この間の共和党大統領予選で、これまで最下位だったリック・サントラムが三州全勝したことで、共和党候補はミット・ロムニーに次いでサントラムが使命される可能性がにわかに浮上して来た。

【ワシントン=竹内洋一】米大統領選の共和党候補選びは七日、中西部ミネソタ、西部コロラド両州の党員集会、中西部ミズーリ州予備選でサントラム元上院議員(53)が全勝を飾り、これまで先頭を走ってきたロムニー前マサチューセッツ州知事(64)の対抗馬に一気に浮上した。候補者争いはロムニー氏の独走ムードが一転、再び混戦様相になった。

 サントラム氏は同日夜、ミズーリ州セントチャールズで「穏健派のロムニー氏、そしてオバマ大統領に対する保守派の対抗馬としてここに立っている」と勝利宣言。敗れたロムニー氏はコロラド州デンバーで「サントラム氏の支持も得て、私が党の候補者指名を獲得する」と応じた。
 サントラム氏が制した三州のうち、コロラド、ミネソタは、前回二〇〇八年の候補者争いでロムニー氏が大勝した州だ。同氏の主張が当時と変わらないのに苦杯を喫したのは、共和党支持者の保守化を映している。(略)
 
<リック・サントラム氏> ペンシルベニア大法科大学院修了。弁護士を経て、1990年に東部ペンシルベニア州から32歳で下院議員に初当選。2期務めて上院にくら替え。イラク戦争に賛成したことが中道的な地元有権者に敬遠され、2006年に3選に失敗。「思いやりのある保守」を掲げ、「小さな政府」を主張。同性婚や人工中絶に反対する。熱心なカトリック教徒。

サントラムの浮上に脅威を感じているのが左翼リベラル達。

ええ〜? サントラムだって!サントラムはないだろう、サントラムだけは止めてくれ!!!

と騒いでいるのは、ザ・ニューヨーカーのジョン・キャシディーというイギリス人記者。彼の記事はサントラム及びカトリック教徒への憎悪丸出しである。キャシディーは教養あるリベラルたちの間では、サントラムは忌み嫌われているという。

サントラムはプロライフ(反人工中絶主義)、反ゲイ、反避妊ローマカトリック教徒というだけでなく、もっとも時代遅れで筋金入りのカトリック信仰家である。」

つまり、「(サントラム)の人格、彼の7人の子供、古くさい服装」やバージニアの植民地時代風の屋敷に至まで、都会に住み自分はあか抜けていると感じオルガニックミルクを買うようなニューヨークリベラルには我慢がならないのだとキャシディーは言うのだ。
しかしながら、この古風な信仰心こそアメリカの保守派に愛される要素なのであり、いまでもまだミット・ロムニーを抜いて共和党候補に使命される可能性はある。とキャシディーは恐れる。
私としてはギングリッチでなければサントラムでロムニーでも構わないと思っている。とにかくオバマを倒してさえくれればそれでいい。信仰心が強いということであれば、カトリックとモルモンと宗教に差こそあれ、アメリカの基本的な道徳心から言えば似たり寄ったりだ。二人とも同性同士の結婚や人工中絶には断固反対の姿勢を見せているし、経済的にも自由市場を重んじている。
サントラムとロムニーの戦いなら、この共和党候補戦、注目の価値ありである。


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