先日エジプトのカイロでムバラク大統領の退陣を巡って大喜びの群衆の様子を取材していた米CBSテレビ局のララ・ローガン記者が、スタッフやガードマンから引き離されて200人に及ぶ暴徒から性的な暴行を受けたという記事を読んだ時、私は読者諸君と同様、集団強姦という最悪の自体を想像した。しかし一緒に居たスタッフのメンバーやローガン記者を暴徒から救ったエジプト女性たちやエジプト兵士らからの話から、ローガン記者が殴る蹴るの暴行を受けたことは確かだが、性的暴行といっても、胸や臀部をまさぐられた程度のことで強姦はされていないという事実が浮かび上がって来た。

 CBSニュースの声明によると、ムバラク前大統領が辞任した今月11日の夜、カイロのタハリール広場で取材中だったララ・ローガン記者(39)が、200人以上の暴徒に囲まれて殴打や性的な暴行を受けました。ローガン記者は、一緒にいた撮影クルーや警備スタッフからは引き離されていたということです。女性グループと兵士約20人がローガン記者を救出しました。ウォールストリート・ジャーナルなどは、関係者の話として「ローガン記者がほかのスタッフとはぐれていたのは20分から30分間で、レイプはされていない」と報じています。(2月17日付けANNニュース)

私や他の読者がローガン記者が集団強姦を受けたという印象を持ったのも、CBS局の公式声明の内容がかなりあやふやなものだったことにある。声明文をかいつまんで意訳すると、、

二月十一日金曜日、エジプトのモスミ・ムバラク大統領が辞任した日、歓喜するタフリア広場の様子を60ミニッツの番組取材をしていたCBSのララ・ローガン記者とそのスタッフは祝福する危険な分子の集団に囲まれました。200人を超す興奮した集団でした。

集団との衝突の際、ローガン記者はスタッフと引き離されました。記者は集団に囲まれエジプト人女性グループとエジプト兵士約20人から救出されるまで、残忍な乱暴行為を受け性的暴行を受けた上に殴られるなどしました。記者は後にCBSチームと合流しホテルに戻り翌朝アメリカ行きの便で去りました。現在記者は病院で回復中です。
この件に関しては、今後CBSニュース及びローガン記者からの声明はありません。記者とその家族のプライバシーを尊重してください。

ララ・ローガン記者と言えば、イギリス人の金髪美人女性。はっきり言ってイスラム国の危険な場所にこんなミス白人みたいな美女を送り込んで取材させるCBS局の無神経度を疑いたくなる、と普通は考える。しかしローガン記者は新米のペーペーではない。イラク戦争当時、アメリカ軍について密着取材をしたり、リベラルジャーナリストとしてはかなり公平でしっかりした取材をしてきた女性だ。特にイラクのタルアファー地区に関する取材は立派なものだったという印象が今でも残っている。
そのベテランジャーナリストである彼女が、エジプトの集団から暴行を受けたというなら、それだけでもかなりニュースの価値はあるはずだ。特にCBSを始めアメリカのリベラルメディアはエジプトの反ムバラクの群衆を自由平等を求める民主主義者だとして報道していたのだから、その群衆がアメリカ人記者に真っ昼間に集団暴行を加えたとしたら、それだけでもニュースのはずである。にもかかわらずCBSは当初この事件の報道を隠蔽しようとした。
事件が起きたのが11日なのに声明文が発表されたのが15日だったのも、他局が事件を報道する可能性が高くなってきたため、仕方なしに公式声明分を出したと言う話だ。なぜ、CBSはこの事件を隠そうとしたのだろうか?
目撃者の話によると、ローガン記者を襲ったのはそれまでデモ行進をしていたのとは違う集団だったそうで、記者への攻撃の際も「このユダヤ人!」というような反ユダヤ人的発言が多く聞かれたと言う。ローガン記者はユダヤ教徒ではないが、エジプトの過激派の間ではイスラエルと同盟関係にあるアメリカ人を一緒くたにユダヤ親派として嫌う傾向があるので、記者を襲った集団はモスリム同胞団関係の人間かもしれない。
ところで、エジプトの紛争を取材中に暴行を受けたのは何もローガン記者に限らない。2月初めの段階でこれまでにも取材中のCNNのアンダーソン・クーパーを始め、フォックスニュースやBBCの記者数十名が集団から殴る蹴るの暴行を受け、人によっては入院するほどの重傷を負ったりしている。
はっきり言ってこれらの攻撃は、単に危険な場所に居て巻き添えを食ったというよりも、西洋ジャーナリストへの故意的な攻撃であり、他国からエジプトの状況を報道させまいとするイスラム過激派の陰謀ではないかと思われる。だから、過激派にとってクーパーやローガンのように世界的に有名なジャーナリストを襲うことには大きな意味があるわけだ。
もちろんローガン記者の場合は女性として屈辱的な性的暴行という難しい問題が絡むため、報道が難しいというのは解る。だが、最悪の状態を想像するような声明文を発表した以上、CBSはもっと詳しくことの詳細を報道すべきではないのか、CBSにしろローガン記者にしろプロのジャーナリストなのだから。


1 response to エジプトで取材中に集団暴行を受けた米美人女子アナを巡る謎

In the Strawberry Field8 years ago

ララ・ローガン恐怖の暴行体験を60ミニッツで語る

2011年2月、エジプトのムバラク大統領が辞任した日、歓喜に狂う群衆の様子を取材していたアメリカのCBSテレビのリポーターで南アフリカ出身の金髪美女ララ・ローガンさんは、突如としてリポーターではなく残忍な犯罪の被害者となった。 彼女が取材班の仲間やボディガードと引き裂かれ、暴徒らによって集団性的暴行を受けたニュースはあっという間に世界に広まったが、三ヶ月たった今、当人のローガンさんはあの日の恐ろしい体験を自ら、彼女が担当している60ミニッツの番組で語った。 暴行の内容は私が以前に書いた事と矛盾はない…

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