二ヶ月前の聖パトリックス日に、メリーランド州のボルティモア市繁華街に、多くの黒人少年らが繰り出し数々の暴力事件を起こしたが、なかでも観光客の白人男性に数人の黒人少年らがなぐりかかり、意識を失った男性を身ぐるみ剥ぐという事件では、まわりに居た野次馬達は助けるどころか警察も呼ばずに笑いながら見物し、そのひとりがスマホで撮った動画がユートゥーブにアップされ、全国的な批難を浴びた。
この問題について、地元の政治家パット・マクドノー代議士(共和)が(State Del. Pat McDonou)「徘徊する黒人の若者たち」と表現したことから、人種間暴力を煽る無神経な発言だとして知事や他の地元政治家達から謝罪を要求されている
マクドノー氏はボルティモアとハートフォード郡の代表する代議士で、全く謝罪するつもりはないと断固な姿勢を見せている。そして氏は、それよりもマーティン・オーマーリー知事(民主)に対し「頻発する危険な攻撃」に対処すべきだと、氏が20年DJを勤める地元ラジオ局WCBM の番組で呼びかけた。
マクドノー氏は、公共の討論において「使者を責める」べきではないとし、そんな暇があったら、ステファニー・ロウリング・ブレイク、ボルティモア市長は、実際に起きている暴力問題の解決法に取り組むべきであると主張している。
一方市長は、マクドノーの発言を「人種差別を煽るパフォーマンスだ」として取り合っていない。
地元の民主党政治家がマクドノー代議士の言葉使いを批難している間にも、先週の木曜日、19歳の白人青年が二つの別々の黒人集団から続いて暴行を受けるという事件がおきた。
警察の調べでは、ボルティモアの通りを午後4時20分頃、ひとりで歩いていた19歳の白人男性は、突然後ろから見知らぬ男に襲いかかられ、続いて9人の少年達が加わり、男性に殴る蹴るの暴行を加えた。その際、男性の携帯が奪い取られたという。その直後、地元の MTAバスが付近で一時停車した際、バスに乗っていた数人の黒人少年がバスのドアをこじあけてバスを降りると、19人の黒人少年らが一人の白人男性に襲いかかったという。
被害者の男性は、自分がライバル高校の生徒だったことで狙われたのではないかと語っている。
地元教会のウィザースプーン牧師は、ボルティモアの犯罪は確かに問題だが、マクドノーのしていることは、自分の政治活動を活性化するため、地元の保守派を沸き立たせようとしているに過ぎないとし、近日マクドノーの勤めるラジオ局前で抗議運動をし、マクドノーが謝らなければ番組のスポンサーに圧力をかける用意があるとしている。
ウィザースプーン牧師のサザーン・クリスチャン・リーダーシップ・コンフェレンスというのは多分黒人教会で、牧師は間違いなく黒人だ。マクドノーは名前からしてスコットランド系で明らかに白人。牧師のいう「保守派」というのは、「黒人差別の白人ども」と言う意味。
ラジオ局はいまのところマクドノーの番組を降ろす計画はないという。
しかし、マクドノーの発言に同意する人々の間からも、黒人という特定の人種を持ち出しての批判は適切ではなかったのではないかという声も聞かれる。
でもこれが反対に地元を治安を乱しているのが白人暴徒らで、十数人の白人少年らが一人の黒人少年によってたかって暴行を加える事件が頻発していたら、加害者の人種は絶対に持ち出されたはず。そうやって黒人が加害者だと神経質になって口を閉ざす風潮こそが、黒人暴徒らをより傲慢にし、過激にしているのではないだろうか? 人種差別の動機で暴力沙汰を起こしている黒人達の行為を見逃し、それを「人種差別だ」と指摘した方が人種差別をしていることになるという、そんな理屈が何故成り立つのか?
マクドノー氏は単に誰もが知っている事の本質を指摘したにすぎない。


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