カナダで始まってアメリカでもかなりの人気を呼んでいた不倫サイトのアシュレー・マディソンがハッキングされ、多くの登録者の個人情報が公開されて自殺者まで出る騒ぎになったことは、日本でも報道されているのではないかと思う。こちらのブロガーさんが結構詳しく日本語で説明しているのでご参照のこと。
アシュレー・マディソンは要するに結婚しているにもかかわらず、不倫の相手を探すSNSサイト。男性の場合はかなりの登録料が課されるが女性は無料らしい。なにしろ男性の登録者の方が女性より圧倒的に多いのでこういうことになるわけだが、今日登録した女性たちのほとんどがサイトを利用していないという記事を読んだ。この記事によると女性登録者のほとんどが登録後サイトを開いていないというのだが、記者はその理由として女性登録者のほとんどが架空のメンバーだからなのではないかと疑っている。
先ず登録者のうち男性が3千7百万人なのに対し女性はたったの5百5十万人で男性のほうが圧倒的に多いというのは周知の事実。ちょっと前にア社の元社員が女性の架空口座をいくつも入力したため腱鞘炎になったと会社を訴えたことがあるが、その時すでにア社登録の女性メンバーは架空口座がかなりあるらしいという疑いがかかっていた。
この記事の著者アナリー・ニューイッツの調査によると、多くの女性口座が架空である疑いが非常に強いという。その証拠としてニューイッツはいくつか挙げている。
もともと浮気サイトに本名で登録するボケもいないだろうが、それでも全面的に嘘で固めた実在しない人物の口座をつくるとなると、結構そのパターンが明らかになるのだという。
メルアド
先ず登録の際、名前や歳などを書き込むが、どうしても必要なのがメルアド。本当の登録者ならア社のメルアドなど使うはずはないので、記者は@ashleymadison.comで終わっているメルアドを検索してみた。すると大当たり!なんとざっと一万もの口座が@ashleymadison.comで終わるメルアドを使っていた。このうちの9千は女性口座で残りの1千は男性か性別不詳だった。
IPアドレス
次に調べたのがIPアドレス。登録した人のコンピューターがどこにあるかを知ることが出来るIPアドレスだが、登録者のうちで一番多かったのがア社のデータバックアップをしているOnX社のIPだった。これには色々理由があるが、これは男女共に登録者の配分と同じであるので特に問題はないもの思われる。
しかし二番目に多かった127.0.0.1というIPアドレスはコンピュータシステム関係の人なら誰でも知っているループバックインターフェイス。一般の我々は単に「ホーム」として知っている。つまりアシュレー・マディソンのホームコンピューターをIPアドレスにしていた口座は女性では68,709人で12,000人が男性か性別不詳だった。
ア社の登録者の85%が男性であるのに、ホームをIPアドレスにしている人の82%が女性というのはどうもおかしい。
誕生日
登録者のうち誕生の月を一月とした人が圧倒的に多かったというのも、登録者が嘘をついている証拠だが、これも男性より女性のほうが登録者の割合とつりあわずに多いという。
サイト訪問の頻度
これまでの三つの項目だけでも架空口座がかなりあるらしいことはわかるが、それでも何百万とある口座のうちの2~3万人のレベルなので、たいしたことはないといえばそうなのだが、登録者が自分の登録したサイトにどのくらいの頻度で訪問しているかを調べてみると大変なことが解ってきた。
まず、サイトでは「最近のメール」というフィールドがあり、一番最近にア社のサイトでメンバーがメールをチェックした時間が記録される。もしメンバーが一度もチェックしなければこのフィールドは空白。2/3の男性が少なくとも一度はメールボックスをチェックしているのに対し、.なんと女性でチェックしたのはたったの. 1,492 人。せっかく口座を開いておいてメールボックスを一度も開けないというのは非常に変な話。
次のフィールドでも同じような傾向が見られる。これは「最近のチャット」というもの。つまり誰かと一番最近チャットした時間が記録されるわけだが、ほぼ1、1百万の男性にチャット記録があるのに、チャット記録がある女性はたったの2400人。
三つ目のフィールドは「最近の返信」をした時間。つまり自分が誰かのメールに一番最近に返信した時間だが、これも同じように5.9百万の男性に記録があるのに、女性はったの9700人。
ところでメールボックスをチェックした女性が1500人程度なのにメールの返信をした女性が9700人という不思議な数字になるのは、誰でもサイトを開けただけでもらったメールに自動的に返信するしくみになっているからで、一人の女性が知らないうちに何千何万という男性に返信している可能性がある。
記者によると実在する人物による女性登録の中には、ひやかしで男性が女性に扮して登録したものも含めてせいぜい数千人で、後はすべて架空口座だという。
これじゃまるで詐欺ではないか?登録者男性メンバーの間でもア社のサイトは詐欺だと言い張る人が結構居る。それで登録を取り消そうとすると、何とア社は取消料を取る。ところが今度のハッキングで明らかになったことは、取消料を取っておきながら、ア社は登録者の記録を消さずに保存していたことだ。いったい何を目的に元メンバーの記録を保存していたのか興味のあるところだ。
無論ア社はすでに多くのメンバーたちから訴訟を起されている。これからもその数は増えるだろう。
ま、不倫サイトなんぞに登録する人間が悪いといえばそれまでではあるが、実際にこのサイトを使って不倫をした人がどれだけいるのだろうか? ほとんどの女性メンバーが架空だったとするとかなり怪しいものだ。多くの男性たちは相手が実在する女性だと思ってメール交換したりチャットしたりして不倫した気分になっていただけなのかも、、
それにしても、いった男性たちは誰とメールを交わしたりチャットしたりしていたのだろうか?不思議である。


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