この間のスーパーチューズデイと呼ばれる多数の州が一斉に行なった大統領候補予選選挙では予測どおりドナルド・トランプが圧勝した。一応それぞれの候補者が獲得した代議員の数を列記してみると、トランプ 203増、クルーズ 161、ルビオ 71。これによってそれぞれの合計代議員の数は、トランプ 325、クルーズ 237、ルビオ 117、ケーシック 27となった。共和党候補代表となるためには最低1237人必要なので、トランプが圧勝したとはいうものの、まだまだわからない状態である。(注:先に選挙人と書いたが、代議員の間違いだったので訂正した。)
さて、では共和党が候補者を発表する7月のコンベンションまでに誰も最低代議員数の1237人を獲得できない場合、コンベンション当日に代議員による投票が行なわれるブローカーコンベンションという状況が生じる可能性がある。トランプが残りの予選も圧倒的勝利を収めてしまえば問題はないが、そうでない場合には残った四人のうち誰も圧倒的多数を得ないままコンベンションに突入というシナリオは多いにありうる。
そうなった場合、体制派に有利なコンベンションでトランプが選ばれる可能性は低い。
私はトランプファンではないので、ブローカーコンベンションは歓迎したいところなのだが、そうなるとちょっと心配なことがある。
昨晩も共和党の何回目かの討論会があったが、その内容の下品なことといったらおよそ大統領候補の討論会とは思えないようなやりとりだった。特にルビオとトランプの間に生まれた憎悪間はそう簡単には消せないだろう。双方の支持者たちの間でも、もし自分の支持者が勝てなければ共和党代表といえども相手側の応援など絶対にしないと考えている人が多いはずである。
問題なのは、ブローカーコンベンションでトランプが負けてクルーズにしろルビオにしろが選ばれた場合、これまでトランプを支持していた共和党支持者たちが他の共和党候補者に投票するかどうかということだ。ルビオに投票するくらいならクリントンに入れてやる、とか、クルーズに入れるくらいなら選挙になんぞ行かない、などといって共和党の投票率が極端に減りそのままクリントンに勝利をみすみす渡してしまうのではないだろうか。
トランプではクリントンに勝てないという前提で、トランプ以外の候補者が選ばれても、その候補者がトランプ支持者の支持を得られずにクリントンに負けるなら元も子もない。
近年の共和党の無活動は我々共和党支持者たちにとって非常に憤りを感じるものがある。せっかく共和党を議会に送っても民主党政権の言いなりになるんだったら何の意味があるのかと人々は不満の声を上げている。その表れが体制派共和党員ではない外部者のトランプ支持へとつながったのだろう。しかしながら、トランプは詐欺師である。彼が言うことは100%信用できない。トランプでは共和党の改革は無理である。奴にそんな面倒くさいことをする意思はさらさらないのだ。
体制派への不満はカカシも同じ。しかしその解決策はトランプではない。白馬の騎士が何もかも解決してくれると願うのは単純すぎる。トランプのせいで共和党が分裂するのは見るに忍びない。どうにかクルーズにしてもルビオにしても多数投票人を獲得してブローカーコンベンションンにならないようにがんばってもらいたいものだ。


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