今回の中国船長釈放事件について、これまでの日本政府による竹島対応を思い起こさない日本人はいないだろう。
下記は私が2006年に書いたエントリーからの引用だが、今回の事件でも全く同じことが言える。

歴史的にも国際上の取り決めからみても、竹島が日本の領土であることに間違いはないと私は確信する。だが、はっきりいって、もし日本が現実的に竹島およびその近海を日本の領土として守ることができないのであれば、歴史がどうの、国際法がどうのなどといってみても全く意味がない。

事実上竹島を統括しているのは韓国であり、水域を武力で守っているのは韓国なのである。もし日本の態度がただ単に国際社会に訴えるとか、韓国に苦情をいう程度のことで終わるなら、日本に竹島を領土と呼ぶ資格などないといえる。(略)
韓国はどうせ日本は口先だけで何も出来ない弱体だと踏んでいるのであろう。(略)
…口での脅しや要求は武力で支えられてこそ意味があるのだ。日本が本気で竹島を守る気があるのなら、武力行使も辞さない覚悟で守るべきである。その覚悟がないなら黙って竹島など韓国にくれてやればいいのだ。
日本のこうした弱腰を北朝鮮や中国が注意して見ていないと思ったら大間違いだ

もちろん、今回の事件は中国が日本を試すために故意に行ったと考えるべきだ。中国は日本の韓国への対応からみて、日本が強気に出るなどとは考えていなかっただろう。だから船長が逮捕されたのは意外だったのかもしれない。だが、ちょっと政治的経済的な圧力をかけただけで、こうも簡単に屈することが解ったのだから、この作戦は大成果を遂げたと言える。
竹島の件に比べて、尖閣諸島が日本領土であることは歴史が新しいこともあって、証明が容易であるだけでなく、竹島と違って日本が現時点で統括している領土であるから、中国の理不尽な主張に対抗するには日本にとってずっと有利な立場にあるはず。
その領海侵犯にすらこのような対応しか出来ないとなれば、今後もこのようなことが起きることは火を見るよりも明らかである。今回のことは中国側が水に足を付けるという試しにすぎなかった。日本は試され完全に敗北したのだ。
この次は日本の漁船が中国に拿捕されることも充分に予想される。そうなった時に、乗組員や船長が簡単に帰ってくるなどと思ったら大間違いだ。
つけたし:木走さんが、今回の事件で起きた日本内外での影響について分析しておられる。非常に興味深いので一読の価値あり。

理不尽な中国の振る舞いに、重要なふたつのエフェクトが世界で、そして日本国内に波紋のような広がりを見せています。

 
ひとつのエフェクトは世界において中国への警戒感が一気に広がっていることです。
そしてもうひとつのエフェクトは今回の事件で日本国内の中国に対する一般世論の雰囲気が一変したことです。
世論が一気に「右傾化」し始めています。


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