なんと、米国司法省は911同時多発テロ首謀者をニューヨークの裁判所で審理すると発表した。

 【ニューヨーク=田中光】(2009年11月14日10時31分)01年9月11日の米同時多発テロの首謀者の一人、ハリド・シェイク・モハメド容疑者ら5人について、米司法省は13日、ニューヨークの連邦裁判所に起訴し、死刑を求めていく方針を示した。キューバ・グアンタナモ基地に拘束されている同容疑者らは、「グラウンド・ゼロ」近くの一般の裁判所で裁かれる。

 オバマ大統領は就任直後、来年1月までに基地の対テロ収容所を閉鎖する方針を表明。テロ容疑者らの移送先が注目されていた。ニューヨークのブルームバーグ市長は同日、ニューヨークで裁判をすることにした今回のオバマ政権の判断を評価する声明を出した。
 モハメド容疑者は、国際テロ組織アルカイダの幹部で、03年3月にパキスタンで逮捕された。基地の収容者の中では、最大の「大物」。基地の特別軍事法廷で予審が開かれていた。
 一方、米駆逐艦コールの爆破事件に関与した5人は、軍事法廷で審理するという。

テロリストを軍事法廷ではなく民間の裁判所で刑事犯として裁くことの弊害は、あまりにもありすぎて、「オバマさん、あんた何考えてんの?」といいたくなるほどひどい決断。
先ず、テロリストを民間の裁判所で刑事事件として裁くということは、911以後テロを戦闘行為としてではなく、単なる犯罪行為として扱うことになる。そもそも911事件が起きたのも、アメリカがそれまでアメリカ人やアメリカ大使館などを標的としたテロを刑事犯罪として扱ってきたことが原因だった。911の教訓を生かしてブッシュ大統領がテロは戦闘行為だとした政策がオバマ政権下で再び逆戻りしてしまうのである。
民間の裁判では、弁護側は、被告が罪を犯したとする証拠を要求する事が出来る。しかし、テロリストの逮捕に至るまでにはアメリカや諸外国の諜報機関による色々な捜査があったわけで、弁護士の要求する証拠を提示したら、アメリカ及び同盟国の諜報方法を暴露してしまうことになる。よって秘密情報なので公開できないと検事側が拒否すれば、弁護側は証拠不十分を理由に被告を無罪に持ち込む事が出来る。
加えて、被告のKSM (ハリド・シェイク・モハメド)が水攻めの「拷問」を受けたという理由で弁護側は被告の無罪を主張出来る。これによって連邦裁判所に水攻めが拷問であることを強調する機会が与えられ、またまたアメリカで起きている都合の悪いことは全てジョージ・W・ブッシュのせいにすることができる。
これ以外にも、検察官や陪審員の身の安全をどのように守って行くのかという問題が生じる。1995年に最初のWTC犯人の裁判で検察官を努めたアンドリュー・マッカシー氏はテロリストからの暗殺から身を守るため、何年も警備員を必要としているという。
もちろん、テロリストたちが裁判をきっかけにニューヨークで再びテロを起こそうと企むことは充分に予想される。裁判所付近の警備にかかる人員についても考慮が必要だ。
ちょっと素人が考えただけでも、これだけ弊害が見つかるというのに、いったいオバマ王は何故このような裁判をニューヨークのど真ん中でやりたがるのだろうか?
上記のアンドリュー・マッカシー氏は、オバマが一部のテロリストをアメリカ国内で審議するオバマの動機について、こんな恐ろしい説を紹介している。
氏によると、オバマはKSMをブッシュとの闘いにおける味方であるとみなしているのではないか。オバマはブッシュ政権によるKSMへの扱いを事実であれ想像であれ弁護の主体として、後にブッシュ、チェイニー、といった先の政権の高官たちを国際裁判所で裁きたいのではないかというのである。それによってオバマ王はオバマ王を指示する極左翼を満足させることが出来るからだと。
それが本当なら、オバマ王は国の安全よりも自分の政治権力のみに興味がある恐ろしい人間だということになる。
ところで、テロリストを民間の裁判所で審理し、もしも彼らが無罪になった場合にはオバマ政権はテロリストを国内で釈放するつもりなのだろうか? ホワイトハウスの記者会見において、ABCのジェイク・タッパー記者がその質問をしたが、報道官のギブスはその質問に答えず、本当のニュース局とは言えないと普段批判しているフォックスニュースのメイジャー・ギャレット記者から質問をとろうとした。ギャレット記者はすかさずギブスが答えなかったタッパーの質問を繰り返し、記者団から笑いがわき起こったという一幕もあった。
まったくいったいオバマ王はどこの国の大統領なんだ?


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