今日の新聞の見出しを見ていたら、「人種配分が傾くにつれ、増える(白人の)憎悪集団」Hate Groups Grow as Racial Tipping Point Changes Demographicsのがあった。括弧内はカカシの勝手な判断だが、記事の内容を読んでみると、この「憎悪集団/ヘイトグループ」というのはあきらかに白人崇高主義の人種差別グループのことを指す。
アメリカにはミリシャ(市民軍)と名乗り、武装して軍人のような制服を着たりして週末に集まり、兵隊さんごっこをしている連中がいる。こういう連中は大抵の場合無害なのだが、時として、過激な人間が国内テロを起こすことがある。1995年にオクラホマの市役所ビルを爆破したティム・マクベイも元ミリシャの隊員だったが、その思想があまりにも過激すぎるということで、隊から追い出されていた。
彼らの存在は何も目新しいものではない。その数も少なく、連邦警察が彼らの行動を常に見張っている。そんなグループの話をなんでABCニュースは今更取り上げるのかちょっと不思議だ。
記事によると、アメリカ国内における人口分布の割合が少数派優勢になってきていることで、ヘイトグループの活動が活発になってきているという。
今週発表された調査結果によると、この国の歴史始まって以来はじめて、少数民族の出産率が白人の出産率を上回ったという。2011年に生まれた新生児の50.4%がラテン系、黒人、アジア人その他の種族を含む少数民族で、白人の新生児は全体の49.5%だった。さらに、現在5歳以下の子供の49%以上が白人ではない少数民族であることがわかった。
このままでいくと、白人の数は少数民族全体を合わせた数と比べて少数派となる。ABCの記事では、この事実が白人崇高主義者を戸惑わせているというのだ。また、それに加えてアメリカ史上初の黒人大統領が選ばれたことも、さらに白人主義のグループを慌てさせる要因になっているという。
反政府過激派グループを観察しているサザンポバーティローセンター(SPLC, the Southern Poverty Law Center)のマーク・ポタック氏によると、 こうしたヘイトグループの数はオバマが大統領になってから150から1274にまで増えたという。
自分らをミリシャとか呼んで週末に兵隊さんごっこをしている市民軍隊が必ずしも憎悪団体であるとか人種差別を動機とする白人崇高主義者の集まりだと言うわけではない。それに最近こうしたグループによる国内テロやテロ未遂が急増しているとかいう事実もない。では何故、こうしたグループの数が増えたことがニュースになるのだろうか?
白人崇高主義のグループの数が急増しているという話をするなら、黒人暴力集団による対白人の暴力沙汰についても言及すべきではないのか? もし白人のヘイトグループが最近急増しているというのが事実だとして、その原因はオバマが大統領であるとか人口分布が変化しているとかいうことより、黒人による対白人への暴力が横行し、黒人大統領や黒人司法局長が新ブラックパンサーなどのような、それこそ対白人ヘイトグループの暴力団の選挙違反や暴力を容認しているように見えることのほうが、大きな動機につながるのではないか? 少なくともジャーナリストたるもの、その可能性を追求すべきである。
陰謀説を唱えるわけではないが、オバマ政権は、わざと白人崇高主義グループの脅威を誇張し、黒人対白人の暴力を煽っているのではないかというもある。オバマ政権は、左翼過激派ヘイトグループによる都市占拠運動をあからさま支持しているし、黒人ヘイトグループの新ブラックパンサーやネイションオブイスラムなどとも深いつながりがある。
オバマ王政権はこうした黒人対白人の憎悪意識を掻き立て、総選挙を前に不穏な状態を作り出し、治安維持を口実に反対勢力をどんどん取り締まろうという策略ではないかという人もいる。
最近急増している黒人暴徒らによる対白人暴力はトレイボーン対ズィマーマンの事件に誘発されたものとは言い切れない。なぜならば、この事件が起きる何ヶ月も前、すでに去年の5〜6月頃から、黒人フラッシュマブによる対白人暴力があちこちで起きていたからで、トレイボーン事件は単に黒人らが理不尽な暴力を振るうための口実に使われているように見える。
とにかく、主流メディアの突然の白人崇高ミリシャへの興味は、対白人暴力をさらに煽り、正当化するものとなるのではないだろうか。だが、そうなれば、本当の白人ヘイトグループによる暴力沙汰も起きるだろう。
もちろんオバマ王の狙いはそこにあるのかもしれない。


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