来年の大統領選挙を目指して民主党の候補としては首位になっているヒラリー・クリントン。首位といっても混みあっている共和党と違って民主党は他にこれといった候補者が立候補していないのだからあまり意味がないのだが、それにも関わらずヒラリーの選挙運動は早くも危機を迎えている。それというのもヒラリーが国務長官だった4年間、彼女は個人メールと公務メールをごっちゃにしていたことが問題となっているのだ。しかも国家機密を扱うメールまでもが彼女の個人メルアドで扱われていたということが判明し、もしそれが本当であるならば、刑事事件にまで発展しかねない状態となっている。

一般の会社勤めの人でも、仕事用のメルアドと私用のメルアドは別々にしているのが普通だろう。外回りが多い社員が会社からスマホなどを提供されている場合でも、公私スマホを使い分けるのが常識だ。公務員ともなれば、低地位の職員ですら仕事上多少なりとも機密情報を扱うこともあり、そうした情報は一般のパソコンではなく、機密情報の交換専門サーバーを使って特別な機密部屋のみで扱うのが合法なやりかたである。

国務長官ともなれば毎日何百通という機密メールを扱うはずで、それを機密サーバーでないサーバーを使って機密PCでない機器を使って扱った場合、これは完全な違法である。一般人がこれをやったら刑務所行きだ。イラク戦争で功績を挙げたペトラエウス将軍はたったひとつの機密書類を誤って自宅に持ち帰ったというだけでCIA長官の職を追われ多大なる罰金を課された。もしヒラリーが4年間に渡って機密メールをすべて非機密サーバーで受け答えしていたとなれば、これは由々しきことである。
しかも、彼女のサーバーは公式な機密サーバーとしてのきちんとした管理がされていなかったので、ロシアや中国やその他の敵国から長年に渡り簡単にハッキングされていたという。国務長官のメールが諸外国に筒抜けだったというのである。ヒラリーのメール内容を知らないのはアメリカ国民だけというわけ。なんとも情けない体たらく。
ヒラリーは本当の意味の政治家ではない。彼女は政治家としての立場を利用して私服を肥やしたいだけなのである。だから国務長官として多々の企業や国家などに賄賂を請求していたに違いない。だがそれを公式メールですれば記録が残ってしまう。といって公私を別々にすれば、相手側が彼女の個人的なメールを使う理由がなくなる。公の立場を悪用したいが記録には残したくない、というジレンマがここであったというわけ。

しかしだ、私が不思議に思うのは、公式メールでも普通の非機密と機密メールはサーバーが違う。機密メールにアクセスできる職員はそれなりの手続きを踏みそれなりの場所へ行かなければならない。政府のだれかがこの職員にアクセスを与えなければならないのだ。ヒラリーの非機密サーバーがどうやって機密サーバーにアクセスできたのか?誰かがアクセスを許可したはずで、その誰かとはオバマ政権の誰かなのである。オバマ王自身がそのことを知らなかったというのは信じがたい。オバマとヒラリーの仲が悪いのは周知の事実。オバマが駄目だと言えばヒラリーが個人サーバーで機密情報にアクセスできたはずはないのだ。だから、これは深く掘っていけばヒラリーだけの問題では収まらないのである。

だいたいオバマの守りの甘さは信じがたいものがある。連邦政府の職員に関する個人情報が長年に渡って中国政府からハッキングされていたことといい、ヒラリーのサーバーが諸外国に筒抜けだったことといい、いったオバマはアメリカを守る気があるのか、と聞きたい(ないに決まっているが)。
さて、ではヒラリーはこのまま大統領候補として生き延びることが出来るだろうか?主流のリベラルメディアのなかからすら、ヒラリーが途中で脱落するのではないかという意見が多く気かれるようになった。今後が見ものである。


Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *