先週の月曜日、ボストンとニューヨークで行われた聖パトリックス行進にゲイプライドの旗印を掲げる団体の出場が拒絶されたことを巡り、行進前夜にボストンのサムアダムス、ニューヨークのギネスビールがスポンサーを辞退したことに対して、地元市民の間でこれらのビールをボイコットしようという動きが出ている。
ボイコットを呼びかけているのは(カトリック宗教と人権のリーグ)The Catholic League for Religious and Civil Rightsのビル・ドナヒュー氏。ドナヒュー氏が呼びかけるまでもなく、地元では迅速で激しいバックラッシュがすでに起きているという。
前回この話を取り上げた際、ボストンの大手パブ、コーナーストーンパブがサムアダムスを売らないと宣言した話はしたが、サムアダムスのボイコットを決めたのはこの店だけではないようだ。
もともと聖パトリック祭典はカトリックの行事。カトリック教が同性愛を認めないのは周知の事実。そういう宗教的な祭典で主催者が同性愛を表看板にする団体の参加を許可しないのは当たり前。だが、主催者側は最初からゲイのみならず人工堕胎反対とか同性結婚反対とかいった政治的な旗を掲げることは、それが例えカトリックの教えに従うものでも許可していない。だからゲイ団体だけが差別されたわけではないのである。
それを承知でわざわざゲイプライドの旗のもとに行進に参加したいと言い張るのは伝統ある祭典への冒涜だとドナヒュー氏は語る。氏によるとカトリックリーグのボイコットにはカトリック信者でない人たちからの支持が多く集まっているという。最近のあまりにもひどい同性愛ごり押し活動に「もうたくさんだ!」と思う人たちの怒りが頂点に達しているのではないかと氏はいう。
氏はボイコットはギネスとサムアダムスが謝罪するまで続けると言っているが、ボイコットが成功するしないはドナヒュー氏やカトリックリーグのみが決めることではない。いくら彼らがボイコットを呼びかけたところで、一般市民が彼らの意見に賛成しなければボイコットは成功しない。また、市民の怒りがどのくらい長く続くかもカトリックリーグの思うようにはいかないのである。
ここで両社が考える必要があるのは、自分らの市場がどのようなものかということだ。
サムアダムスはボストンが起源。サムアダムスは他の大手のビール会社よりも小さく地方色の濃い地元ビール社として最初は大人気だった。しかし最近では他にいくらも同質もしくは良質のビールが出て来ており、サムアダムスは時代に乗り遅れているという評判もあるくらいだ。
となると、ボストン市民で長年サムアダムスを習慣で飲んでいた人たちが、今回の事でサムアダムスに腹を立てて他のビールを飲み始めた場合、その多くの人々が他の良いビールの存在に気づいてそちらを飲み始めるようになる可能性が高い。そうなったらボイコットが終わろうとどうしようと永久的にサムアダムスを見捨てる人々が出て来るかもしれない。
ギネスの場合はもっと深刻。若い人たちはどろっとしたギネスよりクラフトビールを好む。ギネスの愛飲者はもっぱら中高年のアイリッシュ系移民かその子孫。こういう人たちは信心深いカトリック教徒が多いので、今回のギネスの姿勢にかなり腹を立てているはず。ということはギネスは自分で自分の首を絞めることになったかもしれないのだ。
ちょっと前に起きたダック・ダイナスティーのスポンサーのクラッカーバレル社がLGBTに同情してスポンサーを降りると宣言して番組ファンの激怒を買い公式に謝罪声明を発表せざる負えなくなるという事件でもわかるように、ゲイ活動家の権力が大きくなればなるほど人々の反感も高まるのである。
ボストンやニューヨークはリベラルな市なのでボイコットが成功するかどうかは解らないが、個人的にカカシの愛飲ビールはずっとサムアダムスだったが、サムアダムスが謝罪声明を出すまではボイコットするつもりである。何か代わりにおいしいビールがあったらおすすめ願いたい。


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