昨日もご紹介したように、マサチューセッツ州といえばリベラルな民主党と保守的な共和党が3:1で圧倒的に民主党寄りの州。(すでに同性結婚なども合法になっているくらいだ。)であるから、本来ならば、故テッド・ケネディ上院議員が長年保持していた議席は、よっぽどのことがないかぎり自動的に後がまの民主党員が引き継ぐものと誰もが思っていた。
ところが、今まさに、その『よっぽどのこと』がおこりつつある。
選挙運動専門家のマイケル・グラハムは、マサチューセッツで起きている共和党のブラウン候補人気は前代未聞だという。
彼は過去6年に渡って選挙運動に司っているひとだが、大抵の場合ボランティアを募って有権者に参加してもらうのは並大抵のことではないという。せいぜい有権者の家の前庭に既成の看板を立ててもらうくらいが精一杯で、後のことはお金を払って人を雇わなければならないそうだ。
ところが、今回はブラウン候補の支持者たちが「なにかやらせてくれ」と選挙事務所に殺到して、仕事が足りないくらいだという。看板を立てたい有権者が多すぎて既成の看板が足りなくなり、何と手書きの看板があちこちの家の前庭に見られるという。
なんとしてでも共和党がこの議席を取らなければという有権者たちの意気込みが感じられる。
一方民主党のマーサ・コークリー候補陣営は、12月に州政府の資金を使って労働組合の組合員にコークリー選挙運動のボランティアをするようにと呼びかけ、ブラウン候補側からそれが選挙法違反であるという苦情が出ている。
それまでしても下がり続ける人気に焦ったコークリー側は『2008年マサチューセッツでは1736人の女性が強姦された。スコット・ブラウンは犠牲者たちを病院から門前払いしたいのだ。』という意味のビラを配ると言う汚い手口に出た。
これは全くの事実無根であるため、ブラウン候補は州の民主党委員会に名誉毀損であるとし、正式に抗議の表明をした。
本当なら自動的に受け継げるはずの安全な議席なのに、こんな汚い手段を使わなければ勝てないのか。マサチューセッツの民主党も落ちた物である。


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