ミスター苺著
カリフォルニアの結婚に関する定義を示した提案8号を違憲だとしたウォーカー裁判長は、今度はペリー対シュワッツルネッガー裁判の控訴に関し、弁護側には訴訟当事者として適格性がないと言い出した。
ウォーカーは明らかに反対派が控訴を予定している連邦第9巡回控訴裁判所の裁判官たちに向けて意見を述べているわけだが、この控訴はカリフォルニア知事であるアーノルド・シュワツルネッガーか州の司法長官であるジェリー・ブラウンのみに控訴の資格があるというのだ。
無論これは、シュワッツルネッガー知事もブラウン長官も提案8号を弁護する気も控訴する気もないことを充分承知の上での発言だ。(ブラウン長官といえば、80年代レーガンが大統領として去った後のカリフォルニアでばりばりリベラル知事をやった、あのジェリー・ブラウンその人である。)
ロサンゼルス・タイムスによると:

連邦法廷において適格な立場があるかどうかは、実際に損害を被ったかどうかを証明する必要があり、ウォーカー裁判長は提案支持側はその適格性にあてはまらないとしている….

「提案支持者たちは法域を保証する上で、知事か法務長官に控訴してもらうよう説得する以外に方法がない。」とウォーカー裁判長は書いた。

現役裁判官がカリフォルニア有権者に舌を出している図を想像してもらいたい。
つまり、連邦巡回裁判所として、もっともリベラルで悪名高い第9巡回控訴裁判所は、突如として控訴適格性に興味を持ち出し提案8号の弁護側にはその適格性がないとしてウォカーの判決が正しいかどうかの見直しもせず、 控訴を却下しようという魂胆なのだ。 (hat tip to Le-gal In-sur-rec-tion and Allahpundit at Hot Air)。 裁判官三人からなる審査委員会にいわせると、、

控訴のうえで、控訴側はその内容について提案すると同時に、冒頭序文において、控訴側が控訴適格をしめす第三条によって却下されるべきではないことを示す必要がある。

序文に関する記述であるが、要するにウォーカーの理屈は (1) 知事か法務長官のみがこの件について控訴する資格がある。(2) 二人ともウォカーの判決に賛成して控訴を拒絶している以上、(3) 提案8号提案者や伝統的な結婚支持者は糞食らえ、というもの。
これに関して俺にひとつだけ質問がある。たった六つの単語からなる短い文章だが、そう簡単には応えられないはずだ。
もしウォーカー裁判長が正しく、誰も控訴する事が許されないというなら… “who speaks for the people?”(誰が市民のために発言するのだ?)
7百万というカリフォルニア州民が提案8号に投票したのだ。誰が彼らの主張を訴えるのだ?
市民投票の一番大事な点は、独裁的な法律の改正を有権者自らが提案できる点にある。たとえ選ばれた高官たちが腐敗し、人々の意見を無視して勝手な行動をとっていたとしても、有権者にそれを変えることのできる手段が市民投票なのである。だが、それを政府が単に法案に対する反対側の訴訟を弁護しないという形で市民の意志を覆す事が出来ると言うなら、市民投票の意味など全くなくなってしまう。
連邦レベルでも同じ事がいえる。議会が通し前大統領が署名して法律となったものでも、それに反対する後の大統領が、法律に反対する訴訟を弁護しないことによって既存の法律を覆すことが出来るという理屈になら、憲法を変えずに憲法の裏をかいて実質上変える事が出来るという理屈になってしまう。
これこそリベラリズムである。これこそバラク・H・オバマが約束した「希望と変化」だ。これこそ左翼の得意技だ。
オバマに投票したり、第三党候補に投票したりした人々よ、これこそ君たちがもたらした世界なのだ!

 

 

 

…Miss him yet?

George W. Bush


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