王の座についた暁には、アメリカ政府によるテロリストの「拷問」は廃止するとか、イラクから即撤退するとか、パキスタンに攻め入るとか、チェンジ!チェンジ!とおおきなことを言っていたオバマ皇太子だったが、いざ王様になってみると、国の政(まつりごと)はそう簡単には変革できないということをじわじわと味わっているようだ。
グォンタナモ収容所閉鎖の件にしても、共和党はおろか、民主党議会からも、収容者の身柄をどう処分するのかがはっきりしないうちは、むやみに閉鎖すべきではないという批判が出ている。いくらオバマ王が民主党でも、議会と大統領とでは立場が違う。オバマがどう思おうと、アメリカは今は未だ独裁政権ではないのだから。
ニューヨークタイムスの記事によると、オバマ王は本日(アメリカ時間の5月21日)の演説で収容者の身柄について説明した。
オバマの対テロ政策は左右双方を満足させるための中庸を取っているかのように見えるが、この一貫しない方針は結局左右双方からの批判を浴びる結果となりうる。たとえばテロリストへの「拷問」や乱暴な取り扱いは廃止するが、裁判なしで半永久的に拘留するブッシュ大統領の政策は継続するとか、グォンタナモ収容所は閉鎖するが、グォンタナモにあるmilitary commissions(軍委員会)は保持するなどといったように。
しかし、どっちつかずの政策はかえって国を危険に陥れるとディック・チェイニー前副大統領は批判する。

「テロリズムとの戦いにおいて、中庸だの中途半端なやり方は、我々を半分無防備にしてしまいます。」とチェイニー氏はオバマ氏の演説の直後に語った。「核武装をしているテロリストを一部だけ合衆国から締め出すなどということは出来ません。三角方針は政治的な作戦であり、国土安全の政策ではありません。」

カカシはグォンタナモ収容所は閉鎖されないと考える。正直言ってアメリカ国民はテロリストに同情などしていない。ましてやテロリストがアメリカ国内の刑務所に拘留されることなど許すはずがない。民主党議会からも、収容者の身柄がはっきりしない限り、収容所閉鎖は認めないという意見が出ているのも、そうした有権者からの声が反映しているのである。
オバマ王とその副大統領のジョー・バイドンは政策がなかなか決まらないことや、批判がつのると、何かと「ブッシュ政権の悪政策を引き継いだから、、」と言い訳をしている。それでいて、結局色々すったもんだの挙句、こと対テロ戦争に関してはオバマ王はブッシュ政策をそのまま保持する結果となっている。グォンタナモ収容所も、結局はそうなるであろう。
オバマ王。軍隊というのはきれいな制服を着て行進するだけだとおもっていたのかもしれないが、総司令官の仕事は思ったより楽ではなかったというわけだ。


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