趣味を“楽しむ”ことができれば問題なし。そんなことよりも、実子を持てなかった夫婦は悲しみを慰めるための何かが必要で、その役目を犬、猫、養子のいずれかが果たせばよいのである。アメリカ人にはご先祖の偉業を受け継ぐ子孫とか、絶やしてはいけない高貴な血筋、なんて考えは無いから、自分が生きている間に「充実した時間」を持てれば満足なのだ。ということで、家門の存続など気にしないから、白人の赤ん坊をゲットできなかった夫婦は、貧しい第三世界で適当な子供を入手して、人間に近い「ペット」として可愛がっている。


1 response to 少数民族が得をする国、アメリカの白人がマイノリティーを装うわけ

yomogineko8 years ago

差別反対を声高に叫ぶ人程、差別主義者です。
自分の方がエライと思っているから、期待通りに尊敬されないと「差別された!!」と、憤るのです。
反米主義者って、右も左も、日本だけでなく何処でも、自分達はアメリカと対等、それどころか自分達の方が上であるべきと考えているのに、現実はそうでないからアメリカ憎むのです。

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