アップデートあり!
2005年11月、イラクのハディーサで24人の一般市民を海兵隊が虐殺したとして8人が殺人や証拠隠蔽の罪に問われていた所謂(いわゆる)ハディーサ裁判。実際に犯罪が起きたという事自体が疑惑とされ、すでに8人の被告中7人までが無罪もしくは起訴棄却で全く罪に問われずに終わっている。最後に残った8人目の被告、フランク・ウーテリック一等兵曹(Staff Sgt.Frank Wuterich)がこの度「職務怠慢」の罪を認めることによりアメリカ軍人に対する最長の裁判の終幕となった。

ウーテッリック一等兵曹はこれにより、最悪の場合、最高三ヶ月の禁固刑、及び年収の2/3に減俸、さらに一等兵(private)への降格の罰を受ける可能性がある。刑の判決は明日になる予定。

ウーテッリック兵曹は2005年、ハディーサにおいて道路脇爆弾で海兵隊一人が殺され二人が負傷するという事件を取調中にテロリストに襲われて撃ち合いになった団を率いていた団長だった。ウーテッリックが職務怠慢の罪を認めたとはいえ、元々の罪は24人からの殺人罪だったのだから、完全無罪ではないにしろ弁護側の勝利といえる。

イラクのテロリストたちが一般市民を人間の盾に使ってアメリカ兵を襲撃するのはすでによくしられた事実。ハディーサの事件でも、先ず海兵隊員を道路脇爆弾で殺して他の海兵隊員をおびき出し、民家から銃砲を浴びせかけるという、それまでにも繰り返し行われたパターンにウーテリック率いる団が応戦したに過ぎない。

確かに無関係の民間人が巻き添えを食って犠牲になった可能性はあるが、だからといって応戦した海兵隊員たちが一方的に悪いといって罪に問うたのは理不尽このうえない。6年にも渡ってウーテッリック兵曹の名誉が汚されたことは、アメリカ軍隊の歴史としても汚点である。

この話が出る度に、カカシは何度も繰り返して来たが、もう一度繰り返す。ハディーサ事件は米軍による殺人犯罪は起きていない。海兵隊の行為は正当な戦闘行為だった。関わった海兵隊員らは最初から罪になど問われるべきではなかったのである!

ウーテリック兵曹が今後海兵隊に残る可能性は薄いが、ウーテリック兵曹はじめ、ハディーサ事件で犠牲になった海兵隊員たちすべてに感謝の意を表したい。アメリカ軍は彼らに非常な侮辱を与えた。軍の彼らの扱いはひどいものだった。命がけで外地へ行って闘っている勇敢な軍人に対して決してあってはならない扱いをした。

6年間もひどい仕打ちに絶えて、圧力に負けて殺人罪を認めたりしないでくれたウーテリック兵曹。完全無罪という形で終わることが出来ずに残念ではあるが、これでハディーサで殺人事件は起きなかったということが完全に証明されたことになる。

ウーテリック兵曹、ご苦労様でした。お国のために闘ってくれてありがとうございました!

追記 1:余談だが、このAPのニュースMarine accepts plea deal in Iraqi civilian deaths (海兵隊員、イラク市民の死に関する有罪示談を受け入れる)という見出しは非常に誤解を招く書き方だ。

アップデート: 本日一月24日、ウーテッリック兵曹の刑が言い渡されたが、90日の禁固刑、及び減俸、そして降格。ただし、すでに取調中に拘束されていた日にちを考慮に入れさらなる禁固刑はなし。減俸も次の三ヶ月間これまでの2/3の給料となるだけ、ただ降格は最低の一等兵にまで落とされる。ウーテッリック兵曹が三ヶ月後に名誉の除隊をすれば、除隊時点での位が一等兵でも、給料は今までのままなので、年金は減らない。降格されたままの除隊が嫌なら、がんばって昇格を待ってからの除隊もあり得るので、結果的には案外軽い罰だったと言える。殺人罪で起訴されて単なる職務怠慢の罪だけで終わったと言う事は、結局検察側には何の証拠もなかったということだ。

ハディーサ関連記事
2006年6月
ハディーサ事件:それぞれの思惑
疑わしきは罰するメディア その1
疑わしきは罰するメディア その2
ハディーサ疑惑: 怪しげな証言続く
眉唾なイラク米兵による悪事報道
2007年7月
ハディーサ事件次々に崩れる検察側の主張
ハディーサで殺人事件はなかった! 米兵容疑者二人目も起訴却下決定!
弁護士つきで戦争やるの?戦闘をいちいち戦犯扱いする米軍将軍たち
マーサ米下院議員よ、海兵隊員侮辱を釈明せよ!
2008年6月
最初の無罪! ハディーサ虐殺事件隠蔽はなかった!
ハディーサ裁判、7人目の罪も棄却


2 responses to ハディーサ最後の被告示談成立、殺人罪は棄却され職務怠慢のみ有罪

In the Strawberry Field8 years ago

ハディーサ裁判、7人目の罪も棄却

2005年11月、イラクのハディーサで24人の一般市民を海兵隊が虐殺したとして8人が殺人や証拠隠蔽の罪に問われている所謂(いわゆる)ハディーサ裁判だが、この間の無罪判決に続いて今回罪に問われていた隊員としては一番位の高いジェフェリー・チェサーニ大佐の罪状も棄却された。これで罪に問われていた8人中7人の罪が棄却されるか無罪になるかしたことになる。 残るは過失致死に問われているフランク・ウーテリック隊長の裁判を残すのみとなった。(アップデート:2012年、最後に残った8人目の被告、フランク・ウーテリック…

ReplyEdit
In the Strawberry Field8 years ago

ハディーサ事件:それぞれの思惑

アップデート: 2012年1月24日:2005年11月、イラクのハディーサで24人の一般市民を海兵隊が虐殺したとして8人が殺人や証拠隠蔽の罪に問われていた所謂(いわゆる)ハディーサ裁判。実際に犯罪が起きたという事自体が疑惑とされ、すでに8人の被告中7人までが無罪もしくは起訴棄却で全く罪に問われずに終わっている。最後に残った8人目の被告、フランク・ウーテリック一等兵曹(Staff Sgt.Frank Wuterich)がこの度「職務怠慢」の罪を認めることによりアメリカ軍人に対する最長の裁判の終幕となっ…

ReplyEdit

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *