シーシェパード環境保全協界(SSCS、the Sea Shepherd Conservation Society)と言えば、反捕鯨を中心に活動しているエコテロリストである。彼らは日本の捕鯨船の回りに船を乗り出して嫌がらせをしたり、時には捕鯨船にわざと衝突してみたり、違法に日本漁船に乗り込んでみたりと、海賊さながらの行為を繰り返している。
その元メンバーだったニュージーランド出身のピート・ベチューン船長は現在のSSCSについて、幹部は「道義的に倒産状態」と非難し、特にグループのリーダーであるアメリカ人のポール・ワトソン船長に対しては、事実を歪曲し世界を騙していると辛辣な批判をしている。
特にベチューン船長とSSCSの亀裂をつくるきっかけとなったのは、今年の1月南極海でベチューン船長操縦の、アディギル号と日本の捕鯨船、第二昭南丸が衝突しアディ・ギル号が沈没した事件だ。下の動画はボブ・バーカー号と昭南丸の双方がそれぞれで撮影したものを並べている。面白いのは、昭南丸で撮影を行っている男性は事故を冷静沈着に報告しているのに対し、ボブ・バーカーの方は「ウォー、すげ〜!」の繰り返し。

衝突自体は双方がお互い相手が故意にぶつかって来たと主張しているが、圧倒的に日本側が悪いと感じたベチューンは衝突に激怒し、直接抗議するため捕鯨船に乗り込んだが、反対に捕鯨船の乗組員に保護され、後に逮捕された。その後ベチューンは日本で五ヶ月間拘束され、二ヶ月の禁固刑を命じられたが、後に五年間の執行猶予となり釈放後即座に強制送還された。
問題なのは、ベチューン船長は取調中、自分の罰を軽くするためにワトソン船長が捕鯨船乗り込み作戦に加担していたと証言し、それが後にワトソン船長の逮捕一時拘束へとつながったことにある。そのことに関してはベチューン船長は自分の非を認めている。
ザ・ブレーズにあてたEメールでベチューン船長は、ワトソン船長からの命令で捕鯨船に乗り込んだという虚偽の証言をしたことを認め、「あれは私ひとりの考えだった。ワトソン船長は賛成した。(虚偽の証言をしたのは)私の愚かな判断だった、そのことについてはポール(ワトソン)に謝りたい。だが、結果的に私はシーシェパードが雇った弁護士の助言に従っただけだ。」
シーシェパードとベチューンの関係が険悪になったのは、シーシェパードがベチューンを日本の監獄に置き去りにしたことにあるという。釈放されたベチューンはワトソンに、もっとボランティアを大切にし、世界に嘘をつくのは止めるべきだと抗議したという。
ベチューンとワトソンの仲違いはそれだけでは済まなかったらしく、ベチューンはついにシーセパードの汚いやり方について内部告発をするに至った。
ベチューンによると、アディ・ギルは第二昭南丸に撃沈されたのではなく、ベチューンがワトソンの命令によって故意に沈めたのだという。ワトソン船長は破損した船を修理するため港まで引っ張って行く時間を惜しんだのだという。

「私は6−12時間でボートが沈むよう細工しろと言われました。「翌日になって船が沈んで行くのを放置されたように見えるシーンはやらせです。あたかも私がその場にいたように見せたのです。「私たちは故意に船を沈め、嘘をついたのです。「まったく道徳に反する行為です。」

この作戦にはアニマルプラネットも関与していたとベチューンは示唆する。
また、ベチューンは他に色々隠蔽があったと書いている。
アディ・ギルが沈むんだ後、海上で昭南丸の乗組員は四本の弓矢を見つけた。シーシェパードは当初弓矢については何も知らないと声明文を出している。今時捕鯨船が弓矢で捕鯨などしているわけはないので、何でこんなところに矢が落ちているのか不思議だが、これには意味がある。
2009年にベチューンがワトソンに最初に会った時、ワトソンはベチューンに毒矢を使うトリックについて説明された。ハープーン船が捕鯨した後、鯨を母船に持って行く際に偽の毒を塗った矢を死んだ鯨の身体に撃ち込むというもの。ベチューンは何故そんなことをするのかについては説明していないが、カカシの想像では矢のつきささった鯨の姿をドラマチックに撮影するのが目的だったのだろう。
また、ワトソン船長が以前に捕鯨船の乗組員から撃たれたという事件もやらせだった可能性が強いとベチューンは言う。自分はその場にいたわけではないから知らないとしながらも、やらせだったという話は聞いているというのだ。
仲違いをした元仲間の証言なので、どれだけ信用できるのかは解らないが、別にやらせなどしなくても、上記の動画を観るだけで、シーシェパードがエコテロリストであることは明白。
これだけでなくシーシェパードは今年二月には「酪酸入りの瓶を発射するなどの妨害活動を行い、監視船「第2昭南丸」の乗組員3人が顔に軽いけがを負」わせるなどの暴力行為をしている。
捕鯨という行為そのものには賛否両論あるだろう。だが、それを阻止したいのであれば合法に国際社会に訴えて廃止を求めるべきなのであり、合法な捕鯨を暴力で阻止しようなど言語道断だ。今は単に小舟をぶつける程度のことで済んでいるかもしれないが、すでに酪酸入りの瓶を投げつけるなどしているところからして、この次は銃弾を使うかもしれない。毒矢も鯨ではなく乗組員にめがけて撃たれるかもしれない。そうなったら捕鯨船はどのように自分らの身を守ればいいのだろうか。
私は今や普通の商船も漁船も武装しておくべきだと思う。インド洋の海賊はすでにおとぎ話ではないし、南極のエコテロリストも現実だ。攻撃されたら反撃する権利はあるはず。奴らがやらせをするのを待つまでもなく、こんな奴らはどんどん撃沈してしまえばいいのだ。


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