ヨーッロパでも税金が高いことで悪名高いイギリスでは、新しく高所得者の所得税率を50%にする予算案が出ているらしい。これについて、金持ちをこれ以上いじめないで!と必死の嘆願をしているのは、「エビータ」や「オベラ座の怪人」などのヒットミュージカルで知られる作曲及び劇作家のアンドリュー・ロイドウェバー氏(61歳)。

真実はこうです。提案された高所得者の所得税は50% ではありません。50%に1.5%の国民保険料、そして雇用者が支払う13.3%が加えられます。これは50%ではありません。二年後には英国は先進国で一番所得税率の高い国となるのです。

ロイドウェバー氏が心配しているのは、高所得者の税率を引き上げれば、高所得者は黙って高い税金を払うかと言えばそうではなく、こぞって英国を出て行ってしまうだろうという。1960年代にビートルズなどがしたように。
ここで氏は知り合いの男性を例にあげてこの意味を説明する。

先週の木曜日、私が劇場の演出で技術的なことで完全に頼りにしている30代の男性と会いました。色々な事情から彼は自分の経営する会社で自分を従業員として雇っています。しかし新しい税法によると、彼は先ず雇い主として13.3%の税金を払った上で自分を雇い、さらに従業員として残りの給料から51.1%の税金を払わなければならなくなるのです。

この男性はこの業界では指折りのやり手で、世界中どこの国の劇場からも引き手あまたなのだそうだ。彼には若い妻と、小さな子供が二人いる。それで先週の木曜日、これ以上英国に住んでいることはできないとロイドウェバー氏にその決心を話したという。
この男性の奥さんも、英国の教育システムはなっていないし、不況が進めばもっと住みにくい国になるだろうという。男性も自分はまだ若いので他の国でいくらもやり直しが出来る、今回の増税案で国を出る決心がついたという。男性はさらに若く才能のある人たちは英国で子供を育てるのは無理だと知っていると語った。
英国では1974年、「金持ちからは税金を絞りとることで有名だった」とロイドウェバー氏がいうデニス・ヒーリーという労働党の政治家ですら、外国で仕事をしている英国籍の高所得者への高い税率は国のためによくないと気がつき、一年以上海外で仕事をする英国籍者の税金金を25%下げたことがあった。しかしトーリー党になって税率が40%に引き上げられ、これは終わった。
そのひとつの理由に英国の国民保険があるという。ロイドウェバー氏にいわせると保険料というより詐欺まがいの税金だという。ミスター苺の知り合いのイギリス人夫婦は、奥さんが癌になったのに国民保険で必要な治療許可がおりず、治療を待っているうちに亡くなったという悲劇も起きている。あつめた保険料はどこへいったのさ、と聞きたくなるね、まったく。
また、ロイドウェバー氏は、固定資産税の税率は所得税よりもずっと低いため、がんばって旗来て収入を得るよりも、不動産を売り買いしていたほうが税金が安くて住むという状況が起きてしまうという。今回の世界的不況も、もとはといえば不動産バブルが原因。それをさらに悪化させるような予算案が立てられているのだと氏は強く批判。

この先数年は英国はひどいことになるだろう。そんな時のソマリア海賊さながらに英国の荒波のなかで舵をとる数少ない生産者から奪い取るなど最低です。

アルゼンチンのファシストや大量殺人鬼の革命かチェ・ゲバラなどを好意的に描いた「エビータ」などを制作した劇作家なので、私はてっきりロイドウェバーは典型的なイギリスの芸能人で社会主義社なのだろうと思っていたので、今回の記事はちょっと意外だ。
もっとも「保守派とは強盗にあったリベラルだ」などという人もいるように、実際に自分がビジネスマンになって社会主義の犠牲者になってみると、いかに社会主義が経済の発展を妨げるかが身にしみたのであろう。
高所得者の税率を引き上げるれば、国の収入が上がると思い込んでる馬鹿なオバマ王にも是非きいてもらいたい。高所得者こそ住みたくない国から簡単に出て行ける人はいないのだ。アメリカの税金はトップ10%の人が80%以上賄っているという話をきいたことがある。そういう人が国を出て行ったら、収入は50%に増えるのではなく0%に減ってしまうのだ。そのことをアメリカ市民も充分に考えていただきたいものだ。


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