この話は普通のメディアでは報道されないのではないかと思っていたのだが、何とCNNジャパンが報道しているので、張っておこう。

ノースカロライナ州シャーロット(CNN) 米ノースカロライナ州シャーロットで開かれている民主党の全国大会は5日、2日目の日程が始まり、前日に採択した政策綱領の修正をめぐり紛糾する一幕があった。最終日に予定されているオバマ大統領の指名受諾演説の会場が、悪天候のため変更になるという不運も重なった。

政策綱領の修正はこの日の日程が始まった直後に、政策綱領委員会議長を務めるテッド・ストリックランド元オハイオ州知事が提案した。
2008年までの綱領には、エルサレムをイスラエルの首都と断言する内容が盛り込まれていたが、12年の綱領にはこの内容がなかったことが、4日に採択された後になって判明。共和党の副大統領候補に指名されたポール・ライアン氏が「我が国の同盟国イスラエルに対する支援をないがしろにするものだ」と述べるなど、共和党からも攻撃材料にされていた。
民主党関係者によれば、この問題についてオバマ大統領は、「イスラエルの国家安全保障に尽力する揺るぎない姿勢について混乱があってはならない」との考えから、自らエルサレムへの言及を指示したという。修正後は、前日の綱領にはなかった「エルサレムは現在も未来もイスラエルの首都である」との文言が追加された。

党大会で、すでに公表した提言を修正したのはこれだけではない。シャーロッテ地元の民主党が党大会を歓迎する意味でつくったビデオのなかで、アナウンサーが「我々は皆政府に属している」と話す下りがあり、即座に、一足さきに大統領候補任命を受諾したミット・ロムニーから『政府は我々に属しているのだ、その反対ではない』と指摘され、まずいと思った全国民主党は、ビデオはノースカロライナの委員会が独自に制作したものではないと距離を起き始めた。
綱領にしたところで、党大会前に綱領から「神」と「エルサレム」という言葉を削除することは、党委員会全員で可決したことのはず。こんな大事な大会で発表されるビデオや綱領の内容を充分に吟味して承認していなかったなんてことは有り得ない。ということは、民主党はこうしたメッセージは良いことだと考えて発表したのだろう。つい先日も、オバマの報道官が報道陣から追求された時でさえ、エルサレムはイスラエルの首都だと断言できずに口を濁していたくらいで、オバマのイスラエル嫌いは悪名高い。オバマ自身が綱領のメッセージに同意していたことは間違いない。ロムニーに指摘されなければ、そしてそれによってオバマ批判が高まったりしなければ、オバマは黙ってそのままにしていたに違いないのである。
それをライバルに指摘されてから、「あ、まずい」と思って訂正しなければならないというのは、いったい民主党には信念というものがあるのか、と聞きたくなる。批判されて取り下げるようなものなら、なぜ最初から掲げるのだ?
どれだけ民主党の政策が一般アメリカ人の気持ちからかけ離れているか、それを証明するよい例となった。


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