女子シャワー室に男が!俺は女だ、悪いか!

今年の2月、ワシントン州のシアトル市営プールの女子更衣室に男性が居るという苦情が出て、プールの職員が男性に立ち退くよう命令した際に、自分にはそこに居る権利があると男性が居直るという事件がおきた。問題なのはこれが単なる痴漢さわぎではなく、男性は何故か女子更衣室に入る権利があると言い張ったことだ。
シアトル市はトランスジェンダーが自分らが同一視する性別の公共施設使用を許可している市で、今年の2月にその規則を覆そうとする州法が負けたばかり。
プールの職員は警察を呼ばなかった。それというのも、こうした公衆施設において、トランスジェンダーによる更衣室使用をどう扱うかという指導が全くされていなかったことから、職員らは自分には女子更衣室に居る権利があると主張する男性をどう扱っていいのかわからなかったからだという。
職員の話によると、男性は別に自分はトランスジェンダーだと名乗ったわけでもなく、職員たちは更衣室の中にいた女性たちからの苦情を聞くまで男性が女子更衣室に居ることを知らなかったという。
トランスジェンダーを巡る公共施設使用の法律が全国各地で取りざたされている。法律の名前は各地で違うので、混乱を防ぐため同ブログではトランスによる異性トイレ使用をみとめよとする法律を男女共用法、生まれた性の施設のみ使用せよとする法を男女区別法と呼ばせてもらう。
区別派は共用をゆるせばトランスを装った痴漢が出るという主張をしているのに対し、共用派は共用法が通された学校区や市において何の問題も起きていないとしている。特に共用派は共用法を通せば公衆トイレでの痴漢行為が増えるという区別派の説はすでに完全に破壊された神話であると主張する。
同ブログでは以前にも左翼リベラルが好んで使うdebunking myths(ディバンキングミス=破壊された神話)という言葉使いについて書いたが、普通相手の説をディバンクしたと言った場合、それは相手の説が間違っていると証明したという意味で、神話というのは全く事実無根のおとぎ話であるという意味である。しかし左翼リベラルがこの言い回しをするときは、全くそういう意味では使われていない。彼らが「あなたのいいぶんはすでに破壊された神話である」と言った場合、それは「嘘だ嘘だ嘘だア~」という意味。つまり、まるで根拠もなく相手はうそつきだと言い張る行為である。
私はネットで「破壊されたトイレ法の神話」で色々検索してみたが、どれを読んでもだいたい、共用法を通したどこの市や地区でも区別派がいうような犯罪は起きていない、と書かれているだけで、どうやってそういう犯罪が起きていないと証明したのかという調査結果が示されていないのだ。
また、あるLGBT系のサイトによれば、共用法が通った後にトランスジェンダーが性犯罪を犯した例はない、とあった。誰もトランス女を女子トイレに入れたらトランス女が女性を襲うなどとは言っていない。トランスに扮した変態男が女性を襲う可能性について述べているのである。こういうのを藁人形論理というのだ。
共用法が通っても特に問題は起きなかったということを証明するためには、共用法の通る前の公衆トイレや脱衣場などにおける犯罪率と通った後の犯罪率とを比べ、女装した男やトランスに扮した男による犯罪はまるで増えていないという調査結果を出してこそ、相手の説は間違っているということが証明されたということになる。だが、神話は破壊されたとするどの記事を読んでみてもそうしたしっかりした調査結果を提示しているところはない。法律が通った市の警察や職員へのインタビューではそのような結果は出ていないとする記事でも、どういう質問をしたのかという詳しい調査書が提示されていないので簡単に信用することは出来ない。
さて、シアトルの事件に話をもどすと、時期的にシアトルの共用法を覆す州法の是非が問われている時期だったこともあり、シアトルのこの男性は、もしかしたら区別派で、わざと女子更衣室に入ることによって共用派の問題点を象徴しようとしたのではないかという意見もある。だが、男性の意図は別として、現実にこういう男性が現れた場合、市の職員はどう対応すべきなのか全く指導されていなかったというのは事実である。
以前にも紹介したが、一足先に男女共用シャワー室を設立したカナダのトロントの大学では去年10月、男女共用シャワー室で女子学生の裸姿をスマホで撮影した男子生徒が逮捕された事件があった。こういう事件に関しても、共用派は、覗きや痴漢行為はすでに犯罪なので共用法が通ったからと言って犯罪が増えるという理屈はおかしいという。だが、問題なのは、犯罪は起きてしまってからでは遅いので、最善の方法は犯罪防止である。女子施設に明らかに男性に見える人間の入室を許可した場合、女子トイレや更衣室に男性がいると苦情を受けても、施設の経営者や職員たちにはその男性を退去させる正当性がなくなるのだ。この間ノースカロライナで共用法を覆す区別法が通ったが、その時、スポーツジムを経営する男性が、共用法がまかり通れば、ビジネスオーナーとして女子更衣室を使おうとする明らかな男性を追い出す権威を失うと訴えた。
女装したりトランスを装った男による覗きや痴漢行為は決してめずらしくない。(こちらのフェミニストのサイトでそういう例をたくさん集めている。)
先日ロサンゼルスで、女装した痴漢男が女子トイレでトイレを使用している女性の姿を何時間にも渡って撮影していてつかまったという事件がおきた。
日本でも、去年の11月に白浜の温泉で女装した男が女湯の脱衣場にはいってスマホ撮影をして逮捕されたという事件がおきている。
カナダでは、トランス女を装った痴漢男が女性用シェルターに入り込み、センター住人の女性を数人強姦するという事件もおきている。
共用法が当てはまるのはトイレや脱衣場だけではない。刑務所の場合も問題がある。刑務所は明らかに男子と女子が区別されているが、腕力や暴力がものをいう刑務所で、元男性のトランス女が女子刑務所に収容された場合、このトランス女の男性特有の暴力性や腕力によって普通の女子収容者が危険にさらされるのは目に見えている。
またここではっきりしないのは、いったいトランスジェンダーとは何なのかという定義だ。トランスといっても色々ある。身体的には完全に男(女)なのに精神的には女(男)だと思い込んでいるだけからはじまって、ホルモン摂取や整形もしているが性器はそのままの中途の人や、性転換手術もしっかり行なって戸籍まで異性に変えてしまったひとなど色々である。
どうみても異性に見えるまで変わってしまった人は別として、どっちつかずの人やどう見ても異性には見えない人たちが「私はトランスだ!」と言い張った場合、ビジネスや公共施設の職員たちはどう対応したらいいのだろうか?
こういう過激な法律を通すときは、事前に法律を施行する際の実践的な手続きについてもっと考慮すべきではないのか?単に反対派の意見は神話だと言って切り捨てるのではなく、こうした心配について、もっときちんとした答えを用意すべきである。そうでないと先のシアトルでの事件のように、職員たちはどうしていいかわからず戸惑うという結果になるのだ。
共用法を通した人々はこのような混乱について全く考慮していないのか、いや、ミスター苺いわく、その混乱こそが彼らの本当の目的なのかもしれない。


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大統領候補としての真剣さに欠けるドナルド・トランプ

この間、ドナルド・トランプは日韓は独自で核兵器保有すべきと発言して話題になっている。

ワシントン 28日 ロイター] – 米大統領選の共和党候補指名争いでトップを走る不動産王ドナルド・トランプ氏は27日、日本と韓国について、北朝鮮や中国から自国を防衛するために、米国に依存するのではなく独自で核兵器を製造することを容認する可能性を示した。
ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで述べた。
トランプ氏は、日韓両国が米国に対する費用負担を増やさない限り、米軍を引き揚げる意向も示した。日本には約5万人、韓国には約2万8500人の米軍が駐留している。
これに対し菅義偉官房長官は28日の会見で、非核三原則には何の変更もないとし、誰が米国の次期大統領に就任しても日米同盟は日本の外交の基軸であり、地域や世界の安定にとって不可欠だと述べた。
一方、韓国は、在韓米軍は対北朝鮮の防衛における両国の同盟に前向きな貢献を続けており、相互防衛条約へのコミットメントに変わりはないとした。

日韓の防衛強化を説くことは特に問題ないと思うが、こと核武装に関しては非常に微妙な外交問題が関わってくるので、よっぽどこの道に長けた人でない限り、やたらなことを言うのは避けるべきである。特にトランプは以前に大統領候補討論会で三元戦略核戦力(大陸間弾道ミサイル、弾道ミサイル搭載潜水艦、巡航ミサイル搭載戦略爆撃機の三つの核兵器のこと。)が何であるかも知らなかったくらいだし、実際にトランプのいうアメリカによる日韓の防衛負担とはどのようなものなのか、また日韓が米軍駐留のためにどれだけの経費を負担しているかについても全く無知である。そういう人間がやたらに米国の負担を減らすべきだとして70年にも渡る米国の核兵器政策を覆し、大事な同盟国を責め立てるような態度をとるのは非常にあさはかである。
核兵器に関する発言だけでなく、トランプの発言は常にこうだ。政治評論家のチャールズ・クラウトハンマーも指摘しているが、トランプは共和党から立候補しているにも関わらず、長年にわたる共和党の姿勢や宗教右派の取ってきた立場などに関して全く無知である。それだけでなく、そうした人々の立場を勉強しようという興味心もないのである。
先にの人口妊娠中絶に関する意見にしても、トランプは多くの反中絶派は女性を罰するべきだと考えているなどと発言した。だがこれは間違いである。トランプが言う保守派の立場とは左翼リベラルによる歪曲した保守派の立場であり本当の立場ではない。そんなことも知らないのは、トランプが本当の共和党員ではないからだ。たとえその意見に賛成しようとしまいと、自分が代表する党の有権者たちがどのような意見を持っているかぐらい勉強してしかるべきだろう。クラウトハンマーの批判はトランプは無知であるだけでなく、知ろうという興味心も持ち合わせていないということである。
だが、ここで、では何故トランプは共和党の有力候補なんだ、という疑問が生まれるのは当然。そんなに共和党の空気が読めない男がどうして共和党の予選で大勝利を遂げているのだろうか?
実はトランプは大勝利をとげていない。従来の大統領選挙であれば、大勝利を遂げている候補なら予選も今頃になれば、すでに圧倒的多数の大議員数を集め、候補の座を固めているはずである。それなのに、トランプは未だに勝ったり負けたりを繰り返して候補にひつような最低代議員数を獲得していない。次回のウィスコンシン州でもクルーズが今のところ10%以上も優勢だ。トランプ地元のニューヨークではトランプが優勢とはいうものの、クルーズやケーシックが追い上げている。
トランプが未だに優勢なのは、予選当初に多く居た候補者たちが反トランプ勢の票を割ってしまったからだ。トランプ支持者は30%から45%の間で留まっており、反トランプ側よりもずっと少ない。今更ながらルビオが二ヶ月前にリタイアしてくれていたらどれほど状況が変わっていただろうかと悔やまれる。


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ドナルド・トランプ、度重なる女性への侮辱に女性票は減る一方

三月中旬のCNN世論調査で73%の女性有権者がトランプに良い感情を持っていないと答えていることがわかった。最近持ち上がった多々ある女性攻撃もその原因ではあるが、元々トランプは女性にいい感情を与えない傾向がある。
女性有権者の「良い感情をもてない」率は去年の12月の59%から14%も上がっている。共和党内ですら12月の29%から39%へと10%も増えている。ちなみに男性有権者で「良い感情をもてない」率は54%で、去年から特に変化はない。
ドナルド・トランプが女たらしなのは自他ともに認める事実である。トランプは最初の奥さんと浮気が原因で離婚したが、浮気相手だった二度目の奥さんとも、三人目の奥さんとの浮気が原因で離婚している。三人とも元モデルで似たようなタイプの美女。数年ごとに新しいモデルの車、、じゃない嫁に、取り替えているというわけ。その間にも人妻だの権力者の女性と浮気した話など、トランプは長年に渡って恥じも外聞もなく自慢してきた。トランプには女性に対する敬意というものが感じられない。トランプにとって女性は単なる欲望の対象及び飾りに過ぎない。典型的なミソジニスト(男尊女卑思想者)である。
リアリティーショーのテレビスターで居る間はそれでもよかったかもしれないが、大統領候補となっても全く変わらない女性蔑視な態度が女性有権者の間から非常な嫌悪感をかもし出している。
日本でも浜村淳さんのラジオで紹介されたくらいだからすでに話題になったのだろうが、反トランプでクルーズとは無関係な政治団体がトランプの妻のヌード写真を政治広告に使ったことに怒ったトランプは、自分の奥さんの裸の写真とクルーズの奥さんが変な表情をしている写真を両方に比べて『俺の嫁はお前の嫁より美人だ』とツイートして非常な顰蹙を買った。
次に起きたのがトランプの選挙運動事務長がミッシェル・フィールドという女性記者の腕をつかんで青あざをつくった事件。フィールドがトランプ事務局に自分の勤めていた新聞社を通じて苦情を述べると、トランプはフィールドを「妄想をみている」とか「注目を浴びたがっている売女だ」などと公の場で侮辱し、フィールド記者が数年間前にウォール街占拠の取材中に逮捕されたことなどを持ち出して記者の住所まで公開したため、フィールドは警察に被害届を出すに至った。
どちらの出来事も、トランプ次第でどうにでもなる些細な出来事であった。それを我々が何日にも渡ってテレビやラジオやネットで聞かされ続けている理由は、ひとえにトランプの反応にあるのである。
トランプ夫人のヌード写真が政治広告に使われたことに関して、トランプが「うちの嫁は美人じゃろう、、、」と笑って済ませばそれで済んだものを、わざわざ容姿が売り物のヌードモデルの嫁の写真と写真写りのよくない他人の奥さんの写真を比べて相手の奥さんを侮辱するなど、やり方がゲスで幼稚である。クルーズの「トランプの奥さんは愛らしい人だが、(夫人の)ハイジは私の愛だ。」という大人な反応とは対象的だ。
そういうやり方は卑怯なのではないかとのCNNのアンダーソン・クーパーからの質問に対し、「最初にやったのはクルーズのほうだ」などと答え、質問したクーパーに「五歳児のようないいわけ」だと批判された。
フィールドの件にしてもそうだ。最初に苦情を訴えられたときに「事務局長はやりすぎた。怪我をさせるつもりではなかった。申し訳ない。」と謝ってしまえば済んでいたものを、被害届けが出されてもトランプは謝るどころか、かえって記者への攻撃を激化させた。最初は、誰もフィールドの腕を掴んでいないといっていたのに、フィールドが腕を掴まれたビデオが公開されると、フィールドこそがトランプの腕を最初に掴んだので事務局長は記者をトランプから引き離そうとしたのだなどと嘯いた。
リベラルでMSNBCのクリス・マシューズですら、「偶然誰かにぶつかった時ですら、謝るのが礼儀というものではないですか。謝ってしまえば済んだことではないんですか。」とまともな質問をしたが、トランプは謝ったところで同じことになったと全く反省の色を見せない。
ことトランプの報道となると、トランプ支持のブレイトバートやフォックスニュースより左翼リベラルメディアのほうがまともに見えてしまうという恐ろしさ。まったくどうなっているのだろう?
さて、この二つの事件に続いてとトランプはまたもや女性の神経を逆撫でするようなことを言った。同じくクリス・マシューズから、妊娠人工中絶を反対する宗教家の間では中絶を受けた女性も罰せられるべきだという考えがあるが、どう思うかと問われると、女性に対してもなんらかの罰が処されるべきだと答えたのである。
中庸及びリベラル系の女性は人工中絶を違法化すること自体賛成できないのに、法律を変えて女性を罰するなどという考えは断固受け入れられない。だが、人工中絶は違法化すべきと考える保守派の女性でも、中絶を受ける女性もまた降ろされた胎児と共に「被害者」であるという考えが強く、女性を罰するなどとんでもないという姿勢なのである。長年民主党員だったトランプはそんな基本的な共和党の姿勢にすら無知なのである。
無知といえばトランプは政治家として必要最低限の知識もない。オバマより劣るのではないかと思われるほどひどい。それについてはまた回を改めてしよう。


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