前回のエントリーで、人種を基にして市民団体を作ろうなんていう人間は韓国人でも日系人でも左翼リベラルがほとんどだという話をしたが、小山エミがインタビューをしたという二つの日系市民団体Japan American Citizens League (JACL)Nikkei for Civil Rights&Redress (NCRR)について彼らのホームサイトや声明文などを読んでみて、あ、やっぱりそうだったんだなと納得した。
先ずここではっきりさせておく。太平洋戦争中に日系人が家屋を没収された上にアリゾナの収容所に強制収用されたのは完全なアメリカ憲法違反であり、アメリカ政府もそれを認め1980年代後半にひとり頭2万ドルの賠償金が支払われた。日系アメリカ人団体はそういう苦しい葛藤の中で団結してきたという歴史がある。私はそれについては彼らの運動は正義のあるものだと感じている。
しかしこういう団体が時と共に左翼リベラルに乗っ取られるのは普通にあることなので、彼らが韓国人「慰安婦」反日運動に肩入れしてしまうのも同意は出来ないが理解できる。
さて、二団体のなかでも特に過激なNCRRの代表はグレンデール市で行なわれた韓国慰安婦像序幕式にも参加して演説までぶってるくらいなので、どういう団体かはご想像が付くと思うが、その時の声明文を読んでみると、まるで韓国政府のトーキングポイントを読んでるみたいである。 これでは理解を求めに話しに行った保守派団体の歴史の真実を求める世界連合会(GAHT)の代表者たちが「日本の左翼と話しをしているみたいだった。」と言ってがっかりして帰ってしまったのも当然というものだ。
ではその声明文の要点をまとめてみよう。
先ずははじめに、声明文は「我々NCRR(日系人による人権及び矯正の会の意味)は韓国慰安婦による日本政府への謝罪と補償を求める運動を応援するとともに、謝罪と補償がいかに大事か理解するものである」と述べ、その理由としていくつかの点を上げている。

  1. 日本はすべての補償は戦後の日韓平和条約時支払われたと言うが、これらの金は慰安婦の手には渡らなかった。
  2. アジア女性基金によって補償が支払われたという人がいるが、この基金は韓国、台湾、フィリピン合わせてたったの285人しか支払われていない。また基金は民間から集められた慈善事業と考えられており、日本政府による信実をこめた責任の認識とは言い難い。
  3. そして数々の日本首相たちが謝罪の意を表してきたとはいえ、慰安婦たちへ直接向けられた謝罪がされたことはないだけでなく、謝罪がおざなりすぎて、他の政治家から慰安婦の存在を否定したり正当化する意見を静めさせられるほど効果がない。

この声明文だけ読んでも、GAHTの代表者がJACLやNCRRに理解を求めようとしたことが、どれだけ無駄な行為であったかがわかる。GAHTの皆さんは、これらの日系団体が事情を理解せずに韓国人の口車に乗り誤った結論に達したのではないかというナイーブな考えで出かけていったのかもしれないが、明らかにそうではない。非常に残念なことではあるが、これら二団体は日系とはいえ今の日本に対し、反日ともとれる考え方を持った左翼リベラル団体なのである。
先ず1番目だが、日韓和平条約で日本政府が支払った補償金が慰安婦の手に渡らなかったというのは、日本政府の責任ではなく明らかに韓国政府の責任だ。日本政府からの補償金を国内でどのように使うかは韓国政府の管轄であり、日本には関係がない。責任を問うのであれば、慰安婦たちは韓国政府に補償を求めるべきである。
二番目のアジア女性基金だが、この基金の支払いについての内訳を読んでみると、確かに直接補償金を受け取ったのは三カ国合わせて285人の慰安婦で、彼女たちに支払われた一人頭二百万円の補償金は一般市民からの募金でまかなわれている。しかし、その他に7億7千万円が日本の税金からオランダ人を含む79人の女性の医療費に当てられた。インドネシアでは個人的な補償ではなく、病院や老人ホームや他のプロジェクトのために3億7千万円が支払われたとある。だからこの基金が民間の慈善基金だから公式ではないとか、支払いはたったの285人にしかされていないというのは偽りである。
また、韓国や台湾の市民団体がこの基金は慈善で公式な謝罪ではないので保証金を受け取らないようにと慰安婦らに申請したばかりでなく、補償金を拒絶した慰安婦は地元政府から報酬が支払われたりしたため、慰安婦の半分以上の女性たちが補償金を受け取っていない。中国政府は基金は侮辱だといって最初から拒絶した。基金への申し込みは五年間の時間制限が設けられ、現在申し込みは終了している。
三番目は馬鹿馬鹿しくて話にもならない。どれだけ国の首相が戦争時の旧日本軍の行いについて謝罪しても、まだまだ謝罪の仕方が足りないというのである。慰安婦は居なかったとか、慰安婦は必要だったとかいう政治家が居る限り謝罪の仕方が不十分だというのだ。こういっちゃなんだが、言論の自由がない韓国と違って日本は自由社会だ。どれだけ首相が謝ろうと、首相を批判する政治家が居るのは当然。反対意見を持つ政治家の発言が許される限り謝罪の意味がないというなら、これは永久に解決できない。
元慰安婦の女性たちはすでに高齢であり、補償の仕方が気に入るとか入らないとか言ってる余裕はなかったはず。くれるというものは素直にもらっておけばいいものを何故拒絶したのか。その答えは簡単だ。
韓国政府は日本を永久に許す気はないのである。いや、これは許すとか許さないとかの問題ではない。実を言えば慰安婦問題すらどうでもいいことなのだ。これは単に韓国が日本バッシング及びゆすりの道具として都合がいいから使って入るに過ぎないのである。かれらにとって戦時中に苦しんだ慰安婦たちのことなんか髪の毛一本すらの価値もないのだ。
在米韓国市民団体がわざわざ日系人市民団体を勧誘する理由は、パレスチナ人運動団体がユダヤ系アメリカ人を勧誘するのと全く同じ理由。日系人が韓国政府の手先となることに少なからぬ皮肉な喜びを感じるのであろう。
日系市民団体は日本人団体ではないが、よそから見れば日本民族として混同されてしまう。韓国人はそれを利用しているのである。ところが保守派日系人たちが市民団体を組んで韓国に立ち向かい始めたので、日系人間で市民運動を独占してきた左翼リベラルが腹を立てているのである。
つまり、これは日系人間に出来た亀裂というよりも、伝統的にどこの社会でもある保守派対左翼リベラルの亀裂にすぎない。最初からこの二つのグループの接点などないのである。そういう点では日本人だろうと日系人だろうと全く代わりはないのである。


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