先日ニューヨークで駐まっていたパトロールカーに乗って見張りをしていた二人の警察官を黒人の男が後ろから近づいて暗殺するという事件が起きた。犯人の男は事件数日前から警官による黒人青年射殺事件について、復讐してやるとソーシャルメディアなどに書いていたそうだ。
殺された二人の警官、ラファエル・ラルフ・ラモス40歳とウェンジャン・リウ32歳の葬儀が先日行なわれた。野外の会場には近隣や遠隔から2万人の警官が出席。ジェットブルー航空が葬儀に出席する警官の航空費を無料にしたため、遠隔からの出席者もかなりいた。
野外での式であったため、お悔やみの言葉を述べる人々の姿が中央の大型スクリーンに映し出されたが、その際、ニューヨークのデブラジオ市長が演説に立つと、出席していた警官全員が回れ右をして一斉に市長に背を向けた。市長はこの事件が起きる直前、黒人犯罪者に同情的な発言をし黒人が警官に対して持つ敵意が正当であるかのようなことを述べたからである。この二人の警官の暗殺事件は市長に責任があるとさえ言う声が聞かれるほどだ。いかに深い溝が地元警察と市長の間に出来てしまったかを物語っている。
この事件直後も、黒人暴徒らによる暴動がアメリカ各地で起きている。
こんな状況を見ると、アメリカの事情を良くご存じない日本のかたがたは、アメリカの黒人差別はよっぽどひどいのではないかと思われるかもしれないが、実はそうではない。確かに1960年代に人権運動が起きるまでは、アメリカ南部では政府による組織的な黒人差別が行なわれていた。ジム・クロー法という悪法において、黒人と白人が使用できる学校や公衆便所や水のみ場などといった公共施設が完全に区別されていただけでなく、民間のレストランやホテルですらも、黒人と白人を区別することが法律で義務付けられていた地域があったのである。就学や就職の面でも黒人はことごとく二流市民の立場を強いられていた。
しかし、1964年、民主党の反対を押し切って共和党が推し進めた人権法が通り、繰り返す、人権法は共和党の発案であった!、よって政府による組織的な人種差別は抹消された。
無論、法律だけ通してみても、人々の気持ちの中にある差別意識はそう簡単にはなくならない、ということで、アファーマティブアクションなる政策がとられ、政府が強制的に人種混合や少数民族の保護といった対策に取り組んできたのである。
2014年の現在、アメリカでは白人による組織的な人種差別なるものは存在しない。黒人だからという理由で入れない大学も就職先も存在しない。黒人お断りなどというレストランやホテルもない。同じ能力さえあれば黒人だろうと白人だろうと女性だろうと男性だろうと皆同じ給料をもらえる。アメリカ社会には人種差別も男女差別もほとんど存在しないのである!(軍隊には一部まだ男女差別があるが、、)
にもかかわらず、人種間の問題はよくなるどころかかえって悪くなっているのは何故か?黒人容疑者が警官に殺されると回りの状況もわからないうちから人種差別だと決め付けられてしまうのは何故だ?黒人青年は自分が何も悪いことをしていないのにやたらに警察官から呼び止められると感じたり、小売店などで黒人の客に店員がやたらに目を光らせると感じるのは何故なのか?
これが白人による黒人への人種差別がいまだにひどいからだと考えるのは全くの間違いである。
確かに人種差別は存在している。だがそれは白人による黒人差別ではなく、黒人社会にありがちな、自分の不運はすべて他人(特に白人社会)のせいで、自分らが欲しいものを得られないのは他人種が自分らの分け前を不当にぶんどっているからだという歪んだ考えからくるものだ。
黒人による韓国人差別もその一例だ。もう20年以上も前になるが、テレビのスペシャルで黒人と新移民の韓国人商店らの問題を取り上げた番組があった。黒人たちは自分らが3~4世代にわたって生活保護を受け貧乏な暮らしをしているのに、新しく入ってきた韓国人達があっという前に店を構えたりアパートの家主になったりするのを見て、韓国人は政府から特別手当をもらっているに違いないと話していた。そして一世代目はコンビニの親父をやってる韓国人も二世代目になると弁護士や医者になって貧窟街から出て行ってしまうことに対し、黒人の生き血を吸って金もうけをしていると敵意を抱いた。
しかし新移民が銀行から簡単にお金を貸してもらえるわけもないし、特に政府からのお手当てなども出ていたわけではない。韓国人は民族としての結束が強く、同族同士で金を出し合い新参者に投資する。韓国社会の義理しがらみは日本のそれよりかなりすごいものがあるらしく、借金を踏み倒すなんてことは普通はあり得ないようだ。韓国人が働き者だというのはアメリカでも有名。
確かに韓国人は日本人やアメリカ人に比べると愛想が悪い。店にくる客に対するそっけなく横暴な態度は地元市民の反感を買う。だが、それでも韓国人は地元黒人に物を売らないといったり、黒人相手の商売はしないなどと言ってるわけではない。もともと黒人が主要だった商売が韓国商人に乗っ取られたとしても、韓国人がちゃんと金を払って買い取ったなら文句はいえないはず。今や日本食レストランの大半が韓国人経営だが、韓国人が暴力で日本人経営の店を乗っ取ったというならともかく、これは商売上手かどうかの話しだから仕方がない。資本主義の世の中とはこういうものだ。
にも関わらず、暴動などが起きると黒人はすぐに韓国人商店を狙って略奪をしたりする。何度もいうが、これは日ごろから韓国人が黒人を差別しているからなどというものではなく、黒人が欲しいものを韓国人が持っているのは黒人から奪ったからだという不当な思い込みから来るものなのである。
私も韓国人ファンではない。一世代目の韓国人移民の中にはかなり失礼な奴が居る。韓国人の店で英語の表示がなかったので、値段を英語で聞いたらうるさそうに「出て行け!」というようなしぐさをされたこともある。言葉がわからないので何故店主が怒っているのかわからなかった。まあ、ああいう態度で地元の客に応対したら反感を買うのは当然だ。当然ではあるが、それでも万引きにあったり強盗にあったり略奪や放火の被害を受ける筋合いはない。気に入らない店なら行かなければいいだけの話。暴力や犯罪での対応はかえって自分らが暴力的な犯罪者であるというステレオタイプを強調していしまうだけで逆効果である。
今起きている黒人運動家による暴動がどれほど黒人社会全体を傷つけることになるのか、それについては次回述べることにしよう。


2 responses to 拡大する黒人暴動によって悪化する人種関係、最後に負けるのは黒人なのに

ちび・むぎ・みみ・はな5 years ago

韓国で人種差別が激しいのは有名な話だと思う.
日本で有名な韓国人のブログ「シンシアリーのブログ」
を読めば明らかだ.
しかし, 米国の人種問題を見ると貴方が前に書いていた
「どこでも同じ」というのは信じられない.
1964と言うのは東京オリンピックの年だ.
東京オリンピックのポスターに様々な人種の選手が
スタートを切った瞬間を用いたものがある.
つまり, 全ての人種が融和するのがこのオリンピックの
テーマであった. しかも, この東京オリンピックは
第二次世界大戦の前に予定されていたもので,
その時から人種差別撤廃がテーマであったのだ.
少なくとも, 人種差別について米国でも日本でも
同じとは言わないで頂きたい.

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苺畑カカシ5 years ago

ちびむぎみみはなさん、
私はここで韓国の人種差別について書いたのではなく、アメリカの人種差別は黒人たちが騒いでいるほどひどくはないという話をしたまでの話です。
韓国人による人種差別が日本人のそれと同じ程度だろうとも書いてません。
しかしながら、日本における外国人差別はアメリカにおける差別などとは比べ物にならないほどひどいことは私は自分の身で体験しているので、それだけは言わせていただきます。
建前はどうあれ、実際に日本では、外国人と見るとサービスを拒絶する企業がいくらもあります。外国人が入れないレストラン、泊まれないホテル、つけない仕事、出席できないスポーツイベント(国体とか)混血児に対する国籍の対処などなど、、
私が日本に居た頃(198年代初期)に比べれば、法律が改正されて、かなりの差別がなくなったとはいうものの、観光客は別として、日本に住む外国人もしくは外国人と深く接している日本人なら誰しもが日本人による外国人差別を体験しています。
私はアメリカに30年以上暮らしていますが、アメリカでそういうあからさまな差別を受けたことは片手で数えるほどもありません。
私は在米韓国人のことしかわかりませんが、確かに韓国移民一世の人たちの態度は日本人に比べて、日本人やアメリカ人の感覚から言えばかなり失礼で横暴に見えます。それが差別からくるのかそういう文化なのか私にはなんとも言えません。
でも二世の代になってしまうと、日系二世でも韓国系でも中国系でもさしたる変わりはありません。みんなアメリカ人になってしまうからです。
カカシ

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