今日のドラッジリポートの見出しで東京で行われた普天間基地移転問題のデモ行進の模様が紹介されていた。(APやNYTではオバマの手前遠慮があるのか報道されていない。)
この件については、日本に住んでいないカカシにはちょっと理解しにくいことなので、どなたかご教授願えるとうれしいのだが、なぜ普天間から米軍基地を移転しなければならないのだろうか?
アメリカの場合、基地が閉鎖されるというのは良いことではなくて悪いことだというのが常識だ。防衛費節約のために国内における基地閉鎖の予定が発表されるたびに、基地のある地元は「今度は自分らの基地かもしれない」と思ってびくびくするものなのだ。
その理由は言わずと知れた経済問題だ。例えば基地が閉まらなくてもキャリアー一隻来なくなるだけで、その海軍港はすたれる。なにしろ何千人というキャリアーの乗り組み員のみならず、その家族、修理や維持関係の技術者とその家族、といった人口が一遍にその場所から立ち去るのだから、そうなれば、住宅や商店街や飲食店やそのた諸々のサービス業が大幅に痛手をこうむる。
基地が雇う民間人の人員の数も馬鹿にならない。
基地のある地元の経済は基地で成り立っているところも少なくないので、基地閉鎖というのは地元民にとっては死活問題なのだ。
長年米軍基地があり、国民の反対運動で撤去されたフィリピンでも、基地閉鎖派が圧倒的多数だったわけではないという。特に地元の人々は意外と基地を支持していたらしい。それが反対派が政治勢力に者を言わせて地元民の意志を無視してアメリカを追い出してしまった、と感じている地元民も少なくない。閉鎖後は仕事にあぶれたフィリピン人がアメリカへのビサを申請し、アメリカ国内の基地で働いている人も多い。
ちなみに、フィリピンは長年アメリカの植民地だったので、フィリピン人は米軍に正規兵として簡単に入隊できる。今でも特に海軍にはフィリピン兵が多い。
ただ、基地と一口にいっても色々ある。海軍基地で飛行場がなく、単に軍艦が出入りするだけならば特に騒音に悩まされるということはないが、戦闘機の離着陸や実弾を使った訓練の音がしょっちゅうする基地はまた別だろう。
米兵らによる犯罪も無視できない。
それに、自国の軍隊基地であるならまだしも、外国の、しかも戦争に破れたことが直接の原因となってそのまま残った基地とあっては、やはり感情的なものが違うだろう。外国の兵士らが我が物顔で歩き回るのは忌々しいという気持ちはわかるし、基地がある限り敗戦は終わらないと感じる人がいるのも解る。
ただ、現実の防衛を考えた場合、日本には軍隊基地が必要だ。それが米軍のものでは嫌だというのであれば、日本はそれなりの防衛費を使って自分らの軍隊を強化するしかない。平和どうの、憲法第9条がどうのといってみても実際に存在する敵が消えてなくなる訳ではないのだから。
この問題について、各国の思惑を述べているこのブログのエントリーは面白い。

今は表面的に鳩山首相が窮地に立たされているが、追いつめられたのは、アメリカの方なのだ。

米軍再編の構想を立てて日本に「応分の」という名目で、なるべく多くを負担させようとしていたのだが、自民党が負けてしまった。現内閣の支持率から見て、自民党の復権は当分望めそうもない。来年の参院選では、小沢氏の献金疑惑がクリーンになって国民に分かるように説明すれば自民党の再逆転どころか民主党の地盤がかえって強化されそうだ。前政権との了解事項を早く実行せよと迫る以外に方法がない。
唯一の希望は、「アメリカの信頼を失うと日本は大変なことになる」という恐怖心を日本国民の間に流布することで、マスコミもそれに協力しているのだが、現政府を倒すほどの力は出てこない。
そこで現実的にとることのできる対策は、「普天間をなるべく高く日本に買い取らせる」事に集約される。
日本の負担で辺野古に新基地ができるのは、今でもやはり魅力だろう。口に入りかけたご馳走を吐き出したくはない。
だが戦略的に見たら、海兵隊はグァムに集めておくのが自然だ。政権交代が視野に入った時点で、普天間からの撤退を考える他筈がない。日本側の要望で、日本側の負担で辺野古に前進基地ができるのなら、解決したと考えたから甘い。
だから落としどころはグァム移転でいいのだが、すんなり認めたのでは、鳩山政権の手柄になってしまう。アメリカに従順な政権の復活が絶望的になる。

ま、オバマ王が相手ではどうなるか解らんね。なにしろオバマ王は外交は素人だし(何もかも素人だが)特に防衛には全然興味のない人だから、金さえかからなければいいと思ってるんじゃないかな。
極端な言い方をするならば、日本がアメリカ軍のグゥアム移転に金をだしてくれて、しかも極東防備の最前線として日本が独自の防衛をしてくれたら、それこそオバマ王にはもってこいのシナリオなのではないだろうか? ま、日本でそんなことが可能かどうかは別だが。
ただ、話せば解る式外交でブッシュ時代の強攻政策で得た諸外国からの反感を緩和していきたいと言っていたオバマ王だが、日本になど特に注目してこなかったアメリカ人からみたら、なんで、これまで友好関係にあった日本で、こんなことが起きるんだ、と不思議でしょうがないだろう。
こと防衛や外交にはブッシュ大統領のような強硬姿勢も必要なのではないか、少なくともブッシュ時代にはこんなに大仰なデモが日本で起きた記憶がない、と考えるアメリカ人も多いのではないかな。


6 responses to 普天間基地移転問題に持つ疑問

oldman11 years ago

私もくわしい経緯は知りませんが、普天間からの移設が日米間で合意されたのは、基地周辺に住宅が密集していて、米兵による少女暴行事件や、騒音問題、ヘリコプター墜落事件などが重なり、地元住民の反感が高まったことがきっかけ、ということのようです。
ご指摘のように、地元住民は基地の存在により多大な利益を得ているわけでして、反対者の多くは本土からやってきた左翼との説もあります。成田空港反対運動と良く似た構図と言えるでしょう。
普天間基地周辺の学校を安全な場所に移転するという案が左翼勢力の反対でつぶされたという話もあるようです。
こちらに中立的な解説があります。
http://blog.goo.ne.jp/stopchina
引用されたリンクは文章が日本語として未熟であり、論理が幼稚で支離滅裂であり、読むに堪えません。筆者はおそらく在日朝鮮人でしょう。
米軍基地の存在は日本の生命線だと私は考えています。日本独自の核武装が不可能な政治状況の下では、中国の脅威から日本を守るには米軍基地の存在は不可欠なのです。米軍が沖縄から完全に撤退すれば、沖縄は中国に乗っ取られるでしょう。そのような状況は日本の安全保障にとって致命的であるばかりでなく、米国から見ても太平洋の制海権を中国に脅かされることになり、アジア全体が不安定化することにつながります。

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sikibu11 years ago

もともとは、住宅密集地に軍の飛行機ORヘリなどが墜落してきたら危ないとか、騒音がひどいとかいうのが表向きの理由で、何年か前、墜落事故があったのがそれに拍車をかけたようですが、本心は、‘お金‘だと、沖縄から出稼ぎに来ておられるタクシー運転手は言っておられました。そして、抗議して、運動すればもっと賃料が上がるとけしかける、本土からやってきた怪しい輩がいるようです。沖縄には本土で暮らしにくくなった赤軍やら中核派やらといった左派勢力が大量に身をひそめて良からぬ活動をしているようです。沖縄でなにか反日親中的動きがある時、バックにはそれらが絡んでいるそうです。

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kusuko11 years ago

私もそんなに詳しくはないので、参考になりそうなブログ記事をいくつか置いておきますね。
普天間基地周辺の写真 1945年~最近
http://awfuljapan.livedoor.biz/archives/51406560.html
(コメント欄に地元住民の声あり)
なぜ普天間基地移設先は沖縄県内でなければならないのか – 週刊オブイェクト
http://obiekt.seesaa.net/article/136231624.html
やっと普天間問題の構図を理解できました – Baatarismの溜息通信
http://d.hatena.ne.jp/Baatarism/20091223

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oldman11 years ago

読み直したら、間違えて変なリンクを貼っていることがわかりました。正しくは、
こちらに中立的な解説があります。
http://voiceplus-php.jp/opinion/one_minute/061/index.html
話は変わりますが、アメリカは鳩山由紀夫の言うことをあまり気にしない方がいいと思います。
あのバカは脱税疑惑などでほとんど真っ黒ですから、じきに引きずりおろされるでしょう。

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Sachi11 years ago

どうも皆様、色々とご教授ありがとうございます。
ミスター苺も言ってましたが、結局はアメリカからもっと多額の賃貸費を取りたいというのが地元の本音なのではないかとのことです。
米軍基地がなくなって困るのは日本のほうですから。
やっぱりよそ者の左翼とかが煽ってるということもあるんでしょうね。そうじゃないかなとは思ったのですが。フィリピンの時もそういう感がかなりありましたからね。
皆様から頂いたリンクを読んでから、あらためてまたエントリー更新します。
カカシ

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oldman11 years ago

>結局はアメリカからもっと多額の賃貸費を取りたいというのが地元の本音なのではないか
誤解があるようです。
土地の賃貸料は日本政府が支払っています。そのほか、米軍の駐留経費の一部は「思いやり予算」と称して日本政府が負担しています。

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