メキシコの麻薬戦争といえば、同ブログでも麻薬戦争カテゴリーで色々書いて来たが、今回のふたつの事件は、すでに読者諸君にはお馴染みになってしまったテキサスと国境接するシウダフアレズと、アリゾナの国境沿いノガレス郊外から。
先ず先週の水曜日シウダフアレアズにて、チワワ州のサンドラ・ガーシア検事と夫とボディガード二人の乗るSUVが襲撃され、検事とボディーガードの一人が殺され、他の二人は大怪我を負うという事件があった。ガーシア検事は麻薬犯罪関係者の起訴に従事していた。市のあちこちに麻薬ギャングらが書いたと思われる、市長や検事らにあてた手書きの脅迫状看板が残されたという。
21人の死者を出した撃ち合いは先週木曜日の午前4時頃、アリゾナの国境からわずか20キロはなれた人気のない地域で起きた。ここは麻薬密輸や密入国者たちの通路として使われる場所で、メキシコ当局は6人の負傷者を含む9人の容疑者を逮捕、8台の車、7個の武器を押収したと発表している。
これらの事件が起きた同じ週、今年の三月にアメリカ領事職員とその家族含めた数名を殺害した犯人が逮捕された。
逮捕されたヘスース・アーネスト・カストロ(41歳)は、フアレズドラッグカーテル暴力団の殺し専門部署の部員。カストロは殺人の動機は復讐だったとし部下数名に命じて領事役員とその家族を殺させた事実を認め、殺した理由は領事館がライバル暴力団の団員にビザを発行したからだと自白している。
はっきり言ってだ、麻薬暴力団の動機なんざどうでもいい。奴らは自分らの麻薬商売の邪魔になる人間は、ライバル暴力団はもちろんのこと、警察官だろうが保安官だろうが検事だろうが裁判長だろうが、単に領事館でビザ発行に関与していただけの気の毒な身重の女性事務員だろうが、たまたまその彼女と同じ車に乗っていた夫や子供までも残虐に殺害することを何とも思わないケモノたちなのだ。
最近のドラッグカーテルたちはその武装も戦闘技術も高度になり、地元の警察だけでは全く手に負えない状態になっている。出動された軍隊ですら手を焼いており、シウダフアレズはほぼ無法状態になっているのだ。
国境からわずか20kmのところで、こんな恐ろしいことが起きている国からの密入国者を、アリゾナ市が厳しい法律で取り締まるのは当たり前ではないか。カルデロン大統領は、アリゾナ州の法律や国境警備隊に八つ当たりしていないで、アメリカの協力を求めて自国の治安維持に勤めるべきだろう。明らかにメキシコ政府にはギャングたちを鎮圧する能力はないのだから。
もっともアメリカもオバマ王がメキシコ政府と一緒になってアリゾナ州を批判しているくらいだから、この二人が頼りでは、麻薬戦争終結など全く期待出来ないが、、、


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