事実は小説よりも奇なりとはよくいったもので、地方黒人団体の幹部として活躍していた黒人女性が、実は全く黒人の血が混じっていない生粋のヨーロッパ系白人であることが、彼女の両親によって明かされるという事件が起きた。
NAACPという黒人市民団体のワシントン州スポケーン支部の支部長で、地元大学の教授でもあり、地元警察の市民代表までやっているレイチェル・ドレザルという女性が、実は白人だったことが先日両親の告発によってあきらかになった。両親によるとドレザルはチェコ、スエーデン、ドイツ、の血統で、多少アメリカインディアンの血が混ざっているが、アフリカ系の血は全く混ざっていないということだった。レイチェルの両親は黒人の子供を四人養子にしたが、その頃からレイチェルは黒人を装うようになったという。レイチェルはもう何年も黒人として生きてきたのだ。
ドレザルは黒人であることで色々差別を受けたとか言って、地元警察に人種差別の被害届などをいくつも出したりしていた。それが原因で彼女の背景が明らかになってしまったというわけ。
だがここで、金髪の白人女性が、髪の毛を染めてアフロにし肌の色を黒くしてまで、何を好んで黒人を装う必要があるのかという疑問が生まれる。アメリカという国の住人でない日本の読者諸氏の間には、アメリカ左翼メディアが垂れ流す『アメリカではいまだに黒人差別がひどい』というプロパガンダを信じている人もあるだろう。だが現実はその反対。以前にも何度かお話したように、アメリカでは過去の人種差別を是正するという目的でアファーマティブアクションなる法律がある。大学入学や就職や昇進に関しても、白人であるより黒人や女性やその他の少数民族であったほうが有利な場合が多くある。(例外は東南アジア系以外の東洋人、中国人、日本人、韓国人は少数民族としての特別扱いは受けない、というよりかえって差別される。)
特に大学教授のように競争率の激しい職種になると、白人であるよりなんらかの少数民族であったほうが仕事を得やすい。以前にエリザベス・ワレンという大学教授が自分はアメリカインディアン系の血筋だと嘘をついて教授の座を得たというスキャンダルもあった。
実は左翼リベラルで特に人権運動に携わる白人の中では、何かしらの少数民族を装う人は結構居るという話だ。だいたい何かの血筋が1/16なんて人なら、見た目では何人種なのかわからない。私のソーシャルメディアの友達の女性は、自分もかなり色白の黒人だが、彼女の旦那さんもやはり色白のラテン系。それで二人の間に生まれた子供二人は金髪で見た目は完全に白人。黒人とラテン系の混血には全く見えない。
はっきり言ってアメリカ人なんて多かれ少なかれこういう人が多い。だから人種なんて全く意味がないと私は思うね。それなのに人種によって特別扱いしたり差別したりということが起きるのは、本当に馬鹿馬鹿しい限り。だが、一番そういう人種差別を行なっているのが何と言っても左翼リベラル及び黒人やラテン系の人権団体なのだ。
さて、この話がブルース・ジェナーの性転換の話の直後だったこともあり、男が自分は間違った性の身体に生まれたと宣言さえすれば女だということになるのなら、自分は間違った人種に生まれたと宣言した人が別の人種として生きて何が悪いんだということになる。という議論があちこちで聞かれる。
人種は性別と違って本当にどうでもいいことだから、かえってこっちのほうが説得力あるように思うね。


1 response to 黒人を装って地方黒人団体幹部になっていた金髪の白人女性

In the Strawberry Field8 years ago

少数民族が得をする国、アメリカの白人がマイノリティーを装うわけ

アメリカは人種のるつぼである。よってアメリカにおいては人種に関する話題が後を絶たない。しかもBLMのようなアメリカの左翼リベラルがことあるごとに国内の『人種問題』を誇張して報道しまくるので、諸外国においてアメリカ国内における『人種問題』に関して完全なる誤解を招いてしまう。 この間、私のトランスジェンダーに関する記事にトラックバックを送ってくれた東大出の凡人というイギリス在住(?)の日本人ブロガーさんのエントリーを読んでいて、他国よりは理解度がありそうなイギリス在住人にすら、ここまでアメリカを誤解され…

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