共和党から大統領に立候補しているカーリー・フィオリナ女史は、前回のフォックスニュース主催の討論会で中絶した胎児の臓器を販売していたことがばれたプランド・ペアレントフッドへの政府からの補助金は差し止めるべきだと主張した。これに対してプランド、、の方はフィオリナが表現した隠しビデオの内容は事実ではないと反撃している。
プランドペアレントフッドというのは妊娠人工中絶施設で一応非営利団体として政府から多額の補助金をもらって経営されているが、最近になって中絶した胎児の臓器を病院や医療研究所に販売していたということが、保守派の団体が臓器の顧客を装って隠し撮りしたビデオによって暴露された。これについて詳しく日本語で書いているサイトがあるのでご参照のこと。

2014年7月、PPが堕胎する女性に赤ちゃんの臓器や細胞の販売を持ち掛けているのではないかとの噂に動き出したのは、医療専門家とジャーナリストで構成され、医学の倫理と進歩について監視活動を続けている「The Center for Medical Progress」という団体であった。2名がバイオ医薬品企業の社員のふりをし、ロサンゼルスのレストランでPPのシニアディレクターであるデボラ・ニューカトラさんとビジネスランチ。それを隠しカメラが撮影し続けたのであった。

グラスのワインをかたむけながら説明するデボラさん。「堕胎した赤ちゃんから摘出された臓器や細胞を欲しがっている人が世の中には大勢おり、時には下肢や筋肉まで求められている。中絶を行うウチの施設では、潰さないよう気を付けながらそれらを摘出している。特に心臓、肺、肝臓に関しては評判がよい」などと語っている。

アメリカの連邦政府は人工中絶を合法として認めているが、多くのアメリカ人が宗教的な理由から中絶には反対している。単に中絶を合法とするだけならまだしもだが、PPのような中絶施設を税金で補助するというのは中絶反対の有権者にとっては非常な憤りを感じる。しかも、そのPPは非営利団体と名乗りながら、堕胎した胎児の臓器を販売して大儲けしていたというのだから許せない、と思うのは当然。フィオリナはそういう保守派の人々にPP政府補助金の差し止めを訴えているのである。
共和党議会もPPへの補助差し止めの法案をすでに提出しているが、上院のミッチ・マカーノ議員は腰抜けなので、上院でこの案が通ることは先ずないだろう。よしんば通ったとしても、オバマ大統領は大統領否決権を使って否決すると宣言している。
8月に行なわれた世論調査では63%の有権者がPPへの補助金差し止めに反対と答えているが、主流メディアが臓器販売の隠しビデオについてほとんど報道していないので、どれだけの有権者が臓器販売スキャンダルを知っているのかかなり怪しい。共和党議会がオバマや民主党に屈せずに法案を推し進めれば、メディアもスキャンダルについて語らざる終えなくなる。そうなれば国民のPPへの支持も減るのではないだろうか。
共和党の体制派ははなからこの法案を通す戦いには尻込みしている。だが、保守派共和党員の間からは、これは戦う価値のある法案だという声が高まっている。それでもマカーノ議員が提案を進めるのを拒否すれば、共和党上院リーダーの座を失う可能性がある。私はいい加減マカーノにはやめてもらいたいと思っているので、これはいい機会かもしれない。


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