このあいだ南米から帰ってくる時、空港の免税店で香水を買うとして、ちょっとしたジレンマを体験した。ご存知の通り、今、飛行機内に持ち込める液体の量は制限されている。そのため国際線から国内線に乗り換えをする人は関税と移民手続きを受けた後に再びセキュリティーチェックを通るので、買い物したお酒や香水などの容量によっては手持ち荷物として機内に持ち込めない可能性が出てくる。
免税店の店員から片言英語で100mlまでは持ち込めると言われたのだが、以前に同じくらいの大きさの香水を没収されてる人を見た事があった私は、そのまま持ち込んで没収されても嫌だし、かといって預ける荷物の中にいれておいてTSA(運輸保安庁)の空港警備員に盗まれても嫌だし、買おうかな、どうしようかな、とかなり迷った。
私の心配は全く正解で、この間私が通って来たヒューストン空港において、現金入り財布をこそ泥したTSA職員が、警察のおとり捜査で捕まったというニュースを読んだ。
TSA職員カーラ・レネー・モーガンは、日頃から乗客の荷物から貴重品を盗んでいると疑われていた。そこでヒューストン警察は私服警官に1000ドルの現金入り財布を落とし物としてモーガンに届けさせた。モーガンはそれを落とし物として保管せず、自分のバックパックに入れて空港を出ようとしたところを逮捕された。
ミッシェル・モルキンによると、こんなのは氷山の一角だという。
2009年、ニューアーク・リバティー国際空港では、ピセアス・ブラウンなるけしからん男が乗客の荷物から電気機器などをeBayで売りさばいて大もうけしていたという。ブラウンはほんの数年の間になんと40万ドル相当の物品を盗んでいた。
ブラウンは2001年のTSA発足以来、TSAが記録している泥棒500人のひとりでしかない。実際に解ってる泥棒以外に、どれだけの泥棒が職員のなかにいるのか考えただけでも恐ろしい。
職員による窃盗が一番多いのはニューヨークのジョン・F・ケネディ空港、同じくニューヨークのラガーディア、ニュージャージー州のニューアークリバティーだというが、他の空港も決して安全とは言えない。
同じく2009年、マイアミインターナショナル空港で、TSA職員6人がiPodや香水、カメラ、GPS、コーチハンドバッグ、ヒューレットパッカードのミニノートブックなどを乗客の鞄から盗み取り摘発されている。この空港で盗まれた1500点を超す貴重品のほとんどが取り戻されなかった。
今年の五月だけでもロサンゼルス、フィラデルフィア、シカゴでTSA職員が逮捕されている。
私の義弟も数年前にCDプレーヤーとCDが何枚か入ったケースごと盗まれた経験があり、TSA職員による窃盗など頻繁すぎて驚きもしない。
運輸保安庁は乗客を全身スキャンマシンにかけたり、痴漢行為さながらのパットダウンなんかしてる暇があったら、自分らの職員の管理をちゃんとやれ!


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