実はこの見出しを読んだだけでも、え〜そんなひどい! と思ってしまったのだが、お隣になんと400lbsというから180kg以上の超肥満の男性に座られた乗客が立ったまま7時間の飛行を強制されたという記事を読んだ。
立ったままの飛行を強制されたのはアーサー・バーコウィッツさん57歳。US Airwaysの901便でアラスカのアンカレッジからフィラデルフィアまでという国内線では一番長距離のノンストップフライトにおいて、隣に座った男性の身体が自分の座席の半分以上を占拠してしまったため、自分は座れなくなってしまった。しかし満席状態で他の席に移る事もかなわず、なんとバーコウィッツさんは立ったまま7時間の飛行をする羽目に。
ちょっと待ってよ。それって最悪のサービス以前に安全性の問題があるのでは?
超肥満の男性は非常に恐縮して「もうしわけない、私はあなたにとっては最悪の悪夢です。」と謝ったというが、この責任は超肥満の乗客にあるのではなく、USエア航空の対処の仕方にある。どう考えても一席に座りきれない乗客をどうして満席の飛行機に乗せたのだ? 
実は私もこの間ハワイに行った時、帰りの便で三席並んだ真ん中の席になった。そして両隣が肥満男性! 二人とも肘掛けが邪魔と見えて上に上げてしまった。そうすると両隣の太った男性の身体が私の座席にはみ出て来て私は非常に窮屈な思いをしただけでなく、一人の男性は半袖だったので、その毛深い腕が私の素肌にあたって気持ち悪いったらなかった。たまりかねて私は「肘掛けを降ろしてください。」と言ったほど。肘掛けが上がっているとイアホンも差し込めないしね。
バーコウィッツさんは離着陸の際にシートベルトを使うことが出来なかったのは非常に危険だったと語っている。全くその通りだ。もし何かあってバーコウィッツさんが航空機内をふっとんで頭をぶつけて怪我なんてことになったら航空会社はどうやって保証するつもりだったのだろう?
で、USエア航空の反応はというと、全く申し訳ないと謝りはしたものの、そのお詫びとしてバーコウィッツさんにたった$200ドルのバウチャーを渡しただけ。バーコーウィッツさんの苦労を考えたら、800ドルの航空券全額返済くらいじゃ収まらない。それなにのたったの200ドルのバウチャー? ふざけるのもいい加減にしろ!
バーコウッツさんはUS Airwaysを50年も利用してきたそうだが、スチュワーデスは同情的ではあったが、何もする事が出来ず、どうしようもない状態だったという。
この話とは反対に、肥満の乗客に二座席購入を強制する方針の会社もある。エアトランというサウスウエスト航空系の会社は、来三月から肥満の人は二人分の座席を買うことを強制する方針だという。
USエアとは対照的にサウスウエスト航空は太った人を搭乗させない方針で話題になることが多い。
カルト映画監督のケビン・スミスはオークランドからバーバンクへの飛行で(これって一時間ちょっとの飛行だが)席を二席買っていたのに便が遅れたかなにかして別の機に移された時に、席が足りなくて一人座席に座らされたが、いざ離陸という時に回りの人に迷惑だからと降ろされてしまったという事件があった。この時は航空会社側は謝罪し、スミス氏は別の飛行機に乗せてもらった。
またサウスウエストは肥満の母娘の搭乗を「太り過ぎ」を理由に拒否したこともあった。ケンリー・ティグマンさんと母親のジョーン・チャーペンティアーさんはダラス空港で、搭乗口の係員から100人以上いる他の乗客の前で、二人とも太り過ぎなので二座席づつ購入すべきだったと言われ非常に恥かしい思いをしたと語る。係員の無神経さは改めるべきだとティグマンさん。(アメリカの空港係員の無礼さなんて、ヨーロッパのそれに比べたらまだずっとましだ。ドイツのミュンヘン空港の係員のつっけんどさったらなかったけどね。ま、それは別の話だけど)
また去年、トロントに住む危篤の叔母の死に目にあうために、ロンドンから飛ぼうとしていたサンディ・ラッセルさん32歳は、二座席購入しなければ搭乗できないと言われた。二座席分の$1444ドルを支払う余裕がなかったラッセルさんはトロントへ行けず、二日後に叔母は亡くなった。こういう場合は航空会社が融通を利かせて別の便に乗せて上げるとかしてもよさそうなものだが。
昔は航空機が完全に満席で一席の余裕もないということは非常に珍しかった。感謝祭やクリスマスの前といった祝日付近の日にちでないかぎり、大抵の航空機には太り過ぎの人が二席空いたところに移してもらうくらいの余裕があった。
しかし近年、飛ぶ飛行機、飛ぶ飛行機、どれも満席なんてのは珍しくない。預ける荷物や毛布や機内食や、場合によってはノンアルコールのドリンクさえ有料になり、ひと座席は狭く、機内サービスは最低なのに、なぜか今日日国内線の飛行機は常に超満員。
私はここ10年来、出張で何度も飛行機に乗っているが、数年前までは手荷物は二つまで、と一応言われていても、三つも四つもぶらさげて行く人はざらだった。私もコンピューターバッグとハンドバッグの他に寝袋を持って乗った事なんて何度もある。だが、最近は搭乗の順番が後の方だとローラーのついた持ち込みサイズぎりぎりの鞄などは置き場所がなくなってしまうことが多い。
こういう状態であるから、太った人には気の毒ではあるが、実際に二座席以上必要なほど太っている人は他人迷惑も考えて二座席分購入する必要がある。それが嫌ならば、満席の飛行機から降ろされる可能性は覚悟するしかない。
もっともダイエットという方法もあるけどね。


2 responses to 隣に太り過ぎの男が座って7時間立って飛行した乗客

mhgt12 years ago

カカシさん、感謝際ですね…楽しんでますか??
肥満の話で思い出したんですが、
とうとう、マクドナルドのハッピーミールに規制が入りましたよ。
今まで、フライかアップルの選択出来たものが、フライがほんの少しにアップルが付くと言う方針になったそうです。
他の親に言わせれば、「両方付くから、いいじゃない」とは思いますが、このフライの量が…情け無いほど少ない。
話は変わって、私いつも思うんですけど、
300LBSになる前に、自覚は無いのか??って
この感覚が、私は不思議です。いきなり次の日、
「100lbs増えてしまった~」って段階じゃないと思うんですよ。
私の夫の家族にも、肥満で胃の収縮手術した人、3人位いますが、結局、元に戻ってることもあります。
1シートに対する、規制付ければ良いと思いますよ。
結構私も肥満の人の横は…苦手です…

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Sachi12 years ago

マックさんお久しぶりです。感謝祭はいかがお過ごしですか?
それにしてもハッピーミールからフレンチフライが消えたら、アンハッピーミールですよね。うちの子が何食べようと放っといてよ!といいたいなあ。
それにミールについてなかったら結局もうひとつフライを買ってしまうような気がする。
カカシ

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