ボストン市長のトーマス・メニノ氏は今月中旬、同性結婚に反対する意見を述べたChick-fil-A (チックフィルエー)というファーストフードチェーン店の社長の言葉に激怒し、ボストン市内において反同性愛者を社長に持つ同チェーン店の開店は禁止すると発表した。

これに便乗して、オバマ王の元側近で現シカゴ市長のラ―ム・エマニュエルもシカゴ市にチックフィルエーを開店させないと発表。また、同チェーン店とおもちゃなどを提携していたモペットという人形キャラクターで知られるジム・ハンソン社も、同チェーン店との提携を打ち切る旨を発表した。

これに関してハーバード大学のアラン・ドーシュイッツ法学教授は、ボストン・シカゴ両市長のやり方は明らかな言論弾圧であり憲法違反であると語っている。

ドーシュイッツ教授はかなり左翼なリベラルなのだが、リベラルには珍しく信念があり、常にまっとうなことを言う人である。

教授は個人的にお客さんが社長の考え方が気に入らないとしてチックフィルエーに行かないというのは個人の自由で全く問題はないが、市のような政府が社長の思想に同意できないからといって営業許可を出さないというのは憲法違反だと主張する。

政府がスポンサーとなって企業経営者の思想や宗教を理由に差別する行為は明らかな憲法違反である。無論チックフィルエーが客や従業員に対して同性愛を理由に差別したというような事実があれば、同チェーン店は訴えられてしかるべきだが、それにしたところで訴えた側の原告に被告の罪を証明する責任があるのである。今の段階でチックフィルエーが同性愛者を差別したという話は出ていない。
教授個人の意見として同社長の意見には全く賛成できないとしながらも、社長が反同性結婚の意見を持つ権利は守られなければならないと主張する。教授は反同性結婚思想のビジネスを差別する行為は、一昔前にどっかの地方政府が同性愛者経営のビジネスを差別した行為と全く変わらないという。

「誰か一人を差別すれば、全ての人を差別することになるのです。これはひどい不寛容の現れです。」

言論や宗教の自由を守る憲法は、時の政権と相反するものを守ってこそ意義がある。それが出来ないならば憲法など意味がない。


Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *