先日からアメリカ国内における慰安婦像建設を巡って、アメリカで左翼日系団体と保守在米邦人及び日本の団体が対立しているという話を書いてきた。私はどちらの団体にも所属していないので、いちおう第三者として双方の団体についてお話したいと思う。が、ここではっきりさせておく必要があるのは、私はアメリカの保守派である。そして慰安婦像建設には断固反対派。であるから決して中立な立場ではない。
前回も書いたとおり、この件に関してだけ言えば日本の保守派団体の人たちと意見が合っているが、他の件でどのような見解を持っているひとたちなのかわからないので、安易な交流は避けるべきなのではないかと思った。それで一応反対派で在米のエドワーズ博美という人についてちょっと調べてみた。
ふぇみwikiによると、

エドワーズ博美 (えどわーず・ひろみ)は山口県岩国基地内にあるメリーランド大学分校の日本語教師。『正論』2002年10月号に掲載されたプロフィールによると、「メリーランド大学アジア学部卒、同大学院心理カウンセリング修士課程修了。カリフォルニアコースト大学心理博士課程在籍。メリーランド大学、セントラル・テキサス大学講師。本職は母親業及び主婦業」。
『正論』2002年10月号に掲載された「脱・家庭崩壊社会への胎動 フェミニズムの害に目覚めたアメリカリポート」という記事は、米国のアンチフェミニズムの書籍や保守系シンクタンクの報告書をネタ元に。フェミニズムがいかに米国で支持を失いつつあるかを力説したが、肝心の事実関係に間違いが多いと批判されている。この他、山口県に本部をおく保守系出版社日本時事評論社の出版物に記事や講演録を寄稿している。

「肝心の事実関係に間違いが多いと批判」しているのは多分フェミニスト諸君なのだろうが、実際に彼女がどういう思想をもっているかは下記の論文を読むとよく理解できる。(pdfファイル)
結婚して母になることはなぜ大事なのか – 全米調査が語る離婚の弊害と家族のあり方 エドワーズ博美
この論文の主旨は、伝統的な結婚が子供の教育ひいては社会の安定のためにいかに重要であるかということであり、離婚や未婚の母の害などについてデータを出して述べられている。まず冒頭で彼女が私が尊敬するクリスティーナ・ホフ・サマーズ女史の話をしていることからしてもうすでに気に入った。
彼女はアメリカ海兵隊員のご主人と結婚してから軍人の家族が通える大学に入学して三人のお嬢さんを育てながら10年かけて修士まで取ったそうだ。現役ではなく大人になってから大学に行ったという点でカカシと似ているが、子育てしながら修士までとるとは大変なことだ。独身で仕事もしないでのうのうと大学へ行った私とは大違い。
エドワーズさんは、日本でも外国人選挙権を反対する演説などもしており、移民に関する考え方は私に近いと思われる。ただ、ちょっとアメリカでの実情を美化しすぎているようにも思える。アメリカの移民問題は日本よりも深刻だが、アメリカがそれにきちんと対処しているかのような発言はちょっとし違うのではないかと思う部分もある。もっともエドワーズさんの演説はオバマ大統領のめちゃくちゃ移民政策が公になる以前のことだったのかもしれないが。
さて、これに対抗している小山エミらが筆頭となって始めたFeNDは、私がエミちゃんのことを全くしらなかったとしても、そのホームページの紹介欄を読んだだけでどれだけハチャメチャな極左翼を通り越したクレージー団体であるかがわかる。まず名前からしてJapan-U.S. Feminist Network for Decolonization (FeND) (脱植民地化を目指す日米フェミニストネットワーク)。ちょっと待ってよね、いったい日本やアメリカがどの国を植民地にしてるっての?
こちらホームサイトから抜粋。

脱植民地化を目指す日米フェミニストネットワーク(FeND)は、日本とアメリカ両方による植民地主義に対抗する運動家と研究者のネットワークです。
FeNDの創立者は、米国在住の日本にルーツをもつ人たちです。わたしたちは、南カリフォルニアやその他の米国の地域における在米日本人(日系アメリカ人ではありません)の一部などによる極右の歴史修正主義運動に対抗するために当団体を立ち上げました。例えば南カリフォルニアの歴史修正主義者らは、 日本軍「慰安婦」制度の被害者たちに捧げられた銅像を建てたカリフォルニア州グレンデール市に対して、訴訟を起こしています。
また、わたしたちは、沖縄・ハワイやその他のアジア太平洋地域における米軍の駐留、日本の再軍国主義化などにも反対します


あのですね~、ハワイはアメリカの州ですよ、植民地じゃありません!
というわけで、このグループがどのくらい狂っているかはこれを読むだけで明らかだと思う。アメリカが世界各国に基地を置いているのは世界平和を守るためであって植民地が目的ではない。また、日本が軍備強化することは必ずしも旧日本帝国のような植民地政策を始めるという意味でもない。
どうも軍事強化=帝国主義、と結びつける輩が多くと困る。
はっきりいってなでしこアクションの人たちは、こんなグループは相手にしないほうがいい。そんなことに大事な時間や費用をついやすべきではない。テキサス親父やマイケル・ヨン氏もこんな奴らのいうことを真に受けないほうがいい。
ところでなでしこアクションの人が12月にグレンデールに来て、グレンデールの中心街にあるアメリカーナ野外モールのクリスマスのデコレーションに感動されたよし。こんな素敵な町なのに慰安婦像なんかあるのは残念とのこと。まったくその通り。
あんな目障りなものはとっとと撤去してもらいたい。


2 responses to 第三者の目で慰安婦問題で対立する双方のグループを見てみたい

mhgt9 years ago

本来、ちゃんとした考えのフェミならば、日本社会のほうが女性に優しいという事を知るべきなんです。
子育てに対しては、アメリカはドライブスルー的な出産を求められますが、日本は一週間入院。私の姉だって半年も産休貰って職場復帰出来ましたし、あの頃は、子供手当てなんかも付いたんですよ。
アメリカで出産して仕事してた私の方が、羨ましい!って思ったくらいですよ。
日本女性は常に、男性の後ろで~って言われてた頃も、私は結局日本の深い文化の本来の意味と、外国のレディーファーストの本来の意味の無知さから来てる解釈だと思うんです。
視点を変えると、日本女性には選択権があり、遅くまで子供を預ける事ができる保育園だって重宝しますよ。専業になっても後ろめたい事は無い上に、共稼ぎだって当たり前の時代です。
あと、日本軍、第二次戦争の裏の部分などの調査などもちゃんと調べた上で、慰安婦問題は語るべきだし、中途半端な知識のまま語る女性が増えるから、「女は・・」って逆に言われて、女の一番の敵は女性自身って言われるんですよ・・
私の場合、慰安婦問題ドーノコーノの前に、どうしてアメリカ国民の税金で給料貰ってるアメリカ議員が一定の在米移民のエゴの為に、議会決議してるのか?(無駄な税金使うんじゃない!)とデモしないのかが、不思議なんですよ。

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苺畑カカシ9 years ago

マックさん、明けましておめでとうございます。ことしもよろしく。
フェミニストのおかげでかえってアメリカの女性はその選択技を失われたという気もしますね。専業主婦、ステイアットホームママも立派な職業。以前にミット・ロムニー候補のミセスロムニーが専業主婦だったことで、左翼フェミニストから主婦は職業とはいえないとかいう批判が出ました。
大昔のフェミニストなら主婦業も職業だ、ばかにすんな、と言っていたはずなのに、皮肉なもんです。

私の場合、慰安婦問題ドーノコーノの前に、どうしてアメリカ国民の税金で給料貰ってるアメリカ議員が一定の在米移民のエゴの為に、議会決議してるのか?(無駄な税金使うんじゃない!)とデモしないのかが、不思議なんですよ。

そうなんですよ。グレンデールもこんなものを税金使って建てたおかげで訴えられたりして、その弁護費はまた市民の税金で払うわけですから、グレンデール市民としては冗談じゃないですよ。

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