マーク・スタインが書いたこのエッセイIsrael Today, the West Tomorrow(今日はイスラエル、明日は西)は、是非とも読者諸君に読んでもらいたい。俺、ミスター苺、が強く強く推薦する。下記はその一部。

「イスラエルはファッショナブルじゃない。」と、とある大陸の外相が昔私に言った事がある。「でもイスラエルは変わるかもしれません。そしたらファッションも変わるでしょう。」しかしイスラルがどう変わろうと、このファッションは変わらない。 アメリカを除く西洋人のほとんどによる反ユダヤ政権思想への変化は1970年台に始まった。前記の外相によると、これは配役の反映だという。つまり、イスラエルはすでに穴馬ではなく勝ち馬であり、そんな国がホロコーストの罪悪感に縛られない戦後のヨーロッパ左翼にどうやってアピールできるのだ?

確かにそうかもしれない。ファッションは変化する。しかし新しいJudenhass(ドイツ語でユダヤ嫌悪の意)はファッションではない。これはこの先数年後に転移する単なる厳しい現実であり、今世紀の初めなど古き良き時代思えるほどイスラエルは「国際社会」から孤立してしまうだろう。

問題なのはヨーロッパ人がホロコーストに飽きたということだけではなく、下記の三つの傾向にある。

  1. アラブ人やイスラム教徒の人口が増加に反して、古い世界の基督教の衰退。(基督教は中南米、アジア、アフリカには広がっている。だが、これらの国々はまだ文明戦争には参加していない。)
  2. 攻撃的で軍事的なイスラム過激派の拡大。それがサラフィストであれ、スンニ派のワハビストであれ、イラン勢力下にあるクォムシーアであれ、変わりはない。最近は両派のテロリストグループが彼らが「ダーアルハーブ」(戦争の家)と戦うべく同盟を結んだという。「戦争の家」とは要するにイスラム過激派のシャリア法に従わないすべての社会を刺す。 イランのシーアがスンニのハマスをコントロールしているのも、その傾向の現れだ。
  3. 最近の無宗教者とインテリ左翼と過激派イスラムによる 自殺的同盟は、前二者とも一時的に過激派イスラムと手を組んで民主主義及び資本主義、キリスト教主義を転覆させようという魂胆から起きたものだ。そして用が済んだらさっさとムラーやカリフを掃き捨てて、新しいマルクス主義、いわゆるリベラルファシズムで世界を牛耳ろうという考えだ。

上記三番目の問題だが、実際には当然のことながら左翼連中の思惑とは正反対のことが起きる。イスラム過激派こそが世俗主義者八つ裂きにしてその屍の上を君臨するのである。左翼連中、特にヨーロッパ左翼の「インタレクト」イデオロギーは中国やラテンアメリカの一部のリーダー達の間に巣食っているとはいえ、現実的には思想が倒産し気力が完全に衰弱している。すべての情熱やエネルギーや革命的熱狂度はイスラム過激派の方にあるのだ。
スタインに話を戻そう、、、脱線して忘れかけたが、このエントリーの主題は彼なのだから、、

ブルッセルには社会主義の市長がいる。これ自体は驚くべきことではないが、彼が統治するは議員総会は主にイスラム教徒を多数とする総会である。これは将来ゆっくりとじょじょに行われていく課程だと思っていた人々にはちょっとした驚きかもしれない。しかしこれも基督教社会が三千年代に堕ちる道なのである。ヨーロッパ連合の統治諸国の首都はほとんどがイスラム教徒なのだ。

俺はこれにはあぜんとした。スタインが予測していたことを全く知らなかったからではなく、この傾向がこんなにもひどいところまで進んでいたということに驚いているのだ。これは単に「心配だ。」ですまされるようなものではない。すでに「パニックボタンを押すべき時」が着ているのだ。しかしそれだけではない。

数週間前のある土曜日の午後、「イスラエルをボイコットしよう」というT−シャツを来たグループがフランスのCarrefourという世界最大のスーパーマーケットチェーンのフランス支店に乗り込んで名乗りを上げた。そして彼らは組織的に店の通路に進み、ひとつひとつ商品を調べイスラエル産の商品を全て略奪しカートに山済みにして持ち出し破壊した。彼らが撮ったビデオを見る限り、抗議者のほとんどがイスラム移民で数人のフランス左翼が混じっていた.しかしもっと驚くのは店内にいた店員や買い物客の傍観ぶりである。みなおとなしく他人の所有物がかき乱され破壊されるのを黙って見ているだけなのだ。この暴虐について質問された買い物客達は破壊行為に支持する意を表していた。「南アフリカもボイコットにされて初めて揺るがされた。」と一人の老婦人は語った。「あなた方がやっていることは良い事だと思う。」と婦人は付け加えた。

人によっては1930年代のドイツに教訓的な比較を見いだすかもしれない。「沈黙の多数派が走行するのではなく、声高な少数派がするのだ。」とカナダのインテリ、ジョージ・ジョナスは最近書いている。「頭数を数えるな。デシベルを数えよ。すべての社会が、アメリカ、西側諸国、そしてアラブの通りにおいて、ある種のムードがひろまりつつある。このムードがある一時に一斉に広がるのだ。」去る12月、ボンベイの力と富の象徴が計画的な同時攻撃にあった。パキスタンテロリストは、その勢力の1/5をついやして、めだたない建物で地方の貧乏人を助けている少数のユダヤ司教を拷問にかけて殺した。これがカシミア問題に関する抗議だったとしたら、何故ボンベイにいるユダや司教だけを殺すのだ?なぜならパキスタンのイスラム過激派はアラブ化の影響を受けているからだ。人口分布からいってヨーロッパにしろアラブ以外の地域にではイスラム教徒の数はそれほどでもない。だが、思想上過激派の音声はトルコにしろバルカンにしろ西ヨーロッパでも非常に高いのだ。

ヨーロッパのリベラルファシストの指導者達が、暴走する「アジア人の若者達」(イスラム教徒移民の意味)に媚びへつらってこのような「ボイコット」を国の政策にとりいれ、経済の行き詰まりや自分たちの社会的政治的失敗から国民の目をそらさせるようになるまで、どれだけの時間を要するだろうか?このイスラエル「ボイコット」がイスラエルの手先であるユダヤ人にまで及ぶのにどれだけの時間が必要なのだ? 申し訳ないが、俺は自分たちに都合が悪くなるとすぐ少数民族を責めるような、インテリ左翼の奴らの道徳心など信じられない。
俺が「ボイコット」と皮肉って鍵括弧に入れてる理由は、本当のボイコットというのは自発的に起きる物であって他人に強制するものではないはずだからだ。この Carrefourスーパーの 暴徒達の行為は他の買い物客がイスラエル製品を買うのを阻止するものだ。
もう少しマーク・スタインのエッセイーを引用したいのだが、長くなるので続きは次回に話す。


3 responses to ヨーロッパで激化する反ユダヤ思想

えんき15 years ago

 「リベラルファシズム」という言葉は間違っています。ファシズムという政治現象を「警察国家によるトップダウン型の独裁主義」だと誤解しています。これはファシズムの発生過程を全く理解していない、危険な思い込みです。
 元来のファシズムは、現在多くの人々が考えているものとは違い、大衆運動でした。草の根レベルでの政治的な抗議運動であり、過激な(実際は左翼的な)形を装った反体制主義、反独裁主義、反政府運動です。そもそもの始まりが大衆運動であったからこそ、あらゆる政治的抵抗を組織的に潰すことが出来たのです。
 よって世界中をリベラルが牛耳ろうという考えはファシズムではなく、グローバリズムあるいは世界独裁構想とでも呼ぶべきものです。古い言葉なら国際共産主義というのもあります。

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oldman15 years ago

私はこのエントリーを移民問題という切り口で読ませていただきました。
米国やブラジルなどとは異なり、ヨーロッパや日本には確立された社会が古くから存在し、そこへ移民が入り込んでくるわけですが、その結果、もとからいる住民と移民の間で様々なトラブルが起きます。ユダヤ人は2000年前にやってきた移民であり、ホロコーストはそのようなトラブルの一種であると考えます。
前にも書きましたが、ヨーロッパは1千万人のイスラム系移民を受け入れるという歴史的な大失敗を犯しました。もう取り返しがつきません。恐ろしい悲劇の予感がします。
日本の有力野党党首に友愛外交を説き、「日本は日本人だけのものではない」とのたまう宇宙人が選出されました。こんな男の支持率が現職総理大臣を上回るという驚くべき現象が見られます。国民の大多数がリベラル思想の毒気にあてられてしまっているようです。
ヨーロッパの現実を知らせることで解毒できるかもしれません。続報に期待いたします。

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Sachi15 years ago

えんきさん、
ファシズムも共産主義も社会主義であることに変わりはありません。ただ、ファシズムは政府が産業を運営するのではなく、政府がどの企業に市場を任せるかをコントロールするシステムです。
リベラルといえば、普通共産主義を思い出させますが、最近のオバマ政権の動きをみていれば、リベラルでもファシズムに走ることが可能であることがわかります。
一見リベラルとファシズムは矛盾するようでしないのです。リベラルファシズムについて詳しいことを知りたい場合には、上記のリンクをたぐってみてください。
カカシ

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