昨日ボルティモアにおいて、オバマ王はテレビ中継で共和党下院議員らと議論を交わした。現役大統領が与党の議会に出席するのは異例だが、オバマ王ほど党派間の溝を深めた大統領も珍しいので、なんとかそのイメージを緩和したいという苦肉の策だったのかもしれない。それにしてもお気に入りの照れプロンプターも抜きで共和党議員達の質問に答えようとは、ちょっとした勇気だな。下記はウォールストリートジャーナルより。

オバマ大統領と共和党議員らの会談は1時間半近くに及んだ。同大統領は、財政赤字から医療保険や貿易問題に至るまで一連のテーマに関して時に激しい口調で時に自信に満ちた態度で共和党員からの質問に答えた。(略)

オバマ大統領は、米議会の「雰囲気悪化」の責任は「双方」にあるとし、民主・共和両党の協調を図るために、過去1年間にもっと多くのことができた可能性があるとの見方に同調。その上で、大統領は「それは私の側の失点だ」と認めた。
 同大統領は、「相手に対する発言には慎重を要することが間々ある」と強調し、「行き詰まりにつながる」と述べた。そして、民主党にも責任はあると付け加えた。

何が双方に責任があるだ!否決不可能な多数議席を持っていることをいいことに、共和党議員たちを討論から追い出して(文字通りドアを閉めて議事堂に共和党議員たちを閉め出したのだ)何百ページとある法案を誰も吟味する時間も与えずにすぐに投票に及ぶと言う卑怯な行為をしておきながら、共和党がそうした民主党の独裁に抗議をしたら、雰囲気悪化の責任は共和党にもあるだ? いい加減にしろ!
悪いのは一方的に民主党のほうではないか。オバマ王は経済活性案にしろ健康保険改正案にしろ、共和党の協力を一度でも呼びかけたことがあるか?ずっと完全無視しておきながら、自分の支持率が急降下し、多数議席を占める与党でありながら、何一つ達成できない今となって、共和党に協力を求めるなぞ、下心が見え見えだ。
しかし、ポリティコによると、このオバマ王の新作戦は効果があるかもしれないという。オバマ王はどうやら、党派の亀裂は自分にあるのではなく、民主党に全く妥協を示さない共和党に責任があるというイメージを市民に植え付けたいようである。

「アメリカ市民は我々が議席を保持することばかりに夢中になるのを望むとは思えません。… 国民はこれ以上の渋滞を望んではいないでしょう。国民がこれ以上の派閥争いを望むとは思えません。」と大統領は語った。「国民は金網檻マッチでどちらが生き残るかを見るために我々をワシントンに送り込んだのではないのです。」

ポリティコはこのオバマの新作戦の第一回の表でオバマはホームランを打ったと評価している。この成功に気を良くしたオバマは、これからもあちこちで支持者や批判者からの質疑に答えるつもりだと側近は語っている。こうやって自分は野党と歩み寄る姿勢がある、共和党が全く妥協しないことが問題の根源なのだというキャンペーン運動を繰り広げたいらしい。
ちょっと待ってよね、とカカシは言いたい。オバマ王は現職の大統領であって、大統領候補者じゃない。なんで大統領になって一年もたつ男がいまだに選挙運動やってるのだ?
共和党に歩み寄りを見せるのは無論大統領としては当然だろう。どのような法案も両党が納得が行くように大統領が働きかけるのは大統領の仕事だ。しかし、テレビカメラが回っているなか、大統領が全国各地を駆け回って共和党議員たちとの質疑応答を交わすというのは何か変じゃないか?
それに共和党が絶対に妥協できないような社会主義政策を次から次へと打ち出してきて、共和党が全く妥協を見せないといって責め立てるのも、それならいったい民主党は何を妥協してるんだってことになる。
オバマのやることってのはいつも演技ばかりで実質がない。だが、オバマはそういう点ではプロだ。何もしていないのに何かやってるような降りをするのは大得意。そして何も達成できないのはすべて共和党のせいだと主張したいのだ。この一連のキャンペーン旅行も目的はそれだけだ。
共和党はそのへんのところを国民に理解してもらうことが出来るだろうか?


Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *