今、アメリカのカトリック教会はオバマ王がオバマの不健康国民皆保険、俗にいうオバマケアのひとつとして先日発令した、すべての雇用主が従業員に対して避妊薬や堕胎薬の費用を保険で補う義務を強制する条例は、アメリカ憲法第一条で保証されている宗教の自由を迫害するものだとして、オバマ王の命令に従わない意志を明らかにしている。また、教徒らの間でもオバマはカトリック教会に戦いを挑んだとして怒りが爆発している。カトリック教会は人間愛の立場から、オバマケアを強く支持し、熱心に法案を応援した団体である。その教会からの恩をこのような形で返したオバマ王に対して、カトリック教徒のみならず共和党や民主党内部からも批判の声が出ている
ここで理解しなければならないのは、カトリック教は避妊はもとより人工中絶を断固禁止しているということである。子は神から授かる宝である。それを人工的に阻止したり殺害したりすることは、教徒らにとって重大な罪となる。ところがオバマ政権はカトリック教会にその教えを破らせ、神への冒涜を強制しようとしているのだ。
福音書主義キリスト教徒が比較的保守であるのに比べ、カトリック教徒には何故か民主党支持者が多い。一般選挙を11月に控えたオバマ王が、その民主党支持のカトリックをこのような形で裏切ったオバマ王の政策に関して、民主党内部からも疑念の意が強まっている。
オバマ王就任の際、宗教を元にした隣近所の親好を深める委員会のメンバーとして熱心にオバマケア通過に努めた、テキサス州のサンアントニオ市メキシコ系アメリカ人カトリック大学会長のアルトロ・チェバズ医師はオバマ王の条例に裏切られたとしか言いようがないと語る。(強調はカカシ)

最近の大統領の行動は多くのカトリック教徒支持者を困惑させ恥かしめている。我々は裏切られたと感じている。他に表現のしようがない。 オバマ大統領にホワイトハウスから宗教を元にした隣近所親好促進委員会で努めるように招かれた時、私は即座に受け入れた。ラテン系民主党支持者として私は愛する国のために仕えることに誇りを感じたからだ。

ドクター・チェバスは、オバマケア通過のために熱心に運動をしたカトリック教徒の一人だ。それというのもカトリック教徒として全てのアメリカ人が医療を受けられないというのはアメリカの恥だと感じたからだ。
気持ちは解るが、オバマ王がオバマケアを通じてアメリカ国民全員に必要な医療供給をしようとしているなどと本気で信じたのだとすれば、ドクターチェバスはお人良しにもほどがあるとしか言いようない。オバマの目的は最初からアメリカ国民への医療供給などではなく、健康保険を通じてアメリカ国民の私生活を完全にコントロールすることにあったのだ。

悲劇的なことに、この医療改革がアメリカの信仰の基本であり最も大事にされて、アメリカ憲法第一条でも保証されている宗教の自由に対し、否定できない攻撃へとつながった。

この条例には教会などに努めるカトリック教徒は対象にならないという例外はあるが、皮肉なことにリベラルなカトリック教は多様性を求め、カトリック教徒以外の従業員を多くの学校や病院で雇っている。よってカトリック系の学校や病院は経営者が罪と信じる神への冒涜行為をむりやりさせられることになる。

カトリック教徒として中絶を促進する薬や治療は悪であると信じる。中庸な立場などあり得ない。これは「汝殺すなかれ」という神への信仰と法に直接反するものである。

さて、道徳的な怒りはもっともだとして、政治的な見解からしてオバマの方針には理解しがたいものがある。我々保守派からすれば、オバマがカトリックの味方であるなど最初から信じていなかったし、多くのカトリック教徒がオバマに騙されていること自体、理解に苦しむものがあった。
だが、それならそれで、何故大統領選挙を10ヶ月後に控えたこの大事な時に、わざわざ民主党支持のカトリック教徒らを怒らせる必要があったのだ? 表向きはどうあれ、一応カトリックの味方を振る舞うのであれば、カトリックへの攻撃は選挙が終わって見事再選した来年あたりまで待っていてもよかったのでは?
バージニア州代表、ゲリー・コネリー下院議員(民主)は水曜日この新しい方針は、アメリカの保険省(the Health and Human Services Department)による道の踏み間違えだと語る。

「こんな喧嘩をふっかけるべきではありません。是正されるべきです。」

また元民主党全国委員会会長でバージニアから上院に出馬しているティム・ケイン氏も、ホワイトハウスは例外は、教会だけでなく、教会が経営する病院や学校も含まれるよに方針を変更する必要があると語る。氏は、避妊を健康保険の一貫として含んだことは正しい決断だとは思うが、宗教団体に努める従業員を例外にしなかったことは間違った判断だと語っている。
まったく、オバマはどうして自分を熱烈に支持しくれるカトリック教徒らを今の大事な時期に敵に回したのであろうか? これまでの選挙でもカトリックの浮動票を得ることのできた候補者が大統領になってきたという。
この間の共和党候予選で、これまで劣勢だった保守派で宗教心の強いリック・サントラム意外にも三州圧勝したのも、これまで経済が主体とされてきた今回の選挙が、最近起きたいくつかの出来事によって急遽宗教の自由という課題に話が変わって来たことが理由かもしれないう見方もある。

…慈善団体KomenによるPlanned Parenthoodへの支援取り消し騒ぎ(注・妊娠中絶の是非をめぐる意見衝突。昨日の本欄参照)や、連邦裁判所が「同性婚を禁じたカリフォルニアの法律は違憲」(注・つまり同性婚を認める方向)との判断を下したことなどが重なった…。
オバマ政権は先週、「カトリックの病院や大学も含めて、いかなる雇用主も、従業員の避妊治療の医療保険を負担せねばならない」とした。カトリックの指導者たちは「信仰に反することの強制だ」として、オバマ政権への怒りを強めている(注・カトリックは基本的に避妊を認めない)。
…カトリックは最大の宗教浮動票であり、彼らの支持を得た者が、結果的には大統領になってきた。
米国では、雇用や税金など「カネ」の問題も大事だが、キリスト教の信仰に照らし、結婚や妊娠をめぐる「人間愛や家族」の問題こそ何より大切だと考える人が少なくない。

保守派アメリカ人は、オバマのいう変革(チェンジ)とは、アメリカの基盤であるユダヤ・キリスト教の道徳観念を根底から覆すことにあるのだと強調してきた。人間愛の見解からオバマの国民皆保険を支持してきたカトリック教徒たちは、今になってやっとオバマの陰謀に気がついたのである。
このことが来る選挙にどのような影響を及ぼすかは解らないが、これによってオバマを見捨てたカトリック教徒たちが共和党になびいてくれるなら、カカシは大手を広げて歓迎したい。


1 response to 恩を仇で返したオバマ王、カトリック教会に戦いを挑む

Sachi12 years ago

だからといって、カトリックはロムニーなんてカトリックをフリーメイソンの儀式を行うモルモン教徒を支持できねぇだろ。カトリックは貧乏人が多いから民主党支持者の比率が高いし。(ここらへんは日本で創価学会公明党と同じだ。創価にも新自由主義で利益を得る勝ち組高額所得者の信者は3割ぐらいいるかもしれないが、大部分は庶民と貧乏人である。これは先の大阪市長選での彼らの投票行動にあらわれている。同様の理屈が米帝のカトリックについてもいえる。南米からの新規移民などはまだ資本の蓄積が進んでいない貧乏人が多い。共和党支持で固まっているのは金持ち高学歴エリート団体のオプスディと、極少数のルフェーブル派ぐらいだろう。)
陳胡痒さんのコメント

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